日本家政学会誌
Online ISSN : 1882-0352
Print ISSN : 0913-5227
ISSN-L : 0913-5227
40 巻, 4 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 三谷 璋子, 佐藤 一精
    1989 年 40 巻 4 号 p. 249-252
    発行日: 1989/04/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    Various extraction methods of vitamin B12 compounds from eggs were investigated to clarify the forms of B12 in eggs. The results were as follows :
    1) A conventional extraction method of B12 using 80% ethanol was not available for eggs.
    2) As the effective B12 extraction method, the following procedure was established, namely, heating egg homogenate for 30 min at 90°C with 1 % N-ethylmaleimide (1 M) in ethanol-0.1 M acetate buffer (pH 4.8) or 80 % ethanol-0.1 M acetate buffer (pH 4.8).
    3) The content of vitamin B12 analogues extracted with 80 % ethanol-0.1 M acetate buffer (pH 4.8) in fertilized egg was higher than in unfertilized egg.
    4) The treatment of the precipitates obtained by the solvent extraction with pepsin led to more efficient extraction of vitamin B12.
  • 三谷 璋子, 佐藤 一精
    1989 年 40 巻 4 号 p. 253-257
    発行日: 1989/04/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    The forms of vitamin B12 compounds in fertilized and unfertilized eggs were separated and identified by cellulose membrane electrophoresis, paper chromatography or micro-HPLC with a microbiological determination method. The results were as follows.
    1) The main forms of vitamin B12 compounds in fertilized egg were CN- B12, Ado B12 and HSO3-- B12, while those in unfertilized egg were CN- B12 and HSO3-- B12.
    2) The difference between the forms of vitamin B12 compounds in fertilized and unfertilized eggs was Ado B12 content, which was higher in fertilized egg. This may suggest that a new metabolic pathway including Ado B12 dependent enzyme system is developed in fertilized egg by the incubation after fertilization.
  • 生亀 眞清, 本間 清一, 相田 浩
    1989 年 40 巻 4 号 p. 259-263
    発行日: 1989/04/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    L-ソルボース発酵を, 反応系に加圧純酸素を導入し, アルギン酸カルシウムで包括固定化した Gluconobacter suboxydans var. α IFO 3254 菌を使用して行ったところ次のような結果が得られた.
    1) 酸素の圧が高くなるほど反応速度は速くなり, 25kg/ cm2 ゲージ圧までは, 酸素と反応速度の問に直線的な関係がみられた.
    2) しかし 25kg/ cm2 ゲージ圧を越えると, 反応速度の上昇は鈍ったが, この原因は高圧によるのではなく, 酸素によるものであった.
    3) 菌体をアルギン酸カルシウムで包括固定化することによりG. suboxydans var.α IFO 3254 菌の SLDH は高圧酸素に対して保護され, 5kg/ cm2 ゲージ圧の酸素加圧下でも, 1回20時間, 5回の繰返し使用を通じて初期の活性を維持していた.
    4) 純酸素下 (0kg/ cm2 ゲージ圧) で, 15℃ で1回20時間の反応を15回繰り返したところ固定化菌は基質を毎回80%以上変換し続けた.これはL-ソルボース平均生成速度約0.61μmol/ (sec・g dry cell weight) に相当した.
  • -ポーラスポリマー樹脂吸着法による単離-
    鷲野 由紀, 久保田 紀久枝, 小林 彰夫
    1989 年 40 巻 4 号 p. 265-270
    発行日: 1989/04/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    かつお節水だし汁を試料とし, ポーラスポリマー樹脂を用いてカラム吸着法により水溶液中の香気成分を捕集する方法を検討した.
    1) かつお節水だし汁をPorapak Q またはTenax GCを充填したカラムに通すと, 香気成分はカラムに吸着され, これを少量のエチルエーテルで脱着すると効率よく香気成分を捕集することができた.
    2) 本方法で分離したかつお節水だし汁の香気成分をGCおよびGC-MSで分離・分析した結果, かつお節の香気成分として新たに4種の化合物を同定した.
