日本家政学会誌
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40 巻, 5 号
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  • 瀬沼 頼子, 大竹 美登利
    1989 年 40 巻 5 号 p. 327-333
    発行日: 1989/05/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    In October 1985, we surveyed the use of time and life-styles of Tama New Town families with both parents employed. A follow-up survey was conducted in September 1987, focusing on the time use and home life of the children of these families.
    Distribution and collection of the questionnaire was done by house visits with a brief interview at the time of collection. Effective responses were obtained from 75 families including 105 children.
    The results can be summarized as follows :
    1) The children spend long hours on extracurricular lessons as well as attending private prep, or cram schools, leaving little time for helping around the house.
    2) The elementary school children in lower grades have longer play time, spent more indoors than outdoors; especially their time for watching TV and playing with family computer games has increased.
    3) Fathers spend almost no time during the week with their children.
  • 坂田 由紀子
    1989 年 40 巻 5 号 p. 335-339
    発行日: 1989/05/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    市販のしらす干しについて, 衛生学的見地から品質調査を行った.鮮度の判定はpH, 水分, 水分活性, 塩分濃度, トリメチルアミン-窒素, 揮発性塩基窒素, ヒスタミンについてであり, 微生物学的検査では, 大腸菌群, 一般生菌, 腸炎ビブリオについて検査した.
    1) 水分は, 平均約40%で半乾燥品であるため, 生魚より低かったが, 含有量のばらつきが大きかった.これは, 生産地で出荷先にあわせて, いろいろな乾燥度の製品を製造しているためであると考えられる.
    ヒスタミン量は平均して新鮮な魚肉の含有量と同等であり, 最高でも3.57mg/100gで中毒量を超えるものはみられなかったが, 2期には含有量が1期に比べて有意に増加した.
    2) 微生物学的検査では, 一般生菌数は, 魚の干物と生魚の付着菌数より多い結果となったが, 106/g数を示したものが全体の32%あり, 大腸菌群数も干物に比較して検出率が高い結果となった.一般生菌数, 大腸菌群数ともに, 時期的な差はなかった。腸炎ビブリオは1例も検出されなかった.
    3) しらす干しの塩分濃度は市販の魚の干物より高く, 平均6.3%であり, 含有量は1期に有意に増加した.最近は魚の干物でも, 水分量が多く生魚に近い値になってきている事実に注目すれば7), しらす干しも生魚と同じように低温保持に十分な注意を払われなければならないし, また, それを購入した消費者も同様に取り扱う必要があると考えられる.
  • 久保田 紀久枝, 水内 裕子, 鷲野 由紀, 小林 彰夫
    1989 年 40 巻 5 号 p. 341-346
    発行日: 1989/05/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    1) 脱臭かつお節水だし汁を用い, 加熱中に呈味成分を含む不揮発性成分を前駆体として新たに生じてくる加熱香気成分について検索した.
    2) 加熱香気の主成分は, アルキルピラジン類, フルフラール, フルフリルアルコール, ピロール等で, 加熱1時間後にはすでに主生成物となっていた.加熱時間が長くなるに従い, ピロールアルデヒド類, チオフェン類, トリチオラン類など閾値が低く, 匂いの強い含硫, 含窒素化合物が少量ながら生成され, 加熱香気の質に影響を与えることが示された.
    3) 5'-IMPとアミノ酸の混合系によるモデル反応により, 5'-IMPの構成成分であるリボースが加熱香気形成に関与することが示された.
  • 澤田 崇子, 遠藤 金次
    1989 年 40 巻 5 号 p. 347-353
    発行日: 1989/05/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    シイタケ調理過程中での5'-ヌクレオチドの蓄積に重要な役割を果たしているRNAや酵素活性の分布の成長段階での変化を検討した、その結果は次のように要約できる.
    1) 水溶性タンパク質量, RNA量はシイタケの菌柄部より菌傘部に多く含まれており成長につれて減少した.成長段階の後半では, 菌傘部でのこれらの濃度はひだ部>表層部>中間部の順となった.
    2) ホスファターゼ活性は, 成長するにつれて, 菌傘部では減少傾向にあったが, 菌柄部ではほとんど変化しなかった.また, この活性は各成長段階で菌柄部より菌傘部で大きかった.菌傘部のホスファターゼ活性は表層部にやや片寄って分布していた.
    3) 菌傘部のヌクレアーゼ活性は成長段階の前半では菌柄部より小さく, 後半では逆に大きくなった.菌傘部のヌクレアーゼ活性はひだ部により強く分布し, ひだ部では, おもに担子柄と胞子の部位に分布していた.
  • メレンゲに関する研究 (第2報)
    伊東 清枝, 石川 由里子, 新井 映子
    1989 年 40 巻 5 号 p. 355-361
    発行日: 1989/05/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    メレンゲおよび焼きメレンゲを調製する場合に添加する砂糖量および酸類が, 卵白の起泡性および膨化性におよぼす影響について検討した結果, 以下のことが明らかとなった.
