日本家政学会誌
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42 巻, 9 号
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  • 湯沢 雍彦
    1991 年42 巻9 号 p. 753-765
    発行日: 1991/09/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 新井 映子, 石川 由里子, 伊東 清枝
    1991 年42 巻9 号 p. 767-773
    発行日: 1991/09/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    米味噌に含まれるα-アミラーゼを精製し, その性質について検討を行った結果, 以下の事項が明らかとなった.
    (1) 米味噌より抽出した粗酵素溶液を, Butyl-Toyopearl 650Mによる疎水性クロマトグラフィーおよびDEAE-Sephacel によるイオン交換クロマトグラフィーにより精製した結果, 精製物は電気泳動的に単一なα-アミラーゼであることが確認された.
    (2) 米味噌α-アミラーゼの分子量は, SDS電気泳動法で53,000 dalton と推定された.
    (3) 米味噌α-アミラーゼには, グルタミン酸等の親水性アミノ酸が多く含まれ, 米麹由来のα-およびタカアミラーゼと, 高いパターン類似率を示した.
    (4) 米味噌α-アミラーゼの活性最適pHは5.0付近であった.また, 活性最適温度は50℃付近であり, 65℃以上では完全に失活した.
    (5) 米味噌α-アミラーゼの活性は, MgSO4, CuSO4, ZnSO4 およびCoCl2により強く阻害された.一方, CaCl2, NaCl, およびKClによる阻害は認められなかった.
    (6) 米味噌α-アミラーゼの可溶性デンプン分解率は約77%であり, 麦芽糖を主体とするマルトオリゴ糖類を生成した.
    (7) 米味噌アミラーゼは, 味噌仕込み時に使用した米麹に由来するα-アミラーゼが, 熟成完了時まで活性を有した状態で残存したものであることが判明した.
  • 上野 ヨウコ, 桑本 千賀子, 山本 郁也
    1991 年42 巻9 号 p. 775-781
    発行日: 1991/09/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    4種の包丁操作による筋電図を分析した結果, 次のような知見を得た.
    (1) 包丁操作にかかわると思われる六つの筋の総活動量は, 包丁別では出刃包丁>薄刃包丁>文化包丁>鎌包丁の関係がみられ, 重量の重いもの, 刃型が片刃のもの, 刃角の大きいもの, 峰の厚いものにおける活動量が多い.握り方別では「親指のせ」が最小で, 「人差指のせ」と「親指握り込み」の間には大差がない.
    (2) 筋別の活動量を包丁別にみると, 上腕は鎌包丁が最小で, 前腕は片刃の出刃と薄刃包丁が両刃の二つよりも多い.手掌も前腕と同様に片刃の出刃と薄刃包丁が両刃より多い.握り方別では, 上腕は「人差指のせ」, 前腕は「親指握り込み」, 手掌では「人差指のせ」, 「親指握り込み」がそれぞれ多い.
    以上の結果から次のような示唆を得た.
    (1) 包丁の選び方については, 今回使用した包丁のなかで活動量の少ないものすなわち軽いもの、両刃のもの, 刃角の小さいもの, 峰の薄いものが効果的である.
    (2) 三つの握り方では, 「親指のせ」の活動量が4種の包丁とも少ない.華頂短期大学学生の調査結果では「親指のせ」は, わずかに20%にすぎなかったことと考え合わせて一考の必要がある.
    (3) 上腕, 前腕, 手掌の筋のはたらきからは, 包丁の違い, 握り方の違いによるそれぞれの筋のかかわり方を知ることができる.
  • 「御用控帳」から
    濱田 明美, 林 淳一
    1991 年42 巻9 号 p. 783-788
    発行日: 1991/09/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    天明3年の五つの御所の御用控帳を用いて各御所の菓子の利用状態を分析した.
    (1) 大宮御所は同じ菓子を何度も利用する傾向がみられ, 新女院御所は毎回異なる菓子を利用する傾向がみられた.
