地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
ISSN-L : 1880-6341
8 巻 , 1 号
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論文
  • 土田 孝, 今村 俊博
    2013 年 8 巻 1 号 p. 1-14
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
    境港外港地区の防波堤建設工事において,上部中間土層の設計強度の決定と地盤改良の必要性の有無が設計上問題となった。一軸圧縮強度と原位置の平均有効土被り圧で等方圧密した後の三軸圧縮強度を併用した強度決定法を境港海底地盤に適用した結果,上部中間土層の一軸圧縮試験の試料は「品質が非常に悪い」に分類され,一軸圧縮強度は過小評価していると判断された。三軸圧縮強度の75%とする強度評価を行った結果,中間土地盤の強度は一軸圧縮強度による評価値の2倍以上になり,地盤改良の必要がなく安全に防波堤を建設することができた。
  • 清原 雄康, 風間 基樹
    2013 年 8 巻 1 号 p. 15-22
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
    不飽和土の圧密やせん断時の水分特性曲線の変化に対する有効応力の変化,体積変化挙動を把握することは,変形挙動予測精度向上の上で重要である.本研究では火山灰質土である乱した八戸ロームの不飽和排気・排水三軸試験時の圧密・せん断過程における間隙比の変化に対する水分特性曲線変化の関係と,Novaらが提案した応力比−ひずみ増分比関係を考慮したせん断挙動のモデル化を行った.著者らが以前に提案した不飽和の修正Cam-Clayモデルを用いた解析結果との比較もふまえ,これらモデルの解析値と実測値の比較を行った.軸ひずみが5~10%以下の範囲では,提案モデルの解析値は実測値と良好な整合性が得られた.
  • 武士 俊也, 千田 容嗣, 宇都 忠和
    2013 年 8 巻 1 号 p. 23-33
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
    回転運動が卓越する活発な地すべり地2箇所で,IT地盤傾斜計で得られた傾斜速度と,滑落崖に設置した地盤伸縮計等による変位速度と比較解析し,評価を行った。対象フィールドは,幅約40mの土肥地すべりと,幅約250mの塩の川地すべりである。地すべり地内での地盤傾斜計の後方回転運動による傾斜速度x (rad/day) と,地すべり頭部に設置した地盤伸縮計ないしは移動杭の変位速度y (m/day)との間には,y=kxの相関関係が得られた。上記の相関関係が地表面での回転運動の半径r2’(m)により生じると仮定すると,土肥地すべりではr2’=k=14.6~18.0,塩の川地すべりではr2’=k=35.4~42.2となる。地すべり形状から推定した回転運動の半径r2(m)がそれぞれr2=16前後,r2=36であり,r2’と概ね一致する結果が得られた。回転運動が卓越する地すべりでは,変位速度/傾斜速度の比較解析が,地すべりの変形過程解明に寄与することが示唆された。
  • 中村 洋丈, 横田 聖哉, 中澤 正典, 竜田 尚希, 辻 慎一朗
    2013 年 8 巻 1 号 p. 35-51
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
    本論文は,再構築された補強土壁の内部状態を把握するための種々の試験・調査による変状事例研究である。調査の結果,壁面上部,上部前面の含水が高く,S波速度が低い等の相対的な弱部を把握した。変状は裏込め部の排水施設や路面からの浸透水の影響で,泥岩盛土材が細粒化し細粒分が壁面から流出,壁面上部前面が沈下し,前面変位が生じたものと結論づけた。また,内部状態の調査により健全性評価のための表面波探査の有効性と,変状部内部の補強材の強度低下が確認できた。
