日本家政学会誌
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51 巻, 3 号
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  • 吉川 秀樹, 田中 千栄, 小垂 眞, 田口 邦子
    2000 年 51 巻 3 号 p. 209-213
    発行日: 2000/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    インゲン豆の一種であるトラ豆より得られたα-アミラーゼインヒビターは等電点クロマトグラフィーによりさらに二つのアイソマーに分離された.主要なインヒビター (TAI-I) の等電点は4.70であり, 他方 (TAI-II) は4.60であった.二つのインヒビターの分子量はともに40,000であったが, 糖含量はTAI-Iが9.4%, TAI-IIが8.9%であった.両インヒビターのアミノ酸組成に大きな違いはみられず, Asx, Ser, Val, Thr, Glxを多く含んでいた.すい臓と唾液のα-アミラーゼに対するインヒビターの阻害活性に大きな違いはみられなかったが, 阻害活性が最大に達するのに必要な時間はTIAI-IよりもTAI-IIのほうが短かった.両インヒビターは類似の熱安定性を示し, 80℃で20分間加熱した場合に元の活性の約40%が失活した.
  • 山田 千波, 片山 裕美子, 村田 容常, 本間 清一, 花木 秀明, 平松 啓一
    2000 年 51 巻 3 号 p. 215-221
    発行日: 2000/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    病院で分離された黄色ブドウ球菌 (Stpphylococcus aureus) の多くが, ペニシリン結合タンパク質 (PBP) 2'を持ちメチシリンに高度の耐性を示すmethicillin-resistant Stpphylococcus aureus (MRSA) であると報告されている.生活環境中にMRSAがどの程度存在しているか, また耐性はどの程度かを評価するために街路や駅などの空気からMRSAの分離を試みた.ブドウ球菌の選択培地であるマニトール食塩培地に生育した988株のうち39株が, メチシリン16μg/mlを添加したマニトール食塩培地でも生育し, グラム陽性球菌でコアギュラーゼ試験陽性であった.5株はS.aureus (黄色ブドウ球菌) で21株は他のブドウ球菌であった.いずれもPBP2'を持たず, メチシリンに対して境界領域の耐性しか示さなかった.この結果は, 病院とは異なり街路, 駅, 電車などの都市生活環境には高度耐性のMRSAはほとんど存在していないことを示している.
  • 水野 一枝, 横谷 智明, 工藤 優子
    2000 年 51 巻 3 号 p. 223-229
    発行日: 2000/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    二つの異なる特別養護老人ホーム入所者の寝床内気候, 睡眠感, 主観的気分と眠気の日内変動を比較した.調査対象は, 介護体制の異なる東京都心 (T) と長野県郊外 (N) にある特別養護老人ホーム入所者計30名 (東京22名, 長野8名) とし, さらにADL (日常生活活動) が自立している群 (T-high, N-high) と自立していないねたきりの群 (T-10w, N-low) にわけて比較した.測定項目は寝室内, 寝床内温湿度, 起床時の睡眠感, 主観的眠気, 活力, 気分のリズムとした.夜間の室内温湿度は, Nで有意に温度が低く, 湿度が高かった.日中の背部の寝床内温度は, T-highでN-highよりも有意に低かった。夜間の寝床内気候に群による差はみられず, 32~34℃, 50~60%RHの問に保たれていた.日中の眠気はT-highでN-highより有意に低く, T-10wでもN-10wより低い傾向であった.睡眠感はT-high, T-lowで N-high, N-lowよりも有意に高かった.ADLは同じでも, ホームにより睡眠感は差がみられ, 介護体制を改善していくことで睡眠感が改善する可能性が示唆された.
  • 渡辺 文雄, 桂 博美, 阿部 捷男, 中野 長久
    2000 年 51 巻 3 号 p. 231-234
    発行日: 2000/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    牛乳において, リボフラビンの光分解に伴いどの程度のコバラミンが減少するのかを調べるために, 種々の牛乳を3,500lxの蛍光灯照射下24時間4℃で貯蔵後, コバラミン含有量を化学発光コバラミン測定装置で定量した.その結果, 牛乳の種類により異なるが, 光照射保存により1~22%のコバラミン含有量が減少した.このコバラミンの減少には, リボフラビンの光分解により生じるフリーラジカルが間接的に関与している可能性が示唆された。
  • 和田 光弘, 岩男 由紀子, 黒田 直敬, 中村 純三, 中島 憲一郎
    2000 年 51 巻 3 号 p. 235-240
    発行日: 2000/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    ブドウおよびその加工製品中のトランスーレスベラトロールの簡便かつ選択的な分析法を開発した.本法は, 市販のODSカラムおよびイソクラティック溶出 [0.05Mクエン酸リン酸一水素ニナトリウム緩衝液 (pH3.0) /メタノール (=60 : 40, v/v) 3.5mMオクタンスルホン酸ナトリウム含有] を用いて, トランスーレスベラトロールを約12分で分析可能だった.検出下限は2.28ng/ml (S/N=3) であった.本法により赤ワインから3.42mg/ml, 白ワインから0.39mg/ml, ブドウ飲料から0.20~0.88mg/ml, ブドウから2.30mg/gのトランスーレスベラトロールを定量することができた.
  • The Group Reaches Its Fifth Year
    Sachiko ODAKE
    2000 年 51 巻 3 号 p. 241-242
    発行日: 2000/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 川合 千鶴子
    2000 年 51 巻 3 号 p. 243-244
    発行日: 2000/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 末延 豊子
    2000 年 51 巻 3 号 p. 245-247
    発行日: 2000/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 田中 辰明
    2000 年 51 巻 3 号 p. 249-256
    発行日: 2000/03/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    安全とは事故による身体障害の発生を防止したり, その影響を軽減することである.危険回避, 予防手段はこの分野の関係者の間で3つのEと呼ばれている.すなわち工学Engineering, 規制Enforcement, 教育Educationである.安全工学は, 安全な環境作りに役立つような設計を行うこと, レイアウト, 建築構造を研究することなどである.安全規制は関係法令の適用である.安全教育は事故防止を目的とする大衆の指導, 説明会, マスメディアによるキャンペーンを含んでいる.住居の居住者に対して, 直接規制を加えることは難しいが, 住宅の設計, 施工, 什器の取り付けに対し規制は重要である.殆どの国では居住者の安全を確保する為の法律がある.特に居住する側からの法律が大切であり, 市民章命のあった国では「住居法」がある.わが国にはこれに相当する法律は無く, 「建築基準法」があるにすぎない.これは必ずしも居住者の立場にたった法律ではなく建築を設計したり, 施工する立場の人の為の法律である.
    また住居の危険には雑多なものがあるので, 安全教育の果たす役割は大きくなる.住宅の安全については, いろいろな面からの検討が必要である.構造的に大丈夫か, 火災に対して大丈夫か, あるいは日常の使用に対して危険な事が無いかなどである.多くの物については, 法規などの規制あるいは構造計算などのマニュアルに従っていれば問題は起こらないだろうが, それはあくまで「最低基準」であり, 建築物の個別の状況, 使われ方により, より厳密に考えなければならない場合もある.ここでは特に「自然災害に対する安全」, 「火災に対する安全」と「日常安全」について基本的な考えを述べる.
  • 2000 年 51 巻 3 号 p. 263
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
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