日本家政学会誌
Online ISSN : 1882-0352
Print ISSN : 0913-5227
ISSN-L : 0913-5227
44 巻 , 1 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 辻 啓介, 中川 靖枝, 市川 富夫
    1993 年 44 巻 1 号 p. 3-9
    発行日: 1993/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    高血圧自然発症ラット (SHR) においてアルギン酸カリウム (K-Alg) の飼料レベルを変えた場合に各種陽イオンの出納, 血圧, 脂質代謝にどのような変化を及ぼすかを追求した.
    1) 血清の総Chl値は差がなく, HDL-Chl値は対照群に比べて5% K-Alg群で有意に高かった.動脈硬化指数は対照群に比べ5%, 10%とK-Algの飼料添加量に応じて有意に低下した.全肝臓Chl値は対照群に対し3%K-Alg群は有意に低い値であった.
    2) 血圧の経時変化は, 対照群が徐々に上昇傾向を示したのに対しK-Alg群は, 10%レベルで1週目に有意に低下し, 3%, 5%の両K-Alg群も2週目には有意な低下を示した.3週目はK-Alg群間に差はなかったが, 対照群に対し全K-Alg群で低下した.
    3) 代謝ケージの2日間では飼料K-Algレベルが高いほど飼料摂取量と乾燥糞重量は高値を示した.Naの糞への排泄率は5%と10%のK-Alg群において増加した.尿中K量は全K-Alg群で増加した.K, Ca, Mgの体内保留率は正であった.
    4) 血圧の変動と密接な相関関係を示したのは, 血清K, 尿中K排泄量との負の相関, ついで血清Na/K比との正の相関であった.
  • 冨岡 和子, 梁 善雅, 遠藤 金次
    1993 年 44 巻 1 号 p. 11-16
    発行日: 1993/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    代表的な食肉および魚肉の加熱調理過程でのイノシン酸の量的変化に及ぼす昇温速度および食塩とショ糖の添加の影響について検討した。その結果は次のように要約できる.
    1) 急速 (7.5℃/min) または緩慢 (0.8℃/min) に昇温加熱した場合, 肉中のイノシン酸の分解率は肉の種類によって異なるだけでなく, 加熱速度依存性を示す両加熱速度におけるイノシン酸分解率の比も肉の種類によって異なった.
    2) 加熱過程での肉中のイノシン酸分解率と肉中のイノシン酸分解酵素活性との間に正の相関関係の存在することが認められた.
    3) 加熱過程での肉中のイノシン酸分解の加熱速度依存性と肉中のイノシン酸分解酵素の変性温度との間に正の相関関係の存在することが認められた.
    4) イノシン酸の分解はショ糖の濃度にほぼ比例して抑制されたが, 食塩の影響は肉の種類によって異なるだけでなく, 切り身のままとそれをすり潰したものとの間で異なった.
  • 大下 市子, 村岡 知子
    1993 年 44 巻 1 号 p. 17-21
    発行日: 1993/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    しょうゆを加熱 (煮る) した時の変異原活性の変化とショ糖添加について検討した結果を要約すると次のようになる.
    (1) 加熱試料7分はTA100, S9非存在下で320His+ revertantsと塩基置換型の変異原活性を示し, この活性は未加熱試料の1.8倍であった.更に加熱し, 焙焼状態に移行し生成したタール試料9分はTA98, S9存在下で2489 His+ revertantsとフレームシフト型の高い活性が認められた.
    (2) しょうゆのみの加熱時の加熱試料5, 7分で示されたTA100, S9存在下の活性は10%ショ糖添加により, それぞれ28, 25%抑制された. タール試料9分で認められたTA98, S9存在下の高い活性は, 10%ショ糖添加により100%抑制された.
    (3) タール試料9分で認められたTA98, S9存在下の高い変異原活性は, 試料溶液に対してショ糖2%添加では抑制効果は認められず, 5%添加で活性は約30%低下し, 10%以上添加ではその活性は100%抑制された.
    (4) 10%ショ糖液を加熱し焙焼状態に移行した9分のタール試料でTA100, S9存在下で2428His+ revertants, TA100, S9非存在下で803と高い変異原活性を示した. この活性はしょうゆとともに加熱することにより, TA100, S9存在下では71%, TA100, S9非存在下25%に低下した.