    1) 卵白に添加する砂糖濃度を 50~200% の範囲で変化させてメレンゲを調製した結果, 砂糖濃度の増加にともなってメレンゲの比重は大きくなったが, 焙焼した焼きメレンゲの比重は 180% の場合に最小となった.すなわち, 卵白溶液中に含まれる水分に対して飽和量 (卵白重量の180%) の砂糖を添加した場合に, 最も膨化性のよい焼きメレンゲが得られた.
    2) 焼きメレンゲの膨化性は, 焙焼中の水分蒸発量と密接な関係があり, 水分蒸発量が少ない焼きメレンゲほど膨化状態がよかった.
    3) 卵白に酒石英, クエン酸および酢酸を添加してpH 4.8 に調整した後起泡させた結果, いずれの酸類もメレンゲの起泡性は助長されたが, 焼きメレンゲとした場合には, 酒石英添加のみ, 砂糖濃度の影響を受けずに膨化性が高まることがわかった.
  • タピオカパールの加熱方法について
    平尾 和子, 西岡 育, 高橋 節子
    1989 年 40 巻 5 号 p. 363-371
    発行日: 1989/05/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    タピオカパールは, 調理に際して煮くずれしやすく, 芯が残りやすいなどの問題点があり, その加熱方法はむずかしい.透明感や歯ごたえがあり, 煮くずれが少なく, 芯のないタピオカパールを得るためのより簡便な加熱方法を知る目的で本実験を行った.
    加熱方法は, 湯煎による加熱の湯煎法と魔法瓶を用いるポット法について比較し, 顕微鏡観察, 物性測定および官能評価の結果から浸水効果や加熱方法を検討した.結果は次のとおりである.
    1) タピオカパールは, 加熱に際しての浸水効果は認められず, 浸水することなく, 直接ふりこんで加熱するほうが煮くずれしにくい結果となった.
    2) 加熱方法では, ポット法が湯煎法に比べて煮くずれせず, 弾力があり, 芯のない煮上がりとなるなど, 物性値においても, 官能評価においても最も好まれた. 魔法瓶を用いるポット法は, 加熱途中の攪拌や湯を補うなどの手間もかからず, しかも形状やテクスチャーのよいタピオカパールを得ることができるなど, 簡便かつ効果的な加熱方法と考えられる.
    3) 湯煎法のうち, 水にふり込んで加熱する水湯煎法は, 熱湯にふり込む熱湯湯煎法に比べて加熱時間が短縮され, とくに2時間加熱することにより, 透明で歯ごたえのある試料が得られた.
  • 長尾 慶子, 畑江 敬子, 島田 淳子
    1989 年 40 巻 5 号 p. 373-377
    発行日: 1989/05/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    衣を厚くしたコロッケの揚げ加熱中の破裂の機構に関して以下の結論を得た.
    1) 衣を2, 3, 4mmと厚くすると薄衣の1mm試料の場合にみられた表層部破裂は起こらず, コロッケ全体に縦 (長軸方向) に亀裂が入る全体破裂となった.
    2) 外皮の引張強さは, 経時的に増加した.2mm試料のほうが, 3および4mmの試料に比べて短時間で強度が大となった.破裂時の外皮の強度から推定した内部圧は, 2mm試料のほうがより厚い皮の試料に比べて有意に低かった.
    3) 厚衣の全体破裂は, コロッケ内容物体積が揚げ加熱中に温度上昇に伴い6.5~6.9%膨張することで, 約2~3N/cm2高まった内部圧を皮が抑えきれずに亀裂が起きて, 破裂するものであることが示唆された.
  • 高校生の好きな服装のイメージについて
    中川 早苗, 万江 八重子, 大喜多 佐代子, 松浦 悠紀子
    1989 年 40 巻 5 号 p. 379-385
    発行日: 1989/05/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    高校生の好きな服装のイメージに対する調査結果から, 次のようなことが明らかになった.
    1) 高校生が好む服装のイメージプロフィールは, ラフで気軽な服装であり, 形のうえではシンプルで落ちついていて, 洗練された雰囲気のものを好んでいる.
    2) 男女の差をみると, 男子のほうがより活動的で, 落ちつきのある男らしいイメージの服装を好み, 女子は女らしく, しかも個性的なイメージの服装を好んでいる.
    3) 男女劉にクロス集計を行い, 独立性の検定を行った結果, イメージプロフィールで差異がみられた項目のほとんどにおいて, 男女間に有意な差異 (p<0.01) がみられた.
    4) 因子分析結果二からは, 男子は第1因子「開放性」, 第2因子「目立ち」, 第3因子「落ちつき」, 第4因子「年齢」, 第5因子「性別」, 女子は第1因子「開放性」, 第2因子「活動性」, 第3因子「目立ち」, 第4因子「落ちつき」, 第5因子「洗練性」の男女とも五つの主要な因子が抽出された.
    5) タイプ別クロス集計結果からは, タイプによって好む服装のイメージに相違のあることが明らかになった.
