日本ヘルスケア歯科学会誌
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最新号
日本ヘルスケア歯科学会誌
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総説
  • バイタルサインの基本から歯科治療時の全身的偶発症の対応
    左合 徹平
    2024 年25 巻1 号 p. 6-
    発行日: 2024/12/31
    公開日: 2025/06/05
    ジャーナル オープンアクセス
    近年,有病者や超高齢者を診察する機会が増加しており,安全な歯科診療を実現するために全身管理の重要性は増してきている.患者の全身状態を管理するためには高度な知識や技術が必要と誤解されるかもしれないが,歯科治療時の全身管理において必要なのは,歯科治療を受けている患者の状態を把握し,患者の全身状態の変化や異常に気づき,対応するための基本的な知識で,それらの基本的な知識を歯科医療に携わる全スタッフが共有していることである.患者の全身状態の把握にはバイタルサイン(血圧・脈拍・呼吸・体温)や動脈血酸素飽和度(SpO2)などの生体情報が必須である.これらの生体情報をもとに患者の全身状態を把握し,異常を早期発見し対処することが安全な歯科医療につながる.また,超高齢社会では歯科治療における全身的偶発症の発生率も高くなることが予測される.歯科治療時には血管迷走神経反射や過換気症候群といった全身的偶発症が発症することがあるが,これらに対する適切な対応も安全な歯科治療を実現するうえで不可欠な要素である. 本稿では患者の全身状態の把握に必須のバイタルサインをはじめとする生体情報の正常値と正しい測定法について解説し,加えて歯科治療時に生じる代表的な全身的偶発症とその対処法について解説する.
症例報告
  • 本多 毅, 福井 利江
    2024 年25 巻1 号 p. 13-
    発行日: 2024/12/31
    公開日: 2025/06/05
    ジャーナル オープンアクセス
    口腔内に関心の低い慢性歯周炎患者の症例を挙げる.中断の末,再受診したこの患者に口腔内の現状を理解してもらうため担当歯科衛生士が採得した資料(問診,口腔内写真,エックス線検査,歯周組織検査)を用いて説明し,患者の意識改革に努めた.その結果,来院継続と歯周基本治療,SPTまで行うことができた.一時はセルフケアにも協力的であった患者が,事故による下半身麻痺をきっかけに次第にモチベーションが低下し,不安定な状態が続いた.重度の歯周病ケースといった特記すべき症例ではないが,継続的な来院と定期的な資料採得によって現在も患者の歯周組織をコントロールしている.本症例を通して,変化していく患者背景に配慮しながら歯周病を管理していくことの重要性と,今後この患者の口腔健康を維持していくために当院がサポートしていくべき課題について考える.
  • 島野 圭介
    2024 年25 巻1 号 p. 22-
    発行日: 2024/12/31
    公開日: 2025/06/05
    ジャーナル オープンアクセス
    日常診療において,セメント質剝離を疑う症例は少なくないが,その詳細は不明な点が多い.今回は上顎中切歯・上顎側切歯にセメント質剝離を認め,多くの骨吸収が起こり,セメント質剝離片の除去および根面デブライドメントだけでは対応が難しく,デンタルエックス線検査,歯科用コーンビームCT(CBCT)検査等で現状把握を行い歯周組織再生療法後にサポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)を行っている2症例を提示する. デンタルエックス線写真,CBCTはセメント質剝離の診断に有効であった.短期間ではあるが,現時点で良好な結果が得られている.
調査報告
  • 秋元 秀俊, 藤木 省三
    2024 年25 巻1 号 p. 34-
    発行日: 2024/12/31
    公開日: 2025/06/05
    ジャーナル オープンアクセス
    この調査は,定期管理型歯科診療所の初診患者の経年的動向を知ることを目的に,日本ヘルスケア歯科学会の会員診療所(主に「健康を守り育てる診療所」の認証を受けた診療所)において日常的に記録されている診療記録を匿名化したうえで収集し,その初診患者の特徴を分析したものである.この第17報は,70診療所(27都道府県)の1年間(2022年1月1日から12月31日)の初診患者(生年月日と性別の記載がある患者記録総数16,045人,男性7,022人,女性9,023人)の口腔内の記録を集約し,集計・分析したものである.会員診療所のうち原則として初診患者全員の口腔内記録がデジタル化されたデータとして提出可能で,6歳以上の小児について1人平均DMF歯数(以下,DMFT指数),成人についてはDMFT指数のほか,残存歯数,歯周病進行度,喫煙経験の記録(必ずしもすべての項目の記録が揃っている必要はない)のある会員に協力を要請し,その記録を集計した.調査集計の結果,前回調査に引き続き12歳以上の年齢(階層)別DMFT指数の低下,若年層男性の非喫煙者率の増加が認められた.また男女とも高齢者の現在歯数の増加が認められた.
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