日本家政学会誌
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45 巻, 3 号
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  • 市川 陽子, 粂野 恵子, 赤羽 ひろ, 中濱 信子
    1994 年 45 巻 3 号 p. 203-210
    発行日: 1994/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    κ-カラギーナン (Cl), ゼラチン (G1) の単独ゲルにおける力学的性状の濃度依存性について, それぞれカラギーナン0.45~0.9% (w/v), ゼラチン2~4% (w/v) の範囲で検討した.さらにカラギーナン : ゼラチン混合ゲルC-G (3:1), C-G (1:1), C-G (1:3) を調製し, 破断特性, 動的粘弾性, 融解温度について両者の混合割合による影響を調べた.また, 単独ゲル, 混合ゲルの温度依存性についても検討を行った.
    カラギーナン, ゼラチンを混合すると, 破断応力, 破断エネルギー, 貯蔵弾性率, 損失弾性率が低下し, 一方のゲル化剤が他方のゲル化剤に対し阻害的に働くことが示された.カラギーナンゲルの融解温度は濃度依存性が高いことが認められた.また, 混合ゲルの融解温度は, そのゲルが含有するカラギーナンの融解温度とほぼ一致した.単独ゲル, および混合ゲルC-G (1 : 1) の, 破断応力, 破断エネルギー, 貯蔵弾性率, 損失弾性率は, 20℃より高温側で温度依存性がみられたが, 15℃以下ではエソトロピー的挙動との重畳による値の停滞または上昇が認められた.
  • 長尾 慶子, 畑江 敬子, 島田 淳子
    1994 年 45 巻 3 号 p. 211-218
    発行日: 1994/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    ドーナツの揚げ加熱中に生ずる亀裂発生のメカニズムについて, ハードドーナツを試料として実験及び考察を行い, 以下の結論を得た.
    亀裂にはドーナツの上側に見られる上面部亀裂, ドーナツ側面部に見られる側面部亀裂, ドーナツリングの内側に発生する内側部亀裂の3種類がみられた.ドーナツの亀裂の機構は内部圧と外皮硬化部の亀裂時の強度 (亀裂圧) との関係で説明できる.
    ドーナツの亀裂圧は, 引張強度, ドーナツ各部の平均曲率, 外側硬化部の厚みの測定値から算出した.一方, 内部圧は体積歪と体積弾性率を求めることで得た.
    三種類の亀裂は, 内部圧が各部の亀裂圧を上回った時に生じた.
  • 長野 宏子, 大森 正司, 庄司 善哉, 飯渕 貞明, 荒井 基夫
    1994 年 45 巻 3 号 p. 219-226
    発行日: 1994/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    中国等の多くの国の小麦粉発酵食品は自然発酵によっているところが多い.タイやインドネシアの伝統的な小麦粉発酵食品に関与している微生物の検索を行い, ガス発生する微生物を分離・同定し, その性質を明らかにした.パームジュースをスターターとする蒸し菓子 (khanom taan) のドウからEnterobacter cloacaeを単離した.揚げパン (paathong koo) のドウからは, Klebsiella planticolaおよびProteus mirabilisを単離した.発酵性細菌の安全性は既に確認されている.単離した細菌であるE.cloacae, K.planticolaを用いて饅頭を製造した結果, 良好な膨化を示し, 十分にスターターとしての働きをもつものであった.
  • 小垂 眞, 田中 千栄, 吉川 秀樹
    1994 年 45 巻 3 号 p. 227-229
    発行日: 1994/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    ソラ豆種子より精製されたトリプシンインヒビター (BBTI) の性質について検討した.焦点電気泳動で調べた等電点は8.66であった.BBTIのアミノ酸組成はシステイン含量は高かったが, メチオニン, イソロイシン, トリプトファンを欠いていた.pH 2~10の範囲では37℃, 24時間のインキュベーション後もBBTIのインヒビター活性に変化はみられなかった.また, BBTIはpH 3および7では100℃, 20分の加熱の後もインヒビター活性にはほとんど変化が認められなかったが, pH 10では70℃, 20分の加熱の後に30%の活性が失われ, 100℃での加熱では, 10分で完全に失活した.