  • 高校における男女共学にむけての被服教育の内容について
    中川 早苗, 津止 登喜江, 大喜多 佐代子, 松浦 悠紀子, 万江 八重子
    1989 年 40 巻 5 号 p. 387-394
    発行日: 1989/05/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    以上の結果から次のようなことが明らかになった.
    1) 男女がともに被服教育で学びたいと答えたものが多かった内容は, 上手な被服の着方, 既製服の選び方・組合せ方, 服装のデザインや色彩などで, 服装やおしゃれへの関心が高いことがうかがえる.
    2) 服装に関して知りたい知識・情報では男女ともに自分に似合う服装の色・形について, 個性的に着こなすための知識を得たいと期待している.
    3) コンピュータでは自分の体型や個性に合った服装の色・形など, 被服の美的表現に関した内容を知りたいとする生徒が多いので, このような内容を学べるようなソフトの開発が今後の課題である.
    4) 男女別のクロス集計結果では男女差がみられた.被服教育では製作に関して女子は関心を示し学習したいと答えた生徒が多く, 女子の特性として注目したい.一方, 男子は従来の教育課程の影響からか, 女子にくらべて被服製作や洗濯, しまい方, 手入れなどには関心が低い.そこで男女がともに学ぶことのできる内容としては, 自分にとって似合う服装の色・形, 個性的な着こなし方, 既製服の選び方や組合せ方, 衣服の取扱いや手入れなどがあげられ, 男女がともに学びたいと望んでいる傾向のものとして重視したい.
    5) タイプ別の特性では, 女子の多いタイプ3は被服教育では学習意欲が旺盛で, 被服の着方, 服の選び方やデザイン・色彩などに関しては強い関心を示し, コンピュータでも自分の体型・個性に合った色・形を知りたい意欲がタイプ中ではいちばん高くみられた.男子の多いタイプ1は, 被服教育では学習意欲はあまりないが, 服装に関しては被服の着方, 自分に似合う個性的な服装の着こなし方に興味をもっているのがうかがえる.
    第1報から第3報までを通して高校生の服装と被服教育に関する調査結果をみると, 現代の高校生は服装に対する関心が高く, おしゃれやファッションを楽しみ, よりよく自分を表現しようとしており, 衣服の購買行動においても情報に関心が高く, 感覚的なものを重視している.好きな服装のイメージでは窮屈なものより, ゆったりとした自由な服装を求めている.さらに被服教育で学びたいこと, 服装に関して知りたい知識・情報, コンピュータを使って知りたいことなど幅広い内容について, 学ぶ側の高校生が抱く興味・関心・意見を知ることができ, 今後の被服教育に対する方向をさぐるうえで多くの手がかりを得ることができた.
    以上の調査結果から, 今後の男女共学の場合に考えられる被服教育の内容としては, 男女別, タイプ別のまとめにみられる男女の特性からも明らかなように, 男女がともに興味, 関心を示している衣服の選び方や着こなし方, 服装デザイン, 色彩に関するものなど, 消費者教育やデザイン教育に関する内容があげられる.また高校生は自分の体型や個性に合った個性的な着こなし方などに関しての知識・情報を得たいとしており, 被服を美しく装うことで自分をよりよく表現したいと望んでいるので幅広い感性の育成や, 消費者としての自覚や重要さを認識させたいものである.
    教育課程の改訂により高等学校の家庭科は生徒の多様な能力・適性, 興味・関心等に応じることができるよう「家庭一般」のほかに新たな科目を設け, その中からすべての生徒に選択履修させることになる.また現行においても家庭科では情報処理に関する新しい科目を設置者が設け, 情報処理に必要な基礎知識を習得させるとともに情報化に対応する教育の充実が図られている.また「食物」, 「被服」, 「家庭経営・住居」などの科目や「服飾デザイン」, 「被服製作」などの専門科目でもコンピュータを使った指導が進められている.デザイン教育や感性教育にコンピュータを手軽な道具として取り入れ, コンピュータ-ラフィックスの学習を行うことは, その効果をあげるうえで有効だと考える.これらは時代の変化に対応した新しい教育環境を少しずつ具体化しているものと思われ, 今回の研究結果をふまえて男女の特性に応じ, 男女がともに学ぶ被服教育の具体的な内容のあり方をさらに追求してゆきたい.
    日研究の大要は昭和62年度日本家政学会第39回大会において発表した.
  • 柴田 克己
    1989 年 40 巻 5 号 p. 395-399
    発行日: 1989/05/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • -洗浄力の評価法ならびに温度依存性について-
    山田 泉, 脇田 雅, 黒岩 茂隆
    1989 年 40 巻 5 号 p. 401-405
    発行日: 1989/05/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • -風合い・外観特化素材-
    三石 幸夫
    1989 年 40 巻 5 号 p. 407-414
    発行日: 1989/05/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 文子
    1989 年 40 巻 5 号 p. 415-419
    発行日: 1989/05/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 高 緒珊
    1989 年 40 巻 5 号 p. 421-423
    発行日: 1989/05/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
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