日本家政学会誌
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49 巻, 12 号
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  • 熊澤 幸子, 鈴江 緑衣郎
    1998 年 49 巻 12 号 p. 1273-1279
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    本実験は正常マウス (未処理マウス) とエールリヒ腹水癌担癌マウスにα-リノレン酸, 鉄 (II), ビタミンCとEを過剰に摂取させ, 血清過酸化脂質の値の変化を調べた.各群で, 担癌マウスの過酸化脂質は未処理マウスより高値を示した.未処理マウスと担癌マウスにおいて, α-リノレン酸を摂取させると過酸化脂質は高値を示した.さらに鉄 (II) を投与した場合は, 未処理マウスより担癌マウスで過酸化脂質が著明に上昇した.鉄 (II) は, 特に担癌マウスにおいて, 過酸化脂質の増加に促進的に働いた.また, α-リノレン酸と鉄 (II) にビタミンCとEを添加した飼料を摂取させた未処理マウスと担癌マウスでは, 過酸化脂質の濃度は顕著に低下した.これらのビタミンの過酸化脂質を抑制する効果は, 未処理マウスより担癌マウスで著明であった.
  • 菅原 芳明, 友田 貴子, 田村 恵子
    1998 年 49 巻 12 号 p. 1281-1290
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    本報告では, まず, 香りの印象を評価する目的で9種類の香油 (リナロール, ペパーミント, バジル, ライム等) について官能検査を行った.印象評価は, さわやかな-さわやかでない等の13の形容詞句の対からなる官能評価用紙を用い (SD法に基づいた), それぞれ+5~-5の11段階のスコアで評価させたが, 以下に述べるように3種類の “作業” との関連で香りの印象を評価することを特色とする.被験者に課した “作業” は, 内田・クレペリン精神検査に準拠した精神作業, 踏台昇降運動, 自然環境音聴取であるが, それぞれの作業前および作業後に上記官能検査を実施し, 作業前後での香りの印象のスコア差を調べた.そして, 次に13の印象項目それぞれについてそれらのスコアが真に変化したと言えるのか否かを, t検定で判別した.その結果, t検定での判別結果をふまえ, たとえばある香りでは, 作業後香りの印象評価の上昇傾向を認めたのに対し, 別の香りでは同じ作業で印象の悪化傾向を認めた.そこで, このような印象傾向の “確からしさ” を印象項目全体に渡って符号検定で判別する一方, その “確からしさ” とその印象傾向とを同時に表示する手法 (“官能評価スペクトル”) を考案した.符号検定は, t検定で有意とされた印象項目を1 (符号は+), 有意でない場合は0 (符号は-) として, +の符号がいくつ以上あれば, 「ある香りが作業との関連で印象評価が良くなるか否かを」判別する手法である.また, “官能評価スペクトル” は, 13の印象項目を横軸に, 作業前後での印象のスコア差の平均を縦軸に取った棒グラフで, 作業後香りの印象評価が上がるものは, 全体として+側に, 逆に下がるものは, 一側に表示される.最終的に, (1) バジルは精神作業後香りの印象評価が上がるのに対して, リナロール, ペパーミント, ライムでは精神作業後評価が下がること, また (2) リナロールでは, 環境音聴取後香りの印象評価が上がるのに対し, 精神作業後は下がることがわかった.本報告では, さらに上記 (2) のリナロールの印象変化について簡易脳波計 (IBVA脳波計) 等を用いた詳細な生理計測実験を行った.特に, IBVA脳波に及ぼすリナロールの影響を見積もることから, リナロールの吸入と二つの作業との関連を検討すると共に, 上記官能検査と生理計測との関連についても評価・検討した.
  • 佐々木 康人, 中村 亨子, 玉井 洋介
    1998 年 49 巻 12 号 p. 1291-1298
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    種々の穀物抽出物の透析内液が示す生物・生理学的な性状について検討した.栗の透析内抽出物は, ヒアルロニダーゼ活性阻害効果を示した.また, 小麦の抽出物には, 強い活性酸素消去能とリノール酸に対する抗酸化活性を示した.ライ麦と小麦は, 培養動物細胞であるヒト-ヒトハイブリドーマ細胞 (HF10B4) とヒトマクロファージ様細胞 (U-M) の増殖を, 若干ではあるが促進した.一方, 他の穀物の抽出物は, 添加量に応じて, 増殖を抑制していた.さらにライ麦と小麦の抽出物は, HF10B4の免疫グロブリンMの産生を促進した.大麦の抽出物は, 腫瘍壊死因子の産生を若干ではあるが促進していた.これらの結果は, 穀類中に人体の恒常性を保つために役立つ何らかの機能物質が存在していることを示している.