    (2) 菓子を季節感のある菓子, 季節感のない菓子, 菓子以外の三つに分類すると, 大宮御所は季節感のある菓子をほとんど用いないのに対して, 新女院御所は季節感のある菓子を多く用いる傾向がみられた.
    (3) 禁裏御所と仙洞御所は格の高い大型の単価の高い菓子を多量に用いる傾向がみられ, 他の三つの御所は, 小人数で格の低い小型で単価の低い菓子を少量用いる傾向がみられた.
  • 川辺 淳子, 岩垂 芳男
    1991 年42 巻9 号 p. 789-795
    発行日: 1991/09/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    直鎖アルキルベンゼン系アニオン界面活性剤の可溶化作用に及ぼす水溶性高分子の効果を明らかにするために, 界面活性剤としてn-ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム (DBS) を, 水溶性高分子としてヒドロキシプロピルセルロース (HPC) を用い, HPCの添加量および分子量, 被可溶化物質 (油溶性染料) の化学構造, 可溶化温度等との関連において検討した結果, 次のことが明らかとなった.
    (1) HPC濃度が増加するにつれて, 可溶化量 (S) は著しく増大した.可溶化開始濃度 (Cb) は, HPCの添加により著しくDBSの低濃度側へ移行した.HPCが共存しない場合およびKPC濃度が高い場合には, SとDBS濃度との関係は, Cb以上でよい直線関係を示したが, HPC濃度が低い場合には, 上方に凸の曲線となった.
    (2) 可溶化作用に及ぼす HPCの分子量の効果は, ほとんど認められなかった.
    (3) HPCの有無にかかわらず, 可溶化能 (Sb) はOil Yellow AB>Oil Yellow OB>Oil Orange SSの順に小となった.
    (4) HPCを添加した場合, HPCの曇り点以下では, Spは温度の上昇とともに大となったが, HPCの曇り点以上では, Spは逆に小となった.
    (5) DBS-HPC共存水溶液の粘度測定より, DBSとHPCが相互作用し, コンプレックスを形成することが認められた.
    (6) 吸収スペクトルの形状および極大吸収波長 (λmax) から, Oil Yellow ABとOil Yellow OBの可溶化は, 主としてコンプレックスのHPC鎖領域で生じ, Oil Orange SSの可溶化は, 主としてコンプレックスの炭化水素鎖領域で生じることが推察された.
  • 岩田 三千子, 中根 芳一
    1991 年42 巻9 号 p. 797-803
    発行日: 1991/09/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    Housing visual environment is influenced sufficiently by the housing external environment. Therefore, evaluation for the housing visual environmnt by the residents are considered to differ with the housing external environment.
    The detailed data for the housing external environment, however, have not been sufficient, and the insufficiency of the data have made it difficult to show relation between the residents' evaluation for the housing visual environment and the external environment.
    Therefore, the authors conducted a survey of the housing external environment in Osaka Prefecture to make it clear how the housing external environment influences the housing visual envorinment and to discuss to obtain appearance location, physical quantity by modeling five elements consisting of the housing external environment and the various housing distances respectively.
  • -テラスアクセス型と北玄関アクセス型の比較-
    鈴木 雅夫
    1991 年42 巻9 号 p. 805-810
    発行日: 1991/09/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    以上の考察を総括すると次のようになる.
    (1) 部屋の使われ方をみると, 北玄関型では, 家族が集まる部屋, および接客に使う部屋が70%台で南和室に集中するが, 南テラス型では南和室と板の間に分散する傾向がある.食事をする部屋は, 朝食は両型とも板の間を70%で使っている.一方, 夕食は南和室の比率が増え, 北玄関型では板の間とほぼ同じ40%台であるが, 南テラス型では, 板の間のほうが60%台で, 南和室の20%台を上まわっている.
    その理由として, 北玄関型の板の間は, 玄関から入って各室への通路となり, 落ち着いて夕食をとり, 家族が集まる部屋になりにくい点があげられる, 一方, 南テラス型の板の間は, 通路にならないこと, 台所が部分的に区分されていること, 多少広く, テラスが庭先のように使えること, などの点で有利であり, 夕食にも, 家族の集まる部屋としても安定していると考えられる.
