心身健康科学
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10 巻, 2 号
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第18回日本心身健康科学会 特別講演
第18回日本心身健康科学会学術集会 シンポジウム
原著論文
  • 池谷 昌枝, 島田 凉子, 庄子 和夫
    2014 年 10 巻 2 号 p. 75-85
    発行日: 2014/09/01
    公開日: 2014/09/13
    ジャーナル フリー
    本研究ではn-3 polyunsaturated fatty acid (PUFA) 量とn-6/n-3PUFA比率を統制した食事が大学生の心理的ストレス応答にどのような影響を及ぼすかについて調査した.
    大学生男女23名を実験群13名とコントロール群10名に分け,調整期 (n-6/n-3=8) 3日間,介入期 (実験群:n-6/n-3=2,コントロール群:n-6/n-3=8) 7日間の食事介入を行った.最終日に暗算を行い,暗算前後の唾液中コルチゾール,尿中ビオピリン,profile of mood states-brief form (POMS短縮版) の群間比較を行った.
    実験群ではコントロール群よりも暗算後の気分の回復が早く,唾液中コルチゾールの終息も良好であった.また実験群は暗算後の尿中ビオピリンの上昇が抑制されていた.これは,n-3PUFAによりhypothalamic-pituitary-adrenal axis (HPA系) の負のフィードバックが良好であったことや活性酸素種への対処が円滑に行われたことに起因すると考えられる.
  • 吉田 渡, 鍵谷 方子, 久住 武
    2014 年 10 巻 2 号 p. 86-96
    発行日: 2014/09/01
    公開日: 2014/09/13
    ジャーナル フリー
    快適に装用できる装具は,支持面積が大きいほど良いとされるが,快適性には使いやすさという要素も必要である.そこで,装具の使いやすさの判断基準となる要因を検討した.さらに,支持部の長さと呼吸および心拍との相互の関連を明らかにした.
    対象は上肢に運動機能障害のない健常成人とし,製作したカックアップ装具 (以下,装具) は,①支持部の位置が掌側と背側,②長さが前腕長の2/3 (以下,Long) と1/6 (以下,Short) を組み合わせた4種類とした.装具使用前後の印象と動作中の使用感を質問紙で調査した.さらに,呼吸数,二酸化炭素排出量 (VCO2),心電図のR波の間隔 (以下,心電図R-R間隔) を計測し,使用感との関係を検討した.
    見た目で使ってもよいと感じた装具は支持部の位置,長さのどのタイプにも偏らなかった.使用後は,長さが判断基準となりShortが好印象であった.使用感は,Shortと比べLongで悪かった.呼吸数とVCO2は動作で有意に上昇 (p<0.01) するが,装具の違いによる影響はなかった.心電図R-R間隔の結果も同じであった.LongよりもShortの使用感が良好なことや生理機能に特徴的な差を認めないことから,快適な装具を製作するためには従来の長さ (今回のLong) だけでなく,Shortも選択肢の一つになると考えられる.
 
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