  • 伊藤 紀子, 八木 有里子, 池田 さより, 山田 智子
    1998 年 49 巻 12 号 p. 1299-1305
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    本研究では, 人体に代わって被服圧計測可能な人体下半身ダミーの開発を行う.人体ダミーの有用性は, 被服圧の異なる4種類のパンティストッキングを使用し, 理論推定被服圧値と実測被服圧値を比較し検討した.その結果, 人体ダミー上の実測圧値は大腿部および下腿部の軟体面上 (B1) において理論推定圧値と一致した.さらに, 人体ダミーの軟体面 (B1) の実測圧値は, 大腿部, 下腿部, 足首部の人体上実測値と特によい一致を示した.被服圧計測人体ダミーの有用性は, 軟体面 (B1) で使用可能であることが明らかとなった.
  • 岡本 一枝, 永井 由美子, 飯塚 幸子
    1998 年 49 巻 12 号 p. 1307-1312
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    就寝前の下肢加温が, 睡眠中の生理反応および寝床内気候, 睡眠感に及ぼす影響を若年者と高年者で比較した.対象は, 健康な若年女性5名 (平均年齢21.8歳), 高年女性5名 (平均年齢60.3歳) とした.実験は, 2室の人工気候室を用い, 1室は居間を想定し20℃, 60%RH, 2室は寝室を想定し13℃, 60%RHに保った.就寝前に1室で炬燵を用いて30分下肢を加温し, その後2室で23 : 00~7 : 00まで就寝してもらった.心拍数, 皮膚温, 体動, 寝床内気候は連続測定し, 温冷感, 快適感, 湿潤感, 睡眠感は就寝前, 起床時にそれぞれ申告を行った.就寝時の心拍数に有意差はみられなかった.下肢加温時の皮膚温は, 指は高年者で有意に高く, 逆に胸, 下腿, 平均皮膚温は有意に低かった.就寝時では高年者で胸が有意に低い以外, 年齢による差はみられなかった.寝床内気候は若年者, 高年者ともに32~33℃, 35~50%RHに保たれ, 睡眠感もよく, 有意差はみられなかった.下肢加温後の睡眠では, 高年者は睡眠感, 胸以外の皮膚温, 寝床内気候は若年者と同じレベルを保つ可能性が示唆された.
  • 福島 正子, 谷村 顕雄
    1998 年 49 巻 12 号 p. 1313-1317
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    食品包装材料から溶出したアルミニウムの体内呼吸の可能性を知るため, アルミニウム溶出量とイオン量を調べた.全アルミニウム量は原子吸光光度法で, イオン量はクロムアズロールS吸光光度法で測定した.市販缶ビールにおいては, 製造後2カ月未満のものより5カ月経過したものの方がアルミニウム溶出量は多かったが, 溶存イオン量はその30~40%で, 両者とも類似の割合を示した.缶ビールをさらに長期間保存すると, アルミニウム溶出量が増大し, イオン量も約10%上昇した.アルミニウムホイルを酢酸, クエン酸, 塩化ナトリウム水溶液および蒸留水に浸漬して加熱すると, 酢酸, クエン酸, 塩化ナトリウム, 蒸留水の順でアルミニウムが溶出した.イオン化率は酢酸が最も高く60%, 次いで蒸留水の45%だった.クエン酸水溶液中ではアルミニウムイオンはほとんど存在しなかった.
  • 藤井 香代
    1998 年 49 巻 12 号 p. 1319-1320
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 川上 修
    1998 年 49 巻 12 号 p. 1321-1322
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 大澤 清二
    1998 年 49 巻 12 号 p. 1323-1324
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • グユエン ヴァン チュエン
    1998 年 49 巻 12 号 p. 1325-1326
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 大矢 勝
    1998 年 49 巻 12 号 p. 1327-1334
    発行日: 1998/12/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
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