日本家政学会誌
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42 巻, 1 号
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  • 一番ケ瀬 康子
    1991 年 42 巻 1 号 p. 3-6
    発行日: 1991/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 地田 美香
    1991 年 42 巻 1 号 p. 7-15
    発行日: 1991/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    乳化剤が麺に及ぼす影響について物性を中心に検討を行い, 以下の結果を得た.
    (1) 切断試験においては, 強力粉では生麺およびゆで麺で, 乳化剤添加により切断強度は増加した.薄力粉では, 調製直後では変化は認められなかったが, 5℃で24時間保存後では乳化剤添加によって切断強度の低下が抑えられた.
    (2) 咀しゃく試験では, 乳化剤添加により生麺・ゆで麺で, 硬さ・もろさ・咀しゃく性・ガム性が増加を示したのに対し, 凝集性・弾力性はほとんど差は認められなかった.また油の影響についてはゆで麺で顕著に認められ, 単独添加では各パラメーターで低下したが, 油と乳化剤を共存した場合, 乳化剤の効果を助長し, 油による低下を抑制する傾向にあった.
    (3) 引張り試験ではゆで麺で, 乳化剤添加により破断エネルギー・引張り強度・ゲル強度・伸びた長さが増加を示したのに対し, 硬さは低下を示した.また油の影響については, 咀しゃく試験と同様な結果となった.
    (4) ゆで麺の濁度は, 各種乳化剤を添加することにより, 濁度の低下が認められた.濁度とレオメーターにおける物性との相関関係は, 濁度と切断強度, 咀しゃく性, 引張り強度との間にそれぞれ負の相関が認められた.
    (5) アミログラフによる糊化特性は, GFE・CSL・SEで添加の影響が認められた.
    (6) ファリノグラフによる小麦粉の生地特性は, 乳化剤添加により生地安定性は増加した.
    (7) ゆで麺の官能検査は, 強力粉麺では, なめらかさにおいてSEで, 総合評価ではSE, GFEで高い評価が得られた.一方, 強力粉油添加麺では, 硬さにおいてPSで, なめらかさにおいてはCSLで高い評価が得られた.
  • 葉菜類の鮮度に関する研究 (第2報)
    島田 淳子, 酒井 光子, 畑江 敬子
    1991 年 42 巻 1 号 p. 17-23
    発行日: 1991/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    萎れた葉菜類の吸水回復作用と, ビタミンCの変化について検討する目的で, 鮮度低下処理によりいったん萎れさせたサラダ菜およびホウレン草に吸水回復処理を施して外観を回復させ, そのときのビタミンCの変化を調べた.その結果つぎのようなことが明らかになった.
    (1) サラダ菜およびホウレン草は, それぞれ新鮮時の約70%および60%の重量まで萎れても, 24時間の水浸漬により重量および外観が回復した.
    (2) 低温高湿度 (4℃, 85% RH, 風速 0m/s) の環境で緩慢に萎れた試料よりも, 常温低湿度 (20℃, 65%RH, 風速0.1~0.2m/s) の環境で急速に萎れた試料のほうが, 重量の回復率が高い傾向にあり, 回復時の外観評価が優れていた.
    (3) 吸水回復処理時の浸漬水温 (5, 10, 20および30℃) が高いほど重量は早く回復するが, 外観の評価からみると, サラダ菜およびホウレン草の吸水回復処理温度はそれぞれ20℃および10℃が適していた.
    (4) 鮮度低下時に減少したビタミンCは, 吸水回復処理により増加せず, 外観がほぼ新鮮な状態に回復した試料でも, ビタミンC量はサラダ菜およびホウレン草についてそれぞれ新鮮時に対し約50%および80%であった.30℃の水温で吸水回復処理を行った場合, 還元型ビタミンCの減少がみられ, とくにホウレン草において著しかった.
  • 楠 喜久枝, 三成 由美, 橋本 啓一, 田中 正己
    1991 年 42 巻 1 号 p. 25-29
    発行日: 1991/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    遠赤外線は, 私どもの身近な生活分野でも広く利用されている.しかし, 遠赤外線と調理の関係についての解明は, 十分になされていない.そこで遠赤外線放射率の高いセラミックス素材を用いてニューセラミックス鍋を試作し, アルミ鍋を対照として, 伝導・対流・放射の三つの物性の面から伝熱の比較検討を行った.