  • 田中 智子, 田中 紀子
    1994 年 45 巻 3 号 p. 231-236
    発行日: 1994/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    加工食品である市販ハンバーグ, ファーストフードのハンバーガーのミネラル (Cu, Zn, Fe, Mg, Ca) 含量を求め手作りのハンバーグと比較した.
    (1) 手作りのハンバーグのミネラル含量は, 100gあたり, Cu 0.06mg, Fe 1.98mg, Zn 2.97mg, Mg 12.52mg, Ca 22.21mgであった.
    (2) 市販の冷凍やレトルトハンバーグの, Cu, Mg, Ca含量はいずれも手作りの約1.5~2倍と高かったが, Feは手作りの4/5以下, Znは1/3以下と低くなった.冷凍, レトルトハンバーグのタンパク質と脂肪量は, 手作りとほぼ等しかった.
    (3) ハンバーガーは, ハンバーグ100gあたり, すべてのミネラル含量が手作りより高く, 特にFeは2.11~2.70mg, Znは2.99~生73mgであった.ハンバーガーは手作りに比べ, タンパク質量も高かったが同時に脂肪量も高かった.
    (4) ハンバーグからとれるミネラル量を所要量に対する摂取率としてあらわした.冷凍やレトルトハンバーグのミネラルバランスは良いが, 手作りハンバーグに比べ劣った.一方, ハンバーガーはミネラルバランスやタンパク質量ともに手作りより良く, 優れた食品と言えるが脂肪量に注意する必要がある.
  • 田畑 真理, 殿畑 操子
    1994 年 45 巻 3 号 p. 237-244
    発行日: 1994/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    1) 大阪府下の都市部に在住している既婚女性を対象に調理行動の実態を把握するため, 調査を実施したところ, 高齢者同居世帯は, 他のグループに比べて多様な調理方法を用いた食生活であることがわかった.
    2) 厨房機器では, 電磁調理器と食器洗い器は, 低所有率にも関わらず購入予定と実際に購入した率が高く, 今後一般家庭への浸透が予想される.
    3) 厨房機器の使用状況についてみると, 冬期に比べて夏期には, 再加熱の機会が減少するため電子レンジの使用頻度の減少が目立つ.対照的にガスコンロは季節に関係なく頻繁に使用されている.
    4) 加熱容器では, 安価でかつ軽量で扱いやすいアルミ鍋の所有率が極めて高い.
    5) 調理操作別にみると, 冬期には「ゆでる」が多いが, 夏期には「妙める」や「煮る」が多い.「沸かす」は季節に関係なく最も多い.調理操作の約50%は水溶液の沸騰を伴うものであった.
  • 木村 光雄, 清水 慶昭
    1994 年 45 巻 3 号 p. 245-248
    発行日: 1994/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • アメリカ・ニューヨーク州における住情報の利用状況とニーズについて
    一棟 宏子, ラクワトラ ジョセフ
    1994 年 45 巻 3 号 p. 249-256
    発行日: 1994/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 高月 紘
    1994 年 45 巻 3 号 p. 259-262
    発行日: 1994/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    環境問題特別委員会では, 中間報告 (1993.9.1 : 家政誌Vol.44 No.10に掲載) を機に, 会員の意見交換の場として関西支部 (10.23), 関東支部 (12.18) においてフォーラムを開催した.関西支部フォーラムでは話題提供者として, ごみ問題専門家・高月紘氏に講演を頂いたので, その内容の一部を掲載した.
  • 「国際婦人年日本大会の決議を実現するための連絡会」傘下52団体への国際家族年に関するアンケートの結果
    (社)日本家政学会国際交流委員会
    1994 年 45 巻 3 号 p. 263-264
    発行日: 1994/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
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