  • 三成 由美, 楠 喜久枝, 橋本 啓一, 田中 正己
    1993 年 44 巻 1 号 p. 23-31
    発行日: 1993/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    遠赤外線放射特性をもつニューセラミックスが水を媒体としない乾式加熱において食品にどのような効果を与えるかを探るために, セラミックス無紬, セラミックス黒縞, 銅, 鉄でプレートを作製し, 金網で食品との間隔を開け, 放射伝熱による焼き操作実験を行った.
    試料は食パンと牛もも肉を用い, プレートの加熱条件は表面温度を400℃にした場合と試料への放出熱量を6,500kcal/m2・hにした場合の2方法にて試料を加熱し, 4プレートの加熱効果について検討した.
    本実験では, 各プレートの放射率の大きさ, 放射熱の質の違い, 放射熱と対流熱の割合及び食品の素材の違いにより, 食品の加熱状態が異なることがわかった.特に遠赤外線放射特性をもつニューセラミックスプレートの調理効果が以下認められた.
    (1) プレートの表面温度400℃で, プレートからの対流熱を同一にして試料を加熱した場合, 放射率が高いニューセラミックスプレートが, 試料表面の焼き色, 内部温度ともに高い数値を示した.この結果は, プレートの試算放射熱量の大きさと同一の傾向を示した.
    (2) プレートからの放出熱量6,500kcal/m2・hで試料を加熱した場合, 食パン表面の焼き色はニューセラミックスプレートのL値は低い値を示し, 肉眼的にも他のプレートと比較すると焼き色の濃さがめだった. しかし牛もも肉においては, 焼き色に差異は認められずまた内部温度においてもプレート間に差は認められなかった.
    (3) 牛もも肉を焼いた場合のテクスチャーでは, プレート表面温度400℃の場合, 放射率の低い銅のプレートが内部温度も低く硬さ, 凝集性において1%レベルで有意に低い数値を示した. つぎに放出熱量6,500kcal/m2・hで加熱した場合, ニューセラミックスの試料が, かたさ, 凝集性において1%レベルで有意に低い数値を示し柔らかく焼けていることが確認できた.
  • ゲルろ過クロマトグラフィによる研究
    小ノ澤 治子, 下村 久美子, 小見山 二郎
    1993 年 44 巻 1 号 p. 33-41
    発行日: 1993/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    アルカリプロテアーゼによるカゼイン分解で観察された酸化剤の相乗効果が他のタンパク質BSA, OvA, ゼラチンについても生じるかどうかをGPCによる分解挙動の追跡から検討した. その結果以下のことが明らかになった.
    (1) GPC法によりBSA, OvAは, 分解物と非分解物のピークが区別されたので, 酵素による分解挙動の追跡を明確に行うことができた. しかし, 広い分子量分布のあるゼラチンは, 分解物と非分解物とが別のピークにならないことから数平均分子量を算出し分解状態を追跡した.
    (2) 3種の基質のNagarseによる40℃, pH10.5での分解速度には差があり, OvAの分解性が他と比較して著しく低く, BSAの約1/50程度であった. また, OvAは, 40℃, pH10.5での予熱時間が長い程分解速度が高まることがわかった.
    (3) 酸化剤のNagarseによる基質分解に対する相乗効果は基質の種類により異なる. OvAでは過炭酸ナトリウム10mMの添加により無添加系と比較して分解量が160%程度まで高まったが, ゼラチンでは110%程度であった. しかし, BSAでは相乗効果が生じなかった.
    (4) 基質により相乗効果に差が生じたことから, その理由を基質, 酸化剤共存系での基質タンパク質の分子量変化, 系中での酸化剤の消失挙動, 予熱時間が酵素分解に及ぼす影響から調べた. 酸化剤により相乗効果が生じたOvA, ゼラチンの場合は分子量の低下が認められたが, BSAでは, 少し高分子量化していることが分った. これらの結果と前報でのカゼインについての結果から, 酸化剤により対象とするタンパクが程度の差はあれ少し分解される場合に, 酵素による加水分解速度が加速され相乗効果が生じると推定した.