  • 土田 孝, 湯 怡新, 嶋川 奈津美, 安部 太紀
    2013 年 8 巻 1 号 p. 53-70
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
    各種の含水比,セメント添加率で作製したセメント固化処理土の経時的な強度発現を調べた結果,強度発現過程が,添加直後から3日までの前期強度発現過程と3日以降の後期強度発現過程に分かれることを示した。各過程の強度発現をモデル化し,5つのパラメータによりセメント処理土の経時的な強度発現を予測する式を提案した。本提案式はすでに提案している体積固体分率による強度予測式と整合し,さらに発展させている。12種類の海底浚渫粘土の配合試験結果について提案式のパラメータを求め,実測強度と計算強度を比較した結果,セメント固化処理土の経過時間ごとの強度発現を適切に予測できた。
  • 安原 英明, 長谷川 大貴, 中島 伸一郎, 矢野 隆夫, 岸田 潔
    2013 年 8 巻 1 号 p. 71-79
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
    温度・応力条件に依存する岩石構成鉱物の溶解現象に起因する岩盤の透水・物質輸送特性の空間的・時間的変化を把握することは重要である。本研究では,加温することが可能な三軸試験装置を用いて,単一不連続面を有する花崗岩供試体に対して,温度を20および90℃に,拘束圧を1~10 MPaに制御した環境で透水試験を実施し,温度・拘束圧に依存する透水特性の変化を計測した。また,拘束圧の保持時間が透水特性に与える影響を検証するために,短期載除荷試験,長期保持試験の2種類の実験を実施した。その結果,20℃条件では透水特性の変化に可逆的な挙動が観察されたが,90℃条件では,不可逆的な挙動が得られた。これは,不連続面内アスペリティ接触部の破壊・溶解現象に起因していると考えられる。
  • 高野 大樹, 西村 聡, 竹花 和浩, 森川 嘉之, 高橋 英紀
    2013 年 8 巻 1 号 p. 81-95
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
    緩い砂地盤の液状化対策工法として,地中にグラウトを注入し杭状の改良体を作製することにより,地盤の密実化および拘束圧の増加を図る静的圧入締固め工法がある。本工法の利点として既設の空港舗装に対して悪影響を与えず,供用を妨げずに施工が可能となることが挙げられる。一方,同様の密度増大工法であるサンドコンパクションパイル工法(SCP)に比べ施工コストが比較的高いこと,予期せぬ地表面の隆起や舗装の損傷が生じるなどの問題が報告されている。これらの問題を踏まえ,本研究では,静的圧入締固め工法の低改良率化の是非を検討するものである。ここでは,模型実験および数値解析を通してグラウト注入時の地盤挙動について検討し,その液状化抑制効果について検討を行なった。これらの結果,グラウト注入による地盤の密実化は主にグラウト側面のみに生じること,また1.5程度のK値(側方有効応力/初期有効上載圧)が得られると有効な液状化抑制効果が得られることがわかった。
  • 新舎 博, 熊谷 隆宏, 宮本 健児, 濱谷 拓
    2013 年 8 巻 1 号 p. 97-108
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
    浚渫土の処分土量を増加させる目的で,陸上に2つの処分場を築造し,処分した浚渫土に水平ドレーンを利用した真空圧密工法を適用して,堆積土の減容化と増量対策を実施した.水平ドレーン材は幅100mm×厚さ10mm×長さ117~171mのPBDであり,処分場の底面と中段に,0.8mの水平間隔でドレーン材を全面に敷設した.2つの処分場への水平ドレーン材の敷設と,浚渫土の処分を交互に行い,かつ堆積土に負圧を継続して作用させることにより,処分場内に処分場容積の約1.1倍に相当する地山状態の浚渫土量を処分することができた.本文では,工事の概要と各種計測結果,および沈下解析について述べる.