    (2) バルコニーの位置や広さ, 階段の位置や形および家の中への入り方についての評価は, 南テラス型のほうが北玄関型よりも「現状でよい」とする比率が 14~16ポイント高く, 間取りの使いやすさについての評価も13ポイント高い.
    (3) 以上, (1) 部屋の使われ方については, 北玄関型の板の間は通路になり, 夕食や家族の集まる部屋として使われず, 南和室が使われ, LDKの役割を果たしていない.一方, 南テラス型は, テラスからの直接アクセスにより, 板の間は通路にならないため, 本来のLDとして使われている. (2) アクセス方式に対する評価は, 従来の階段アクセスに比べて, 新しく提案された半戸外空間のテラスアクセスのほうが, 全般的によい結果が得られた.これにより, テラスアクセス方式は沖縄において受け入れられることが実証されたと考えられる.
  • -テラスと部屋の使われ力について-
    鈴木 雅夫
    1991 年42 巻9 号 p. 811-816
    発行日: 1991/09/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    テラスアクセス型の住戸について, 住戸平面のまったく同じな2住宅団地を対象に, テラスに関する評価と部屋の使われ方を考察した.次に, その結果を要約する.
    (1) テラスから住戸に入る方式は, 入居者にとって初めての体験と考えられるが, 肯定的に「現状でよい」と評価している世帯は70%台と著しく高い比率を占めていることが明らかになった.理由として, 「広くて気持ちがよい, 開放感がある, ゆとりを感じる」をあげている.「よくない」と否定的な世帯は10%台と少なく, 理由として, 「玄関があったほうがよい」ことをあげている.したがって, 新しく提案されたテラスアクセス方式は, 肯定的な評価が高く, 玄関がないことへの若干の不満を改善すれば, 沖縄に適した方式になると考えられる.
    (2) テラスは, ひさしが付き, まとまった広さがあり, 日差しや風雨をさえぎり, 庭先のように干し場, 子どもの遊び, 住戸への出入りなど多様な使われ方が明らかになった.したがって, 公営住宅においても, 半戸外空間と接地空間であるテラスは, 亜熱帯の高湿多湿な沖縄では有効な役割を果たしていると判断できる.
    (3) テラスアクセス方式は, 南和室とLDの板の間の2室へ, 直接テラスから入ることができるため, 板の間は南和室への通路になることはない.そのことによって, LDは本来の食事室および家族の集まる居間として, 安定して使われるようになり, 南和室は日常的な接客のほかに, 非日常的な行事のときの集まりの部屋としても使われることが明らかになった.
  • 小垂 眞, 吉川 秀樹
    1991 年42 巻9 号 p. 817-819
    発行日: 1991/09/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    (1) 金時豆のAIはpH 3.0~7.0において37℃, 24時間のインキュベーション後でも活性に変化はみられなかった.
    (2) 金時豆のAIはpH 3.0, 5.0では80℃, 20分または90℃, 5分の加熱で約90%が失活したが, pH7.0では70, 80および90℃, 20分間加熱の後でもそれぞれ80, 50, 30%の活性が残存していた.
    (3) 金時豆を室温で15時間水浸漬した後でも, Alの活性に変化はみられなかった.また, 引き続き豆を水中で加熱すると15分で90%のAl活性が消失し, 30分で完全に失活した.
  • 教育実習改訂に関する対応
    武藤 八恵子
    1991 年42 巻9 号 p. 821-823
    発行日: 1991/09/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • -生活科と家庭科との関連-
    吉原 崇恵
    1991 年42 巻9 号 p. 823-825
    発行日: 1991/09/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 武藤 八恵子, 岸本 正臣
    1991 年42 巻9 号 p. 825-828
    発行日: 1991/09/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 1991 年42 巻9 号 p. 833
    発行日: 1991年
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
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