  • 裳袴・筒袖を中心にして
    岩崎 雅美
    1993 年 44 巻 1 号 p. 43-53
    発行日: 1993/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    A costume worn by female elementary school teachers in the latter half of the Meiji Period was the one reformed from a traditional Japanese costume called a KIMONO. About 1900, the female teachers' custume was composed of an undivided HAKAMA called a MOBAKAMA like a Western pleated skirt, and a conventional KIMONO underneath. A broad sash, OBI, which was normally used to fasten the KIMONO, was not worn. And, the long-length KIMONO was replaced with a TSUTSUSODE which was a short-length reformed KIMONO with tighter sleeves like those of a Western clothes. The MOBAKAMA and the TSUTSUSODE were both made of cotton.
    Many of the female elementary school teachers were ordered to wear the above-mentioned costume by the ordinance of a prefecture, just as the male elementary school teachers were ordered to wear western-style uniform.
    The development of the female teachers' costume suggests the following :
    1) In view of the fact that many prefectures adopted the above costume for female elementary school teachers, it can be inferred that educational leaders at that time must be significantly conscious of the nation-wide integration of a new educational society.
    2) In my previous report, I pointed out that male elementary school teachers were ordered to wear a western-style uniform made of wool which was high-priced material so as to show dignity to schoolchildren. On the contrary, the female teachers' costume was made of cotton, a poorer quality material, with the aim of raising the low attendance of schoolgirls of destitute families; the female teachers' plain costume was believed to make the threadbare girls feel more homey and accessible to school. However, it is quite true that the poorer appearance of the female teachers was openly exposing their lower salary and social status.
    3) The MOBAKAMA, which originated from men's HAKAMA, an equivalent of Western trousers for men, was found far more convenient for physical exercises. Some female teachers was dissatisfied with the extraordinary design of the TSUTSUSODE, but we have to admit that the TSUTSUSODE was easier for them to wash and take care of because of its simple design similar to a light Western blouse.
    Therefore, it can be concluded that the adoption of the costume for the female elementary school teachers gave significant favorable results to the development of school education in Japan.
  • 住み方対応にみられる特徴
    菊沢 康子, 梁瀬 度子, 磯田 憲生, 五十嵐 由利子, 岩重 博文, 榊原 典子, 徳田 哲男, 長沢 由喜子, 水野 由美, 宮沢 モ ...
    1993 年 44 巻 1 号 p. 55-63
    発行日: 1993/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    本研究は, 高齢者の住生活における夏季の防暑・冬季の防寒対応にみられる特徴を, 地区比較および年齢別・性別比較により把握することを目的とし次の知見を得た.
    (1) 夏季の防暑法については, 植樹を含めた日差しの遮断対応を優先させた上で「す戸」, 「打ち水」などの慣習的な住み方の工夫により対応する実態が捉えられ, 都市部と農山村における居住環境としての諸条件の相違が都市部における防暑対応の積極性とかかわることが確認された. さらに加齢に伴い各対応が減少する中にあって高齢者の対応は「植樹」に集約される傾向にあり, 自然環境は総合的防暑効果をもつ手段として位置づけられる.
    (2) 夏季の温度調節用機器としてのクーラー利用は前述同様都市部において高く, 夜間の利用は女性より男性に多い. さらに扇風機は80歳, クーラーは70歳を境に利用が減少する傾向が捉えられた.
    (3) 冬季の防寒法については, 寒冷地の「断熱材」, 「二重窓」などの構造的対応において気候の影響が際だち, その他の対応については都市部および農山村を軸とした住様式の地方性が住まい方に大きく影響していた. いずれの対応も加齢に伴い減少傾向を示した.
    (4) 冬季の暖房法は北海道のストーブによる終日全体暖房が特異であるほかは, 防寒法同様, 居住環境が暖房機器選択に大きく影響していた. また暖房開始時期は昼居室・寝室ともに加齢に伴い早まることが明らかであり, さらに男性より女性, 都市部より農山村において早まる傾向が認められた.
    (5) 夏季の涼しさに関する住み心地評価は, 新潟以北および農山村の奈良において高い. 一方冬季の暖かさ評価は, 防寒対策および暖房条件がよい北海道で最も高く, ついで農山村の奈良を除く東京以西が続く.
