心身健康科学
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10 巻, 1 号
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第17回日本心身健康科学会学術集会 特別講演
第17回日本心身健康科学会学術集会 シンポジウム
原著論文
  • 臼井 美登里, 庄子 和夫, 鈴木 はる江
    2014 年 10 巻 1 号 p. 18-24
    発行日: 2014/02/01
    公開日: 2014/02/21
    ジャーナル フリー
    救急看護師は緊張感が高いストレス環境にあり,病棟看護師よりストレスが高いと言われている.さらに,経験年数に応じて難易度の高い業務が課せられることから,より強い負荷が生じている.しかし実際には,難易度の高い煩雑な業務に従事しながらも,それを適度なストレスとしてモチベーションに繋げていると思われる看護師も存在する.そこで,臨床実践能力を段階的に習得していく複合型の業務体系をもつ2施設の救命救急センター看護師に対しストレス調査を実施し,業務態様別に3群に分けて分析した.その結果,多様な業務 (リーダー・急患対応・受け持ち業務) に携わっている群は,他の2群 (急患対応・受け持ち業務担当,および受け持ち業務のみ担当) に比べ有意に自己効力感が高く,ストレスと特性不安が低かった.またこの群は,職業性ストレス簡易調査票細項目の対人関係ストレスは高いが仕事のコントロール度も高く,仕事の質的負担・疲労感・不安感・抑うつ感・身体愁訴が他の2群に比べ低かった.臨床実践能力を段階的に習得していく複合型の業務体系による様々な看護経験が,特性不安やストレス状態を軽減し,自己効力感を高める一要因であることが示唆された.
  • 尾形 隆夫, 庄子 和夫, 近藤 昊
    2014 年 10 巻 1 号 p. 25-32
    発行日: 2014/02/01
    公開日: 2014/02/21
    ジャーナル フリー
    高齢社会を迎えている現代社会において,高齢者がより良く生きるため心身相関の研究が多様な方面から進んでいる.以前から経験的にストレスは健康の大敵といわれてきたことや,臨床的にもアトピー性皮膚炎が心理的または,身体的ストレスによって増悪することが観察されている.このように,皮膚の状態については,数多くの研究がなされている.ストレスと皮膚水分量の関係については,ストレス評価として質問紙やいくつかの生理的指標を用いた研究がなされてきた.しかし,尿中バイオピリン (以下:尿中BPN) を用いて皮膚角質層水分量との関係を調査した報告はない.本研究では,皮膚角質層水分量 (前腕内側部と後頸部) と尿中BPNとの関係を,女性高齢者44名 (69.52± 3.51歳 (平均±標準偏差)) を対象として調査した.皮膚角質層水分量の測定には,モイスチャーチェッカー808sを使用した.女性高齢者において,皮膚角質層水分量と尿中BPN値の関係には,前腕内側部と後頸部ともに負の相関がみられ,前腕内側部と後頸部の皮膚角質層水分量の多い群と少ない群の2群間で尿中BPN値に有意差を認めた.本研究で,皮膚角質層水分量の多い女性高齢者は少ない人に比べて尿中BPN値が有意に低いことが明らかになった (p < 0.05).
  • 大鳥 和子, 福島 和代, 吉田 浩子, 鈴木 はる江
    2014 年 10 巻 1 号 p. 33-42
    発行日: 2014/02/01
    公開日: 2014/02/21
    ジャーナル フリー
    本研究は,先輩看護師の言動に対する病院勤務看護師の被害認識と被害認識に関連する要因を明らかにするために,20~30歳代女性看護師963人を対象に質問紙調査を行った.有効回答478を被害認識の有無で分類し,関連要因は属性,ローカス・オブ・コントロール,心身不調とした.結果,31.8%が被害認識あり群で,20歳代が30歳代よりも被害認識あり群の割合が高かった.30歳代と臨床経験年数10年以上の看護師は,被害認識あり群がなし群よりも外的統制傾向にあった.心身不調10項目中9項目は,被害認識あり群がなし群よりも「有」の回答の割合が高かった.先輩看護師は,自らの言動が「被害を受けた」と認識されることを自覚し,被害認識を与えない言動を行うことが重要であることと,20~30歳代女性看護師のメンタルヘルス対策には先輩看護師の言動に対する被害認識を考慮した方策を盛り込む必要性が示唆された.
 
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