    実験の結果, このニューセラミックス鍋はアルミ鍋に比べ, 次のことがわかった。まず伝導では, 余熱による保温効果の高いことが認められた.対流ではセラミックス表面からの激しい沸騰による気泡攪乱とそれに伴う対流の速さにより, 被加熱物内部への伝熱促進効果が認められた.放射では, ニューセラミックス鍋は遠赤外線の放射率が高いものの, 放射熱量は無視できる量であった.
    以上の結果より, ニューセラミックス鍋は, 湿式加熱において遠赤外線加熱の効果は期待できない.しかし余熱による保温効果と, セラミックス表面からの激しい沸騰気泡による被加熱物内部への伝熱促進効果が期待できるので, 湿式加熱の調理に適性があると思われる.
  • 三成 由美, 楠 喜久枝, 橋本 啓一, 田中 正己
    1991 年 42 巻 1 号 p. 31-35
    発行日: 1991/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    試作したニューセラミックス鍋と, 対照にアルミ鍋を用いて湿式加熱調理の煮る, ゆでる操作を行い, 下記の結果を得た.
    (1) 大根のゆで煮は, アルミ鍋で15分加熱よりニューセラミックス鍋で10分加熱後10分余熱した試料が, 有意に軟化が認められ官能的にも好まれた.
    (2) ジャガイモのゆで煮は, アルミ鍋で15分加熱した試料よりニューセラミックス鍋で10分加熱後10分余熱した試料が軟らかく煮熟しており, 官能的にも有意に好まれた.
    (3) 魚の煮物は, アジを調味液中で15分加熱した場合, 中心部の硬さはアルミ鍋よりニューセラミックス鍋の試料のほうが硬く, 官能的には好ましい結果は得られなかった.
    (4) ゆで卵は, 沸騰水で卵を10分加熱するとアルミ鍋の試料が内部温度は高い数値を示し, 15分加熱ではニューセラミックス鍋の試料の凝固が進んだ.
    以上より, ニューセラミックス鍋は, 余熱による保温効果と, セラミックス表面からの激しい沸騰気泡より食品への伝熱促進効果が認められ, 湿式加熱調理に有効であると考えられる.
  • 市川 朝子, 伊東 達子, 荒木 千佳子, 中里 トシ子
    1991 年 42 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 1991/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    (1) スポンジケーキの焙焼方法としてオーブン加熱に電子レンジを併用する方法は, より短時間で嗜好的に好ましいケーキを作るのに有効であることが明らかにされた.
    (2) 電子レンジの併用時間は, 今回の生地に関しては1.5分間, また時期としては, 加熱後ただちに併用する方法が最も好ましかった.ただし, 用いたケーキ型のうちパイレックス型の場合は, 電子レンジを加熱直後に併用する方法および, 4分目から併用する方法いずれも同様に好ましい性状のケーキを作ることが可能であった.
    (3) 用いたケーキ型によるケーキ性状の違いを比較した結果, 硬さには著しい差はみられず, 弾力性は型による差がみられ, 一般に紙型は弾力性の小さい性状を呈した.
    (4) 今回の調製試料で作製したスポンジケーキについての官能検査項目に関しては, きめ, しっとりさ, 硬さの順位の各項目間に高い正の相関性が認められた.
    (5) テクスチュロメーター測定項目中, 硬さは官能検査の各項目との間に高い正の相関性を示した.
    (6) スポンジケーキ中の水分率と比容積の問には, 金属型, パイレックス型, 紙型おのおの0.840, 0.865および0.927と高い相関性が示された.
  • 倉賀野 妙子, 木村 宏樹, 和田 淑子
    1991 年 42 巻 1 号 p. 45-52
    発行日: 1991/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    薄力系の小麦粉よりグリアジン画分, グルテニン画分を分画して, それぞれ小麦澱粉に8%混合添加したものを小麦粉の代わりとし, これに油脂および水を混合してクッキーを調製して, ドウおよびクッキーの物性に与える両タンパク質画分の影響を調べた.
