日本家政学会誌
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45 巻, 4 号
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  • 主として耐久消費財の購入について
    草野 篤子, 前山 加奈子
    1994 年 45 巻 4 号 p. 271-278
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    This research was conducted to recognize the characteristics of Chinese citizens' domestic economics, to study the reasons for the big change from 1987 to 1989, and furthermore to analyze the recent economic tendency of Chinese citizens' household according to the Chinese Annual Report on Family Income and Expenditure Survey In China, a general economic renovation was in force from 1984 mainly in the cities, and it brought about significant change in all areas In 1988 the inflation of currency and the tendency to seek out durable consumer goods were recognized.
    As a conclusion, it has become clear that the influence of the principles of the market economy has had great impact on the domestic economics of China between 1987 and 1989
  • 浅井 由賀, 福田 靖子, 竹井 よう子
    1994 年 45 巻 4 号 p. 279-287
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    ゴマの好ましい焙煎条件を知るために, 香り・食味, 抗酸化性の観点から検討を行った.ゴマは, 焙煎する温度や時間を変化させることにより, ナッツ香, ゴマ香, 焦げ臭へと, 香りを変化させていったので, それぞれの香りを有する焙煎ゴマのヘッドスペースベーパーをガスクロマトグラフィーを用いて分析, 検討を行った.食味は, 220℃で焙煎したナッツ香, ゴマ香, 焦げ臭を有する焙煎ゴマを, にぎり飯およびクラッカーに添加したものと, 焙煎ゴマとそれらのゴマ油のみについての官能検査を行い, 検討した.また, 抗酸化性については, 重量法で, 試料のゴマ油を60℃の恒温器中に放置し, 経時的に取り出してその度, 重量増加率を求め検討した.そして, 恒温器に40日放置後のゴマ油の過酸化物価を測定し分析した.その結果, 香りについては, ナッツ香を有する焙煎ゴマは, ピラジン類, フラン類の割合が多く, 軽い香りであり, ゴマ香を有する焙煎ゴマはフラン類の割合が少なくなったが, 香ばしさは強くなった.焦げ臭を有する焙煎ゴマは, 重い香りのする高沸点部の割合が多くなり, 全体のピーク数も減少し, 単調な香りとなった.食味の点では, ナッツ香, ゴマ香を有する焙煎ゴマが良いと判断され, 焦げ臭のするゴマは好まれなかった.抗酸化性の点においては, ナッツ香, ゴマ香を有する焙煎ゴマ油が, 焦げ臭を有する焙煎ゴマ油と同様に安定性があった.これまでの研究では, 褐変がおこり, 焦げ臭が出てこないと抗酸化性が強くあらわれないということであったが, 今回の結果より, 家庭的な焙煎方法を用いて185℃で焙煎し, 短時間の浅妙りであるナッツ香が発生した時点でも, 抗酸化性の生じることが判った.そこで, ゴマを妙るにはゴマが膨張し香ばしいナッツの香り, ゴマの香りが発生した時点で妙り終え, 焦げ臭が発生するまで焙煎しないことが望ましいと判断された.
  • 篠原 寿子, 田畑 武夫
    1994 年 45 巻 4 号 p. 289-294
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    強い酸味と収敏性をもつ生薬の山茱萸とオリゴ糖の一つであるフラクトオリゴ糖を用いジャムを試作した.酸味を中和するため重炭酸ナトリウムを添加し, pH調整を行った.さらに, 杓杞子との混合ジャムを調製し, 保存性や嗜好性について相互に比較検討した.
    (1) 重炭酸ナトリウムを添加した山茱萸ジャムは, 無添加のものに比べ還元糖量の経日変化が極めて小さかった.
    (2) ジャム中のフラクトオリゴ糖量は, 保存温度を上げるにつれて顕著に減少した.
    (3) 重炭酸ナトリウムを添加したジャムおよび杓杞子との混合ジャムについては, オリゴ糖の加水分解が抑制されていることがわかった.
    (4) ジャム中の還元糖量とフラクトオリゴ糖量は, 高い負の相関を示した.
    (5) 嗜好性は, 山茱萸に対し絢杞子を2倍量添加した混合ジャムが最も好まれたが, 重炭酸ナトリウムを添加した山茱萸ジャムは好まれなかった.
  • 下村 道子, 松政 美香
    1994 年 45 巻 4 号 p. 295-302
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    淡水魚の調理のなかで, わが国の伝統調理である甘露煮の嗜好性の向上を目的にして, 調理における素焼きの効果を調べ, 以下の結果を得た.
