日本家政学会誌
Online ISSN : 1882-0352
Print ISSN : 0913-5227
ISSN-L : 0913-5227
46 巻, 9 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 河村 フジ子
    1995 年 46 巻 9 号 p. 823-831
    発行日: 1995/09/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 豊原 容子, 安藤 真美, 中田 理恵子, 三好 正満
    1995 年 46 巻 9 号 p. 833-840
    発行日: 1995/09/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    80%制限と不規則な摂食が, ラットの成長, 肝臓成分, 血液成分およびエネルギー代謝に与える影響について検討を行った.自由食 (A群) と, 2日サイクルで摂食量を変化させる80%制限食群, すなわち, 1日目および2日目にA群の摂食量のそれぞれ80%, 80% (R80群), 100%, 60% (R100-60群), 120%, 40% (R120-40群) の3群を38日間飼育して次のような結果を得た.
    (1) 体重増加は投与量に変動をつけたR100-60群, R120-40群は開始直後一時減少した.最終的に, R120-40群とR80群との問に有意差がみられ摂取量変動による影響があらわれた.
    (2) 飼育終了後の臓器重量は, 実測値ではA群に対し心臓, 腎臓, 肝臓では実験群3群とも有意に低い値を示した.しかし体重あたりの重量では, 4群間に有意差はみられなかった.また腹腔内脂肪については摂取の不規則さが大きいほどその蓄積量も多くなることが予想されたが, 今回の80%制限では有意な差は現れなかった.
    (3) 肝臓中の脂肪量が制限食群で有意に低くなった.不規則食群では肝臓重量の減少傾向がみられたが, 肝臓中の蛋白質がやや多くなっており, 重量減少を補足するような質的な補正がおこっているとも考えられた.
    (4) エネルギー代謝測定の結果, R80群は, 体重あたりにした値では, A群と比べ, 初期, 後期を通じて総消費エネルギー量, 最小安静時エネルギー代謝量, 総活動代謝量とも有意な差はみられないことから, 質的に変化が出ないように個体を小さくして適応していることがわかった.
    一方, R120-40群では初期には, 不規則食に対応して総消費エネルギー量, 最小安静時土ネルギー代謝量などを変化させてはいるものの, すぐには適応できずにいる様子がうかがわれた.後期には, 最小安静時エネルギー代謝量を維持もしくは増加させるため総活動代謝量を減少させ適応していると考えられた.
  • 大田原 美保, 畑江 敬子, 島田 淳子
    1995 年 46 巻 9 号 p. 841-848
    発行日: 1995/09/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    米飯の保存中の食味低下, すなわち米飯の老化感の客観的評価方法を検討し, 以下の知見を得た.
    (1) 官能検査により米飯の老化感を測定した結果, 一般的に家庭で食している米飯 (日本晴加水比1.5) レベルでは, 保存5時間ですでに有意に老化していると評価され, SEMによる微細構造も保存5時間で変化が始まっていた.
    (2) BAP法による糊化度と老化感の保存中の変化は, 特に保存初期において必ずしも対応しなかった.
    (3) 物性測定のパラメータを説明変数, 米飯の老化感を目的変数として変数増減法による重回帰分析を行った結果, テクスチュロメータのHと-Hを用いた重回帰式Y (米飯の老化感) =0.86X (H) -3.15X (H) -0.48 (R'2=0.87) によって米飯の老化感を精度良く予測できることが明らかとなった.
  • 韓国都市集合住宅における居住者の入浴慣習の実態と入浴空間の住様式的検討 (第 1 報)
    任 喜敬, 今井 範子
    1995 年 46 巻 9 号 p. 849-860
    発行日: 1995/09/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    本報では, 韓国都市集合住宅の居住者 (主人・主婦) を対象とした入浴状況の調査を行い, 入浴慣習の実態と, それに関連する入浴意識を明らかにした.その結果は, 以下のとおりである.
    (1) 居住者の入浴状況を公衆浴場と住宅内浴室に分けてみた結果, まず公衆浴場が都市集合住宅の居住者にとって, 日常的な入浴空間として存在していることが認められた.
    公衆浴場の利用状況は季節別に差が著しく, 冬季に最も高い.なお, 入浴回数は週1回程度の定期的な利用が多い.入浴にかかる時間は「1時間以上」の割合が最も高く, 入浴時間が長いという特徴があげられる.公衆浴場において, 湯につかるために浴槽を利用する者は, 約8割と多く, 湯につかる入浴慣習が形成されている.利用理由としてはサウナの利用と, 住宅内浴室が寒いからという理由が多く占めている.以上の公衆浴場の利用状況を年齢階層, 調査地域別にみた結果, 若い世代, また大都市ソウルにおいてその利用の程度は低く, 住宅内浴室での入浴が多くなる傾向が指摘できる.