    ドウのクリープ試験による粘弾性係数ならびに定速圧縮試験による最大応力, 最大エネルギー値の結果によると, グリアジン画分のドウはやわらかくて変形しやすく, 滑らかに伸展するのに対し, グルテニン画分のドウは弾性に富んで硬く, 圧縮に抵抗する力が大となる傾向を示した.グリアジン画分のクッキーは焼成時に上方への膨張が大きく, みかけの膨化率は173%であった.電顕観察の結果から, 膨張は吸水したタンパク質によると思われる膜様の存在により, 内部組織に気泡が安定に保たれたためと推察された.一方, グルテニン画分クッキーのみかけの膨化率は102%であり, 焼成による膨化はほとんど生じなかった.電顕観察でも気泡のあとはほとんどみられず, ところどころにタンパク質によると思われる相互につながりのない小さな集合体が認められた.
    クッキーの圧縮破断試験によると, グリアジン画分クッキーはみかけの破断応力, 破断エネルギーが小さく, やわらかくて砕けやすいが, みかけの破断時間, 破断ひずみは大きく, 荷重一時間曲線には小さなピークが多数生じた.一方, グルテニン画分はみかけの破断応力, 破断エネルギーが大きい, 硬いクッキーとなるが, 破断時間, 破断ひずみが小さく, 荷重一時間曲線はピークの少ないシャープなパターンとなった.酸可溶性グルテン画分のドウおよびクッキーの物性はグリアジン, グルテニン両画分の影響を受けていると推察される場合と, グルテニン画分の特性による依存が大きい場合がみられた.酸不溶性タンパク質画分のドウおよびクッキーの物性は酸可溶性グルテン画分とは異なる傾向を示した.
  • 川染 節江, 山野 善正
    1991 年 42 巻 1 号 p. 53-60
    発行日: 1991/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    バタースポンジケーキのテクスチャーに及ぼす砂糖含量の影響を検討するために, 卵200g, 薄力粉100g, 無塩バター80g, ベーキングパウダー0.5gを基本配合とし, 砂糖を卵に対し10, 30, 40, 50, 60, 80%の6試料について実験し次のような結果を得た.
    (1) 生地比重は, 砂糖含量50%まで徐々に小さくなり, 以後ほぼ一定値 (0.46~0.47) となった.比容積は, 生地比重と有意な負の相関性があり, 砂糖含量50%までは急激に増大するが, その後ほぼ一定となり約2.9cm3/gの値を示した.
    (2) レオメーターにより測定した硬さ ガム性, そしゃく性は, 砂糖含量40%まで急激に, 以後, ゆるやかに低下した.凝集性と弾力性は, 砂糖含量の増大に伴って徐々に低下し, 組織構造は脆弱なものとなった.
    (3) 砂糖含量40~60%の範囲できれいな焼き色を呈し, マンセルの表色記号では, 表面は5YR 6/8~5/9, 内相は2.5Y9/6~9/7となり, 砂糖の増大に伴って内相は鮮やかさが増した.
    (4) 官能評価では, 砂糖含量50%の試料がすべての項目でよい評価を得た.砂糖含量30および50%の評点には, 「きめのよさ, 甘味, 硬さ, 口あたり, 総合評価」の各項目に有意差が認められた.甘味は砂糖含量の増大に伴って強いほうに評価されたが, 30と40%, 40と50%の間には有意差は認められなかった.硬さの評価は, レオメーターの測定値の変化の傾向と一致した.
    (5) 保存3日目の硬さの増加率は, 1日目に対し砂糖含量30, 40, 50, 60, 80%において, それぞれ, 19.5, 28.1, 24.4, 20.1, 15.2% であった.弾力性は若干小さくなった.焙焼後のケーキの風味は, 官能的な判定から砂糖含量が増大するほど長く保持され, 室温保存では10, 30%は2日目に変化したが80%では9日まで変化が認められず, 冷蔵庫保存では80%は2ヵ月間も変化しなかった.
    以上のように, テクスチャーの形成および官能性から, バタースポンジケーキの砂糖含量は, 卵に対し約50%が適当であると結論される.