    3) 水だし汁に含まれている呈味成分として遊離アミノ酸および5'-IMPを定量した結果, 脱臭後も呈味成分はカラム流出液中にほぼ完全に回収されることがわかった.
  • 桐渕 壽子
    1989 年 40 巻 4 号 p. 271-277
    発行日: 1989/04/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    1) きな粉の保存性に関して脂質およびアミノ酸成分の変化から検討した.
    2) きな粉は 150℃ で 30 分焙煎したもの (きな粉 I) と, 180℃ で 30 分焙煎したもの (きな粉 II) の2種を調製し, 5, 30, 40℃ で 180 日間保存し, AV, POV, 脂肪酸組成およびアミノ酸成分の変化をしらべた.
    3) きな粉 I, きな粉 II ともに 30℃ 以下の保存では酸敗がみられなかったが, 40℃ に保存すると, きな粉五ではしだいに酸敗が起こり, 保存 120 日を過ぎると POVは急激に上昇し, 180 日では食品衛生法の基準値を越えて 35mEq/kg となった.
    4) 脂肪酸組成は大豆を焙煎することにより, リノール酸, リノレン酸の組成比が減少し, 焙煎により酸化分解すると考えられた.保存中は 30℃ 以下ではほとんど変化はなく, 40℃ の高温に保存の時のみわずかに酸化されるようであった.
    5) 大豆を焙煎することにより遊離アミノ酸量の減少がみられた.とくにリジンやアルギニンおよびアンモニアの減少が著しく, これはアミノ-カルボニル反応に関与し, 褐変色素メラノイジンを生成したものと推察した.
    6) 40℃ で保存すると, 大豆粉は遊離アミノ酸が増加し, とくにアンモニアの増加が著しく, 脂質の酸敗臭とともに悪臭の原因をなしていると思われた.しかし十分に焙煎したきな粉ではまったく変化がなかった.
    7) きな粉は十分に焙煎して作られたものならば, 30℃ 以下では十分保存性のある食品と思われた.
  • -顕微鏡的観察-
    川染 節江, 田村 咲江, 中尾 亜里子, 山野 善正
    1989 年 40 巻 4 号 p. 279-285
    発行日: 1989/04/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    バタースポンジケーキの生地およびケーキ中での気泡保持に及ぼす卵黄の効果と, バターの存在を組織学的に解明するために, 光学顕微鏡および透過型電子顕微鏡により観察し, あわせて物性の測定も行った.試料は, 砂糖100g, 小麦粉100g, ペーキングパウダー0.5gに対し, 卵白 (1309) と卵黄 (709) を加えたもの (A), これにバター (809) を添加したもの (B), 卵白 (200g) にバターを加えたもの (C) とした.
    1) 生地の比重は, C, B, Aの順に減少し, ケーキの比容積は卵黄を含むA, Bが大きく, 卵白のみのCは極端に小さくなり, 卵黄が気泡の保持に機能するものと推察される.ケーキのかたさはC, A, Bの順に減少し, 卵黄を含むBが最もやわらかく, 気泡容積の大きいことを示した.
    2) 光学顕微鏡観察によると, 卵黄を含むケーキA, Bの気泡は, バター添加の有無にかかわらず大小の球形をなしているが, 卵白のみのCではおうとつが多く球形をなしていなかった.
    3) JB-4樹脂に包埋したケーキBでは, 添加したバターが主として直径100~300μmの脂肪球となり組織中に散在し, 一部は気泡中にしみ出していることが光学顕微鏡下で観察された.
    4) 透過型電子顕微鏡観察では, 卵黄を含む生地A, Bには, 卵液中に卵黄顆粒, 小麦粉由来のデンプン粒, バタースポンジケーキの気泡保持に及ぼす卵黄の効果不定形のタンパク質が観察された.卵白のみの生地Cでは, 気泡のまわりに薄膜が形成されており, この膜は気泡の消失にともなって生地中に陥入したものが折れ重なって存在し, それが, 焙焼後のケーキにも残存して, 気泡容積の縮小をきたしていた.
