日本家政学会誌
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41 巻, 6 号
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  • 深谷 和子, 森川 浩珠
    1990 年 41 巻 6 号 p. 487-495
    発行日: 1990/06/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    Nowadays it is said that father in a family has changed or has been changing. The purpose of this study is to make the change clear by comparing the present father with the past father.
    The subjects of the analysis are 3, 132 fathers and 783 children. The period of survey is from June to September, 1987.
    The brief results of the analysis are as follows :
    1) The image of past father : leadership, frankness, honesty, stubbornness, intelligence, etc.
    2) The image of present father : warmth, patience, stubbornness, brightness, intelligence, etc.
    3) The image of present father toward children : leadership, warmth, stubbornness, brightness, orderliness, etc.
    According to the results, while the past father used to play instrumental role, the present father is playing expressive role, too; however the image of father has been produced by people's expectation to fathers within the society and in this sense it seems that fathers are always playing the both roles for and toward children.
  • 福田 滿, 国定 由利香, 上中 登紀子, 豊沢 功
    1990 年 41 巻 6 号 p. 497-502
    発行日: 1990/06/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    東アジア一帯に広く分布しているツルマメ (ダイズの野生種) はダイズの祖先種とみなされている.ツルマメは古代人の食糧として利用されていたと推定されるが, ダイズの育種材料としても重要であるので, 食物学の視点から基礎的知見を得るため, 煮沸処理したツルマメについて調理性やタンパク質の人工消化性を調べ, つぎの結果を得た.
    (1) ツルマメの吸水率は室温では低いが, 煮沸20分間で急激に吸水し, 40分後には終了した.ツルマメの硬さは煮沸5分で急激に低下し, 煮沸40分でさらに低下し可食状態になる.
    (2) 水, 1M塩化ナトリウム溶液あるいは1%SDSでタンパク質を抽出すると, 抽出量はいずれも煮沸時間の経過とともに減少するが, 1%SDS+2%MEで抽出すると煮沸時間の影響を受けない.煮沸によるタンパク質不溶化の原因は, 熱変性に基づくS-S結合の形成によると考えられる.ツルマメを煮沸してもアミノ酸は損失しない.
    (3) ツルマメのトリプシンインヒビター活性は煮沸20分で約12%に低下し, 40分で大部分が消失した.
    (4) ツルマメタンパク質の人工消化率は煮沸60分後ではダイズよりも低い.100メッシュ以上の脱脂粉末の消化率は煮沸時間の経過とともに増加するが, 30~60メッシュの未脱脂粉末では煮沸20分を経過すると減少した.その原因は煮沸中にツルマメ種皮から何らかの消化阻害物質が子葉に移行するためと推定される.
  • 佐々木 恵子, 影山 郁子, 畑江 敬子, 島田 淳子
    1990 年 41 巻 6 号 p. 503-507
    発行日: 1990/06/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    いくつかのモデル試料を用いて電子レンジ加熱時の吸収エネルギー (P) を測定した.その結果, 塩化ナトリウムおよびみそでは水の体積分率 (φ) の減少に伴ってPは減少し, 塩化ナトリウムはPにマイナスの影響を与えていた.また, フッ素樹脂および泡沫試料のPはφの減少に伴って増大し, その後泡沫試料では減少した。その他のモデル試料のPはφ, 成分および混合状態にかかわらず一定となり, φ=1.0の水の値と一致した.以上より, 食品のPは食品内の水の量によって決まるのではなくほぼ一定であり, 同体積の水の値と等しくなると考えられた。
  • 田口 田鶴子, 岡本 洋子
    1990 年 41 巻 6 号 p. 509-516
    発行日: 1990/06/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    年齢60~79歳の老年者 (男性218名, 女性245名で構成され, 特別養護老人ホーム在園者100名, 在宅老人363名) を被検者として, 甘・酸・塩・苦味食品に対する嗜好調査を行い, 性別, 居住環境 (老人ホームと自宅) 別の老年者の食味嗜好度を平均値の差の検定から検討した.同様の嗜好調査を, 6~59歳の男女 (1,647名) に対しても行い, 年齢・性別に18群に分類して, おのおのの群の食味嗜好傾向を数量化理論第皿類によって分析し, 老年期の人々の食味嗜好傾向と他の群との類似と相異を調べた.さらに, ショ糖 (甘味), クエン酸 (酸味), 塩化ナトリウム (塩味) の等差濃度水溶液を検査試薬として, 老人ホーム在園者の味覚閾値を, 20歳女子学生と比較検討した.結果は, 次のようであった.
    (1) 酸・塩味食品に対しては, 老人ホーム在園者群が在宅老人群に比べて男女とも食味嗜好度は低かった.
    (2) 老年者の食味嗜好傾向は中年層女性群のそれと類似していたが, 若年層男女群および中年層男性群とは異なっていた.
    (3) 老年者の性別による食味嗜好傾向の相異は少なかった.
    (4) 老年者の嗜好食品群としては, 従来から日本で親しまれてきた甘味および塩味食品であった.
    (5) 老年者の味覚閾値は, 甘・酸・塩味いずれも高くなっていたが, おのおのの味覚の閾値変化のパターンは異なっていた.
  • 辻 啓子
    1990 年 41 巻 6 号 p. 517-525
    発行日: 1990/06/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    高齢化社会に向けて快適な衣生活が展開されるための指標を得ることを目的に, これから高齢になる50代を対象に, 今後の衣生活への関心および衣生活のありかたについての調査を行った.その結果は次のように要約される.