    1) 官能検査において, 全てのパネルが素焼き処理の有無を判別し, 素焼きを行った方が生臭さが少なく, 魚肉は硬く, 好ましいと判断された.
    2) 甘露煮の硬さは, 素焼きを行った方が全魚, 魚肉ともに硬さは硬かった.骨の硬さには差がみられなかった.
    3) 皮の引張強度をみると素焼き魚の皮の方が引張強度は高く, 煮崩れ防止に役立っていた.
    4) 素焼き処理魚の肉は, 砕け易く, 小塊になり易く, 筋繊維は細く, 切断されにくいことが認められた.
    5) 素焼き処理によって, 魚肉の脂肪が減少し, 甘露煮処理中に脂肪の溶出が少なく, またタンパク質, コラーゲンの溶出率が低かった.
    6) 調味料の浸透は素焼き処理魚の方が速やかであることが, 蛍光色素を加熱液に添加した実験で認められた.
  • 奥野 温子, 澤 裕子
    1994 年 45 巻 4 号 p. 303-309
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    Silk fabrics are easily stained and are damaged by home laundry. To improve the fabrics in respect to the water repellency and stainability, low temperature plasma of tetrafluoromethane was applied to silk fabrics. With the treated fabrics, it was found that; 1) yellowing by the treatment is slight, 2) contact and rolling-off angles of water are fairly improved, 3) water proofness for less than 50% aqueous alcohol is enhanced and 4) shrinkage by washing becomes less, but staining becomes worse.
  • 伊藤 紀子, 竹内 美枝子
    1994 年 45 巻 4 号 p. 311-322
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    The wearing tests for 15 different samples were performed with 10 female subjects to investigate the factors of general comfort sensation of panty hose. The sensory evaluation in wearing condition and the mechanical properties of the materials were measured and analyzed. Furthermore, the clothing pressure of the panty hose were measured by a modified air bag system.
    The results were obtained as follows.
    1) The general comfort sensation of panty hose correlated with the sensation of movability (r=0.702), smoothness (r=0.612) and softness (r= 0.474).
    2) The softness, movability and smoothness sensation of the panty hose related respectively to the LC value of compression, the value of tensile force and the MMD value of the mechanical properties of the materials.
    3) The general comfort sensasion did not correlate with the sense of compression. It was not better when the sense of compression was high but also when it was low. The comfortable hose was at a proper pressure level on the leg.
    4) The level of comfortable pressure of panty hose was approximately 5, 7 and 10 gf/cm2 on the front thigh, the back lower leg and the ankle, respectively.
    Reliability of these figures were coincident with that by the calculated pressure values.
  • 緑川 知子, 登倉 尋實
    1994 年 45 巻 4 号 p. 323-330
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    寒冷環境における帽子の保温効果について, 着帽による被覆部の保温効果が, 体全体からの熱放散をどれほど減少させているか, 果たして直腸温・鼓膜温にどれほど影響を及ぼしているのかを, 温熱生理学の立場から明らかにするために, 7人の女子学生を対象に, 環境温10℃の寒冷環境において, ウサギの毛皮でできている防寒帽着用時と無帽時について, 体温調節反応を調べた.得られた主な知見は, 以下の通りである.
    1) 環境温19℃における鼓膜温は, 無帽時36.67±0.11℃, 着帽時36.65±0.12℃で, ほぼ同じレベルであったが, 寒冷暴露直後, いずれの場合にも約0.1℃下降した.無帽時の鼓膜温は下がり続け36.54±0.13℃に至ったが, 着帽時の鼓膜温は, 寒冷環境において着帽により, むしろ0.3℃の上昇を示し, 36.77±0.12℃となり, 無帽時より有意に高いレベルを維持した。有風下では, 無帽時には0.25±0.05℃の下降を示したが, 着帽時には0.11±0.03℃しか下降しなかった.
    2) 頭頂部毛髪上温は, 前室では無帽時には29.8±0.9℃, 着帽時に30.8±0.5℃で, ほぼ同じレベルであったが, 寒冷暴露後無帽時に直ちに約8℃下降し21.5±0.7℃になった後, 有風時には更に4.6℃の下降を示した.寒冷暴露後の着帽時の頭頂部毛髪上温は, むしろ1.7±0.5℃上昇を示し, 無帽時よりも有意に高い32.9±0.5℃のレベルを維持した。有風時も僅か0.5±0.7℃しか変化しなかった。帽子の表面温は, 前室に置いているときにはほぼ室温と同じ19℃であったが, 寒冷暴露後は, 環境温に近い13℃を示した。これは, 無帽時の頭頂部毛髪上温21.5±0.7℃よりも, 更に低い値であった.