    (6) 本事例調査 (岩手・兵庫) では, 夏季・冬季ともに室温と居住性評価との相関は乏しく, 高齢者では快適か否かの判断は可能であっても, それ以上の感覚尺度の判断を求めた場合には判断がきわめて暖昧であり, 生活習慣に伴う慣れや加齢に伴う感覚鈍化の問題を指摘できる.
    以上, 高齢者の住宅レベルにおける住み方対応では, 防暑対応は東京以西, 防寒対応は新潟以北において地区別特徴が顕著であり, 酷暑および厳寒による気候とのかかわりが認められた. しかし一方, 住まい方においては都市部・農山村の対比が鮮明に捉えられ, 地方性とかかわる生活習慣の根強さを捉えることができるとともに, 高齢者の居住改善においてこれらの問題をいかに位置づけるべきかは今後の課題として残される.
  • 指標間対応にみられる特徴
    徳田 哲男, 梁瀬 度子, 磯田 憲生, 五十嵐 由利子, 菊沢 康子, 岩重 博文, 榊原 典子, 長沢 由喜子, 水野 由美, 宮沢 モ ...
    1993 年 44 巻 1 号 p. 65-72
    発行日: 1993/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    本研究は前三報までの分析内容をもとに, 高齢者の居住環境条件と温熱的対応についての加齢的, 季節的変化を主体に検討し, 以下の知見を得た.
    (1) 対象高齢者の基本的身体機能は老人ホーム居住者に比較して感覚機能面での低下が少なく, 平均的な在宅健康高齢者の機能水準にあった.
    (2) 住み心地が良いと感ずる温冷幅は加齢に伴い狭まる特徴を呈し, 住み心地の程度は身体抵抗力や睡眠満足度の多寡等との間に対応関係が成立した. また, 身体抵抗力の弱い者ほど外出行動は控えめとなり, 睡眠満足度は利尿者ほど低下傾向を呈する等の特徴を明らかにし, 温熱調節に配慮された良好な居住環境条件の提供が高齢者の日常生活面での活性化につながることを指摘した.
    (3) 就寝前の暖房器具の使用開始は, 高齢者群が昼間の開始に比較して半月程度の遅れであったのに対して, 若年者群での使用時期が著しく遅れた背景要因を考察し, 高齢者での日常的な健康管理に対する関心の高さや生活習慣の固定化, 感覚能の鈍化等を推察した.
    (4) 暑くも寒くもないと感ずる中性温度は, 冬季は夏季に比較して10℃前後も低値に留まり, この温冷感覚の差は着衣量の多寡や屋内外の気温差等, 生活習慣や居住環境条件の違いが影響を与えていたと解釈した.
    (5) 寒さへの工夫については, 若年者群が衣類を主体とした受動的な姿勢であったのに対して, 高齢者群は身体活動等による能動的な対応姿勢が見受けられた.
    以上の諸点より, 老化に伴う身体機能の低下に配慮された居住環境の条件整備を進めて行くことの重要性が指摘される. しかし現在の室温調節法を一つ例示しても, 依然として部分的な冷暖房方法を主体とした対応であると言える. このために特に冬季での室間温度差は居住者の循環調節機能面等へ過大な負担を強いることも多く, 室間温度差を狭める建築学的な工夫が大切とされる. また温熱刺激に対しては, 老化に伴う感受性の遅延傾向による室温調節行動に操作性の欠如も予想されており, 自動温度調節器等の技術的支援も望まれる.
    本論文を含めた一連の報告は,昭和62年度及び63年度の文部省科学研究費[総合研究 (A) 課題番号 : 62304058]の助成を受けた.
  • 片山 倫子
    1993 年 44 巻 1 号 p. 73-76
    発行日: 1993/01/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    塩素系漂白剤の漂白処理浴にリン酸エステル型界面活性剤を併用すると, 低濃度の漂白剤により, 著しく高い漂白効果が得られる. リン酸エステル型界面活性剤を併用すると漂白剤が固相の内部まで十分浸透・拡散することがわかった. この併用処理による綿布の強度低下は全く見られなかった.
  • 1993 年 44 巻 1 号 p. 92
    発行日: 1993年
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
feedback
Top