  • 牛田 智, 松尾 美恵
    1991 年 42 巻 1 号 p. 61-65
    発行日: 1991/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    藍の発酵建てにおいて, 発酵の栄養源として加えられる還元糖や, デンプンが代謝されることによって生成する可能性のある還元糖によって, どの程度インジゴが還元されるかを調べた.グルコースによる還元で生成したインジゴのロイコ体の生成の速度および量をナイロンフィルムの染色によって追跡したところ, 高いpHおよび高濃度のグルコースが還元に効果的であった.また, グルコースがアルカリによって分解を受けることにより還元は進行しなくなった.通常の発酵建てとほぼ同じpH, および染浴中に存在しているであろう程度の還元糖の濃度で, 工芸的に染色されているのに匹敵する濃さに染色できることがわかり, 発酵建てにおけるインジゴの還元には, 還元糖の関与がありうるのではないかと結論づけられた.
  • 助剤の添加効果
    中西 茂子, 青木 千賀子
    1991 年 42 巻 1 号 p. 67-74
    発行日: 1991/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    代表的な防炎性能付与因子であるN, P, Sの元素の作用と, それらの量的関係から防炎性能の向上や耐洗濯性付与などの点について検討を行った.その結果を要約すると次のようになる.
    (1) 各種助剤の検討に先立ち, 防炎加工剤Pyの濃度について検討を行ったが, その結果32%が適当であることがわかった.しかし, Pyのみではもちろん, N源, P源, S源各単独の添加でも十分な防炎性能が期待できず, N源とP源, あるいはN源とS源の両者を含む助剤を添加する必要性が認められた.
    (2) N 量に関しては, N源としてヘキサメチロールメラミンが最も良好な値を示し, 防炎性能, 物性の点から8%が適当な濃度であることが認められた.さらに樹脂以外のN源として尿素と塩化アンモニウムを添加したが, その結果LOIの向上が認められた.
    (3) P 量に関しては, P源としてオルソリン酸が適当であり, 強度およびLOIの面からその濃度は2%が最も良好な結果を与えた.
    (4) S 量に関しては, S源としてスルファミン酸を用い, 0.5%が適当な濃度と考えられた.また, 防しわ効果の向上に寄与することが認められた.
    (5) 以上の結果から, N, P, Sの相互作用についてまとめると, 常にNが支配的要因であること, またこのときPの添加量が一定値以下であると防炎性能が劣るが, 過剰な添加は強度以下をもたらすこと, Sの過剰添加はNの付着を防げ, 防炎性能を低下させることなどがあげられる.
    今回の一連の実験中, Py 32%にヘキサメチロールメラミン8%, 尿素1%, 塩化アンモニウム0.5%を添加したものが, 良好な条件であることが認められた.含有量としては, P10mg/g, N20~30mg/gのとき最も良好な結果が得られた.
  • ヘムラインに及ぼす布の曲げ特性の影響
    綾田 雅子, 丹羽 雅子
    1991 年 42 巻 1 号 p. 75-81
    発行日: 1991/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    In this paper, the effects of bending properties of fabrics and hem finish at the bottom of gathered skirt were studied in relation to the height H and width D in buckling observed when the fabric is pushed from both sides on a horizontal plane.
    The results are summarized as follows :
    (1) The increase in H and D obtained when fabrics are bent along the weft causes the decrease in Nh, the number of node of the hemline, and the increase in Wh, the width of gathered skirt and in αh, the roughness of the hemline which are defined.
    (2) In the finish of the bottom of the skirt whose hem is not pressed for set, the shape of the hemline is angular due to buckling, therefore it is difficult to get the smooth hemline.
    (3) The parameters Nh, Wh and αh which represent the shape of the hemline could be described as a function of H and D.
  • 松元 文子
    1991 年 42 巻 1 号 p. 83-85
    発行日: 1991/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 矢部 章彦
    1991 年 42 巻 1 号 p. 85-87
    発行日: 1991/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 林 淳三
    1991 年 42 巻 1 号 p. 89-93
    発行日: 1991/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 1991 年 42 巻 1 号 p. 100
    発行日: 1991年
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
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