    3) 前額部表面温は, 前室では無帽時に32.9±0.1℃, 着帽時に32.4±0.2℃でほぼ同じであったが, 寒冷暴露後は, 無帽時に2.4±0.4℃下降を示し30.3±0.4℃となり, 有風時にはさらに5.6±0.6℃下降した.着帽時には寒冷暴露後1.9±0.2℃上昇を示し, 無帽時よりも有意に高い34.6±0.2℃となり, 有風時も0.7±0.2℃の下降しか認められなかった.
    4) 前室における直腸温は, 無帽時には37.02±0.09℃, 着帽時には37.00±0.12℃で, ほぼ同じであった.寒冷有風時における直腸温は, 無帽時には0.02±0.02℃の有意な下降を示したが, 着帽時には変化が認められなかった.
    5) 無帽時の心拍数は前室における78.41±11.9beats/11ninから, 寒冷暴露後有意に低下して68.9±10.7beats/minになったが, 着帽時には有意な低下は認められなかった (前室では76.9±12.7beats/min, 寒冷暴露後71.8±11.5beats/min).
    寒冷環境並びに有風下において, 耳部は着帽時にも無帽時と同様に露出されていたにも拘わらず, 鼓膜温が着帽時に無帽時よりも有意に高く保たれたのは, 着帽時には帽子の保温効果により頭頂部毛髪上温, 前額部皮膚温が無帽時のように低下しなかったことにより, 組織伝導による熱放散が少なく, また対向流熱交換も行われて, 鼓膜温を低下させなかったと考察した.
    無帽時に認められた寒冷有風時における直腸温の有意な下降が, 着帽時には認められなかった.これは, 着帽によって体全体からの熱放散が抑制されたからと考えられる。また, 着帽時には前額部が保温されたので, 無帽時に認められた寒冷刺激による徐脈が, 着帽時には消失した.
  • 綿引 伴子
    1994 年 45 巻 4 号 p. 331-341
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    The purpose of this study was to investigate students' image, consideration and concern for the aged, as well as to examine elements influencing their thinking. Questionnaires were replied by 1033 senior high school girl students in Kanagawa and Ibaraki Prefectures.
    The results showed :
    1) Students with previous experience in contact with aged people and learning about senior citizens in class had preferable images.
    2) Students with previous experience in contact with aged people and learning about senior citizens through reading references as well as learning in class, had better consideration for aged people.
    3) Students having learned about senior citizens through reading references on their own and actual classroom lessons had a higher degree of concern.
    4) Slight significant relationship was found between students' image/consideration/concern among those having previous experience in living with grandparents and those without such experience.
  • 佐藤 之紀, 野口 駿, 高橋 節子, 内藤 文子
    1994 年 45 巻 4 号 p. 343-348
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    1) 炊飯米の物性や官能評価から, 水道水を電気分解して得た電解水 (pH3-11) が炊飯米の性状にほとんど影響を与えないことを明らかにし, その原因を考察した.
    2) 炊飯米の物性のうち, 色硬さ, 付着性を指標とすると電解水炊飯米は原水での炊飯米とほとんど差がなく, 官能評価ではむしろ電解水炊飯米の評価は低い傾向を示した.
    3) その原因を追究するため浸漬時の水の性状や米の水分含量を調べたが, 電解水によって浸漬中の米の水分含量や水の動きは若干異なっていたものの炊飯開始と思われる時間までには米の水分含量やpHはどの電解水でもほとんど一定の値を示していた.
    4) これらのことから, 米粒の緩衝作用や炊くという調理過程により電解水の性状の違いが炊飯米の物性や官能評価には影響しにくいことが明らかになった.したがつて, 電解水を調理に使用して食物の性状に付加価値を与えるには食物のもつ緩衝能や調理手段を十分考慮することが必要であることが示された.
  • 酒井 豊子, 松山 容子
    1994 年 45 巻 4 号 p. 349-350
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 1994 年 45 巻 4 号 p. 361a
    発行日: 1994年
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 1994 年 45 巻 4 号 p. 361b
    発行日: 1994年
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
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