    (1) 衣生活に対する関心の程度は, 健康, 家族関係, 経済, 食生活, 住生活, 余暇の利用よりも低く, 「やや関心がある」の評価であった.また, 因子分析の結果, 第1因子に衣・食・住生活が高い負荷量を示し, 衣生活は衣, 食, 住という基本的な生活のかかわりのなかでとらえられていることが明らかにされた.
    (2) 今後の衣生活のありかたについては, 性別, 家庭の職業 (男) の属性と関連がみられ, とくにそれは性別に顕著であり, 女子の評価が高い.また, 衣生活の関心の程度によって今後の衣生活のありかたに対する姿勢は異なり, 衣生活に関心の高い者は審美性およびファッション性の内容に評価が高い傾向がみられた.
    男女別に因子分析を行った結果, 男子は「全体の調和」, 「自己と若さ」, 「人並み」, 「機能性」の4因子, 女子は「調和と流行」, 「機能性」, 「自己と若さ」, 「人並み」の4因子が抽出された.
    (3) 日常の衣生活における被服の品質要求項目への配慮は, 女子が男子よりも高いが, 男子にも外観形態安定性, 衛生的機能等の項霞への配慮がなされていた。
  • 屋代 彰子
    1990 年 41 巻 6 号 p. 527-533
    発行日: 1990/06/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    1) 米糠5 : 食塩1 : 水6からなる糠味噌床を調製し, 好気的および機嫌的攪拌条件を設定して春季および秋季に保存・熟成させた.保存期間中, 経時的に糠味噌床を採取して脂質分析を行った.
    2) 比較的室温の高い春季にはいずれの床の総脂質量も10日目以降増加する傾向をみせたが, とくに好気的条件の床では保存3週間で約1.5倍になった.
    3) 総脂質量が増加傾向を示すのに対してグリセリド量は減少傾向をみせて, 最も減少した場合には調製時の約二分の一にまで低下した.逆に遊離脂肪酸量は増加したが, グリセリド量減少に必ずしも並行しなかった。
    4) 米糠の主要脂肪酸はパルミチン酸, オレイン酸, リノール酸であり, 糠味噌床保存中にとくにリノール酸とアラキジン酸が増減した。さらに, リン脂質や遊離脂肪酸画分のこれら脂肪酸が, おもに変動することがわかった。
    5) 糠味噌床保存中にキュウリを一夜漬けた結果, 2~3週間目の床に漬けた場合は, 生に比べて総脂質量が増加するが, これはキュウリ自身の脂質量がきわめて少ないので糠味噌床中に遊離した脂質の付着による影響であろうと考えられる。
    6) 糠味噌床脂質のPOVは調製時からすでに高く, 保存に伴って緩やかに増加したのち減少した。
    7) 以上の結果から, 糠味噌床の脂質成分は保存・熟成期間中に速やかに変動し, 熟成の進んだ糠味噌床の脂質成分が野菜材料にかなり移行することがはじめて実験的に明らかとなった.さらには長期の糠味噌床保存による酸化変敗に伴う未同定の脂質成分の生成が認められた。これらの新たな生成物についての解明とともに糠味噌床脂質成分と微生物動態との関連性について明らかにすることが今後に残された課題である。
  • 島田 淳子, 佐々木 恵子, 畑江 敬子
    1990 年 41 巻 6 号 p. 535-538
    発行日: 1990/06/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    電子レンジで加熱した水, 油, o/w, w/oエマルションおよび泡沫試料の温度上昇について検討した.その結果は以下のとおりである.
    (1) 水あるいは油の単独加熱において, 試料の体積が大きい場合にはおのおの比熱に依存した温度上昇を示したが, 試料体積が小さくなると油の温度上昇が極端に小さくなり, 水と同等, あるいはそれ以下となった.
    (2) 水と油を同一ビーカーに入れて同時に加熱すると, 水の温度上昇は単独で加熱した場合とほとんど変わらなかったが, 油の温度上昇は極端に小さくなり, これは水および油の誘電特性値の差による影響と考えられた.
    (3) o/wおよびw/oエマルションでは, 水相体積分率 (φ) の減少に伴い温度上昇速度は増大し, とくにφ0.4以下においては, 試料の比熱と重量から計算される値よりも大きくなった.
    (4) 泡沫試料においても同様に, 温度上昇速度はφの減少とともに増大し, φ0.4以下で計算値より著しく大きくなった.
  • 星 祐二
    1990 年 41 巻 6 号 p. 539-545
    発行日: 1990/06/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    市販のA-D変換用および演算増幅用のICを使用して, テクスチャープロファイル分析のための安価なコンピュータ接続レオメトリーシステムを作製した.不動工業製のレオメーターからの出力を自作直流増幅器で5倍に増幅後, 10ビット分解能のA-D変換器でアナログ信号をデジタル信号に変換してパーソナルコンピュータ (NEC, PC-9801F2) に接続した.データ処理プログラムはMS-DOS版BASICで作成したが, レオメーターからコンピュータへのサンプリング速度は20msec/1回で, 解析処理時間は1試料あたり約40秒であった.本システムを用いてスポンジおよびゼラチンについて得られた結果と, 手解析により得られた結果とを比較検討したところ, 十分に実用的で, かつ分析操作の省力化と迅速化に役立つことが明らかとなった.
  • 甲斐 今日子, 平松 園江, 才田 眞喜代, 森 まき子
    1990 年 41 巻 6 号 p. 547-553
    発行日: 1990/06/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 地域を作っていく生活
    森 まゆみ
    1990 年 41 巻 6 号 p. 555-558
    発行日: 1990/06/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 田中 恒子
    1990 年 41 巻 6 号 p. 558-561
    発行日: 1990/06/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
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