  • 兵動 太一, 赤木 寛一
    2013 年 8 巻 1 号 p. 109-118
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
    地盤改良工法の一つである薬液注入工法は,近年首都圏臨海部で問題になっている液状化対策や,軟弱地盤の改良のためなど我が国の都市土木において重要な工法だと言える。しかしながら,その設計・施工方法は経験に頼ることが少なくなく,より合理的な設計・施工を行うために改良固結土についての的確な力学特性評価が求められている。本研究では,特殊中性・酸性系の水ガラス薬液で改良した固結砂を用い一軸圧縮試験や弾性波速度測定試験を行い,薬液固結砂の力学特性に関する既存の基礎的研究成果と混合土で提案されている等価骨格間隙比の考え方をもとに薬液ゲルが固結砂の強度発現に果たす役割について,実験的な調査を試みた。その結果,薬液固結砂の一軸圧縮強さ,弾性波速度と等価骨格間隙比との間にはある程度一義的な関係を認めることができた.この結果をもとに,水ガラス濃度に対応した薬液ゲル化物が薬液固結砂の強度発現に果たす役割について考察した。
  • 川端 昇一, 土田 孝, 加納 誠二, 由利 厚樹, 花岡 尚, 中川 翔太
    2013 年 8 巻 1 号 p. 119-131
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
    本研究は,4箇所の土砂災害危険渓流で地盤調査を行って渓流をモデル化し,降雨浸透解析と斜面安定解析から各渓流の豪雨時における危険度評価を行ったものである。まず2人が一箇所の渓流をほぼ一日で調査できる軽量動的コーン貫入試験を用いた実用的な渓流の地盤調査方法を示した。室内の降雨浸透実験と一次元降雨浸透解析から,一定の強度の降雨が連続する場合には,地盤面で形成され降下する高含水比帯の体積含水率と飽和度,降下速度が降雨強度によって決まることがわかった。さらに,高含水比帯が基盤に達した以降において降雨とともに二次元斜面内で地下水位の上昇を計算する式を導いた。これらの結果から所定の強度の降雨が連続した場合に対する4箇所の渓流の安全率の経時変化を計算し,それぞれの危険度を定量的に比較することができることを示した。
ノート
  • 佐藤 望真, 荻野 俊寛, 高橋 貴之, 林 宏親, 及川 洋
    2013 年 8 巻 1 号 p. 133-142
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
    北海道および秋田県内で採取した高有機質土や有機質粘土などの有機分を含む土に対して繰返し三軸試験および繰返しねじり試験を実施し,土の変形特性を決定づけるパラメータである初期せん断剛性率G0および規準ひずみγrの評価およびそれらの定式化を行っている。試料の強熱減量と土粒子密度の高い相関性から有機分を表すパラメータとして土粒子密度を導入し,初期せん断剛性率G0の実験式を提案している。飽和土の場合,このパラメータは間隙比とともに含水比に置き換えられ,従来提案されている泥炭の実験式に近いことを示している。また,Hardin-Drnevichモデルから規準ひずみγrが初期せん断剛性率G0および圧密応力によって表されることを示し,提案した初期せん断剛性率G0の実験式を用いることで含水比および圧密応力をパラメータとした規準ひずみγrの実験式を提案している。本報告における一連の実験結果から実験式による計算値と実験値を比較すると,初期せん断剛性率G0では実験値は計算値の0.7~1.5倍,規準ひずみγrでは0.5~2倍程度の範囲内にあることを示している。
  • 白井 康夫, 安福 規之, 落合 英俊, 田上 裕
    2013 年 8 巻 1 号 p. 143-154
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
    軟弱地盤上の盛土構築の際,盛土法尻の水平変位抑制対策として浅層混合処理工法やジオグリッドを用いた工法が多く採用されている。これに対して,筆者らは盛土材を2枚の敷金網で挟むことにより同様の効果が期待できると考えており,現在,そのメカニズムの究明や設計手法の提案に取り組んでいる。本文では,盛土時の水平変位増大に伴いサンドドレーン工が切断されてその効果を失うことを防止するため,盛土底面に2枚の敷金網を敷設して水平変位の低減を計った施工事例を報告するとともに,動態観測結果,敷金網の引張力測定結果などから,2枚の敷金網に挟まれた盛土の変形抑制効果について考察した。
  • 品川 恭一, 藤井 衞
    2013 年 8 巻 1 号 p. 155-164
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
    戸建住宅の地盤調査法としては,スウェーデン式サウンディング試験が,一般的に用いられている.しかし,この試験機の欠点は,自沈荷重のコントロールの難しさにあり,これによって推定された粘性土の非排水せん断強さは信頼性の面において問題がある.ただし,スクリューポイントの回転による抵抗は,粘性土の非排水せん断強さと深く関係を有している可能性が高い.そこで,本研究では,室内実験として,ベーンの形状をスクリューポイントの高さ・幅(径)に相似させた特殊翼を作製し,そのトルク値やスクリューポイントのトルク値から粘性土の非排水せん断強さとの関連性を検討した.その結果,いずれも粘性土の非排水せん断強さと密接な関係があることが明確にされ,トルク値による粘性土の非排水せん断強さの推定式を提案することが出来た.そして,現場実験により,推定式の妥当性を検証し,推定式が十分に適用できる見通しをつけることができた.
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