    5) 生地の気泡をとり囲んでいるのは卵液であり, グルテンは気泡の周囲にほとんど散在していなかったので, 気泡形成に直接関与していないことがわかった.
    6) 卵黄を含むケーキBの気泡をとり囲む実質部分に, 透過型電子顕微鏡像において, 微小な網目状のネットワークがいちめんにみられるが, 卵白のみのケーキCではそれがみられず, 卵黄を含むBの膨化が卵白のみのCより顕著に大であることから, 組織学的には, このネットワークがケーキの気泡保持に寄与したものと考えられる.
  • 意味類似による分類
    藤原 康晴, 川端 澄子
    1989 年 40 巻 4 号 p. 287-293
    発行日: 1989/04/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    服装を評価する用語をいくつかのクラスターに分類し, さらにそれらクラスターの階層構造を検討するために, 女子短大生92名が, 服装を評価する60用語の意味類似に基づいてグループ化を行った.全評定者のうち何割がある用語と用語を同一グループに組み入れたかによってそれらの用語の類似率を計算した.用語60個のすべての組合せについて類似率を算出し, 60×60の類似率マトリックスを作成した.
    このマトリックスをインプットデータとして用いてクラスター分析を行った結果, (1) 知的でほっそり, (2) かわいらしく清楚, (3) 地味でベーシック, (4) 若々しく新女性の服装を評価する用語の分類 (第1報) 鮮, (5) しぶくて男性的, (6) 大胆でエキゾチック, (7) 高級, ファッショナブルで大人っぽい, (8) やぼったくていやらしいの8クラスターに分類できた.さらに, これらクラスターの階層構造を求めたところ, (1) と (2) が結合した「知的で清楚」なクラスターと (3) および (4) のクラスターが結合して「弱いイメージ」のクラスターが構成された.また, (6) と (7) の結合した「大胆, ファッショナブルで大人っぽい」クラスターと (5) が結合して, 「強いイメージ」のクラスターが構成された.さらに, 「弱いイメージ」と「強いイメージ」が融合して「肯定的な服装評価」のクラスターができ, このクラスターは, (8) の「否制的な服装評価」のクラスターと最終的に結ばれることがわかった.
  • 三橋 富子, 藤木 すみ, 田島 真理子, 妻鹿 絢子, 荒川 信彦
    1989 年 40 巻 4 号 p. 295-299
    発行日: 1989/04/05
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    魚肉の鮮度指標としてK値を用い, いわしの鮮度と魚肉だんごの加熱凝集性との相関について調べた.その結果次のことがわかった.
    1) いわしの鮮度低下に伴い魚肉だんごのかたさおよび凝集性は低下する傾向にあったが, 顕著な変化のみられない試料もあった.
    2) いわし魚肉タンパク質の抽出量は, 鮮度低下に伴い塩溶性タンパク質, アクトミオシン区タンパク質および水溶性タンパク質ともに減少したが, 鮮度低下に伴う魚肉だんごのかたさおよび凝集性の変化が認められない試料については, 水溶性タンパク質の抽出量の減少はみられなかった.
    3) 各タンパク質の SDS ポリアクリルアミドゲル電気泳動パターンの変化は, ミオシンの変化が著しく, 鮮度低下の初期にミオシン重鎖の分解が起こり150,000ダルトン成分が認められた。また, 水溶性タンパク質の34,000ダルトン成分も鮮度低下の初期に消失した.
  • 牛腸 ヒロミ, 中島 利誠
    1989 年 40 巻 4 号 p. 301-306
    発行日: 1989/04/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 軍司 敏博
    1989 年 40 巻 4 号 p. 307-312
    発行日: 1989/04/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 大森 正司
    1989 年 40 巻 4 号 p. 313-317
    発行日: 1989/04/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 1989 年 40 巻 4 号 p. 324
    発行日: 1989年
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 1989 年 40 巻 4 号 p. 325
    発行日: 1989年
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
feedback
Top