    (2) 公衆浴場の利用が多いことから, そこでの主婦の入浴意識を分析した結果, とりわけ「疲労回復」と「体の清潔」にその意義を強く感じると反応する居住者が最も多く, 入浴の2大目的になっている.サウナを目的とする居住者が多いことは, 「疲労回復」の意識が高いことに関係している.また「住宅内浴室が寒い」という理由が多いことは, 「体の清潔」のために垢をとるという生理衛生的な意識が高いことに関係している.入浴意識は入浴回数が多い者ほど, また入浴時間が長い者ほど, 「楽しみ」, 「体の清潔」, 「気分転換」, 「くつろぎ」, 「疲労回復」, 「美容」などの項目の平均値が高く, 多様な項目に対し感じると反応している.調査地域別にみた結果, 光州の居住者の入浴意識がソウルの居住者よりも積極的であるが, ソウルに比べてタイプIII (公衆浴場利用積極型) が多いことに関係している.
    (3) 住宅内浴室では主人, 主婦ともに「1日1回以上シャワー」をする入浴が夏季の入浴慣習として形成されていることが指摘できる.しかしながら, 冬季には乾燥した大陸的な気候風土により入浴回数が少なくなる.したがって公衆浴場と住宅内浴室の双方からみた居住者の入浴状況は, 夏季と冬季では大きく異なる.
    (4) 住宅内の主浴室においての浴槽利用状況から入浴方法をみた結果, 浴槽の中での入浴として「洗い場で洗い, 湯につかる」という日本式が6割, 「シャワー入浴」という方法が4割存在し, ζの2方法が主であることがわかった.シャワー入浴の場所は, 浴槽の中以外に, 浴槽の外の洗い場があり, 洗い場でシャワー入浴をする者を含めると「シャワー入浴」はさらに多く認められる.夏季にはシャワー入浴をする者は6割を超え, 多く存在し, 韓国の伝統的な行水式またはかけ湯式がシャワーにとってかわったと考えられる.
    (5) 居住者の入浴慣習は, 主人, 主婦ともに「タイプ1 (住宅内浴室・公衆浴場利用積極型) 」, 「タイプII (住宅内浴室利用積極型) 」, 「タイプIII (公衆浴場利用積極型) 」, 「タイプIV (住宅内浴室・公衆浴場利用消極型) 」の四つに類型化される.これらを年齢階層・調査対象地域別にみた結果, 若い世代ほど, また大都市ソウルの居住者ほど, 住宅内浴室の入浴に対し積極的なタイプII (住宅内浴室利用積極型) が多いことから, 住宅内浴室での入浴が多くなる動向が読み取れ, 今後の入浴空間として住宅内浴室が積極的に使われる傾向がうかがえる.
    住宅内浴室について, 主浴室と内房浴室に分け, その使われ方の現状と問題点等を, 第2報において展開する.
  • 水野 時子, 山田 幸二
    1995 年 46 巻 9 号 p. 861-866
    発行日: 1995/09/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    10% のカゼインまたは10%カゼイン類似アミノ酸混合物を含む飼料にCholとSCの単独または両者を負荷し, ラットの血漿遊離アミノ酸パターンの変動を検討した.
    カゼイン飼料にCholやSCの単独, CholやSC両者の負荷は, 飼料摂取量は変わらないが, 血漿遊離アミノ酸が全般に低下し, 特にThrの減少が顕著であった.またChol負荷に比べSC負荷は, 血漿リジンの低下が顕著であった.
    一方, カゼイン類似アミノ酸混合物飼料にCholやSC両者の負荷は, 飼料摂取量, 体重増加量とも減少した.血漿遊離アミノ酸の低下は, カゼイン飼料に比べ小さいが, 血漿Thrの低下は顕著であった.
    CholまたはCholやSC両者を含む飼料へのThrの負荷による飼料摂取量, 体重増加量, 血漿Cholなどの変動はみられなかったが, 血漿Thrは上昇した.
    以上の結果, Chol単独摂取は血漿遊離アミノ酸全体を低下させ, 特に血漿Thrの低下に関与していることを示唆した.また, Cholの代謝産物であるSC単独摂取もCholと同じ作用を有することが示唆された.
  • 長野 宏子, 大森 正司, 田村 朝子, 庄司 善哉
    1995 年 46 巻 9 号 p. 867-870
    発行日: 1995/09/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    伝統的な小麦粉発酵食品の, 特に膨化食品を対象にし, 関与している微生物を分離することを目的とした.膨化にはガス発生が不可欠であるため, ガス発生能をもつ微生物の検索を行った.
