心身健康科学
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9 巻, 2 号
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特別講演
第16回日本心身健康科学会学術集会 シンポジウム
原著論文
  • 入井 俊昭, 岩楯 公晴, 青木 清
    2013 年 9 巻 2 号 p. 96-102
    発行日: 2013/09/01
    公開日: 2013/09/13
    ジャーナル フリー
    孤独死の問題が取り上げられる時,社会との繋がりが希薄になっていることが原因であるという見方がされる.また,心身健康の側面から見たとき,精神疾患者は,周囲の理解を得ることが難しく,同様に社会との繋がりが希薄になってくる.
    本研究では,独居死と精神疾患の関連を明らかにするために,過去3年間に実施された法医剖検例から性別,年齢,死因,既往歴等を抽出し,調査した.
    剖検例1702件のうち,独居死は472件であった.このうち,精神疾患者群は,123件見られ,その年齢構成は,高齢者よりも,若年層に多いことが示された.死因について,特徴的な傾向として,男女とも精神疾患者群では,中毒及び自殺の割合が高く,特に,65歳未満の女性の精神疾患者群では,この傾向が顕著であった.この中には,薬物の多量摂取が疑われる事例があり,精神疾患者特有の現象と考えられ,精神面でのサポートの必要性を示している.
  • —Antonovskyの健康生成論の視点から—
    福島 直子, 尾島 喜代美, 中野 博子
    2013 年 9 巻 2 号 p. 103-111
    発行日: 2013/09/01
    公開日: 2013/09/13
    ジャーナル フリー
    乳がん患者は心身に様々な困難を持ちそれが精神症状へと進む人がいる一方で,心身の健康を維持し能動的に生きる人もいる.健康生成論では,人々の健康を回復する要因は首尾一貫感覚:Sense of Coherence (SOC) にあるとされている.そこでSOCの高い乳がん患者の経験を探索的に明らかにし,健康生成論的な視点で分析し構造化することを目的とし研究を行った.乳がん患者会所属者の内SOCの高かった6名を対象とし,半構造化面接を行い修正版グラウンデット・セオリー・アプローチで分析した.その結果,得られたモデルは【現実的に対応する】【不調に直面する】【前向きな生】【生きる力の蓄積】【現実への満足感・充足感】の5つのカテゴリーにより構成された.そして,モデルはこれらのカテゴリーを内包した問題把握のプロセス,問題処理のプロセス,意味づけのプロセスが循環して展開することが明らかになった.
 
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