    (1) 九州地方に伝わる自然発酵源としてジャガイモを用いた小麦粉発酵ドウからEnterobacter cloacaeを分離した.
    (2) 単離した細菌であるE. cloacaeを用いて饅頭を製造した結果, 良好な膨化を示し, 十分にスターターとしての働きをもつものeであった.
  • 会田 久仁子, 角野 幸子, 水野 時子, 角野 猛, 山田 幸二
    1995 年 46 巻 9 号 p. 871-875
    発行日: 1995/09/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    福島県産のコシヒカリおよび市販輸入米の中国, タイ, アメリカおよびオーストラリア産米の精白米について, 一般成分, 遊離アミノ酸組成およびこれらの炊飯米の官能検査を実施し, 次の知見を得た.
    (1) 精白米の水分量は12.4~14.6%, タンパク質量は5.9~7.1%でタイ産米はコシヒカリおよび他の外国産米に比較して高い傾向が見られた.また, ナトリウム量は1.7~2.9%, カリウム量は24.5~83.4mg/100gで, コシヒカリの量に比較して中国産米が多く, タイ産米は少ない傾向が見られた.
    (2) 精白米のタンパク質構成成分の遊離アミノ酸量は4.87~29.94mg/100gであり, 中国産米とコシヒカリが多く, タイ産米は少なく, アメリカおよびオーストラリア産米はその中間であった.
    (3) 炊飯米の外観, 色, 光沢, 香味, 硬さ, 粘りおよび総合評価はいずれともコシヒカリの評価が良く, 対照的にタイ産米および中国産米は劣った.アメリカおよびオーストラリア産米はコシヒカリと中国およびタイ産米の中間的な評価を受けた.
  • 中村 泰彦, 田島 真理子
    1995 年 46 巻 9 号 p. 877-880
    発行日: 1995/09/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    鉄 (II) イオンの大豆煮熟軟化促進作用を明らかにするために, 鉄 (R) 塩溶液に大豆を浸漬したときの大豆中のペクチンの変化を対照と比較して測定し, 以下の結果を得た.
    (1) 塩化鉄 (II) 溶液に浸漬した大豆では水溶性ペクチンが増加したが, ヘキサメタリン酸ナトリウム可溶性ペクチンおよび塩酸可溶性ペクチンの量はあまり変わらなかった.水溶性ペクチンの増加は, 塩化鉄 (III) 溶液浸漬ではみられなかった.
    (2) 塩溶液浸漬後に蒸煮したときのペクチンの溶出は, 鉄 (9) 塩溶液浸漬で最も大きかった.また, 蒸煮によるペクチンの溶出は, 鉄 (II) 塩溶液浸漬後に食塩溶液につけることによって著しく促進された.
    (3) 硫酸鉄 (II) 溶液と食塩溶液に二段階浸漬した大豆の煮汁中のペクチンは, 対照に比べて低分子化していることがゲルクロマトグラフィーからわかった.
  • 村上 和保
    1995 年 46 巻 9 号 p. 881-883
    発行日: 1995/09/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    一般家庭から持ち込まれたケフィールおよびケフィール粒の汚染細菌の検出ならびに検査依頼主へのアンケート調査を行い, 以下の結果を得た.
    (1) 全検査検体 (90例) のうち11例 (12.2%) から大腸菌群が検出され, 菌種としてはKlebsiella aerogenes I (II例), Klebsiella aerogenes II (2例), Citrobacter freundii I (3例), Escherichia coli III (1例) であった.
    (2) 検出された大腸菌群の菌数は最少のものが60個/g, 最多が520,000個/gであった.
    (3) ケフィールからの大腸菌群の検出状況と季節との間には明確な相関は認められなかった.
    (4) 大腸菌群の検出された検体 (11例) および一部の検体 (3例), 合計14例からはサルモネラは検出されなかった.
    (5) アンケート結果からみて, ケフィールを作る際に使う器具や容器の消毒は, 一般家庭では必ずしも十分に行われているとは言い難い.
  • ケーススタディ
    鄭 華美, 永村 一雄, 中根 芳一
    1995 年 46 巻 9 号 p. 885-892
    発行日: 1995/09/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 視点 家政学の後継者を考える 9
    小林 茂雄
    1995 年 46 巻 9 号 p. 893-894
    発行日: 1995/09/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 食物学分野の立場から
    高橋 節子
    1995 年 46 巻 9 号 p. 895-897
    発行日: 1995/09/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 視点 子どもをとりまく生活環境-児童学の視点から- 3
    武藤 安子
    1995 年 46 巻 9 号 p. 899-903
    発行日: 1995/09/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 46 巻 9 号 p. 911
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
feedback
Top