日本家政学会誌
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54 巻 , 5 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 須見 洋行, 岡本 猛
    2003 年 54 巻 5 号 p. 337-342
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    テンペ水抽出液に強い血栓溶解活性を確認した.水抽出液の凍結乾燥物1g当たりの活性はウロキナーゼに換算して450 IUであった.この血栓溶解活性を示す主要な酵素は, 等電点電気泳動の結果から, 等電点は約8.7であり, その分子量はゲルろ過の結果から約30,000と推測された.この酵素は血栓タンパク質 (フィブリン) だけでなく, 弱いながらSuc-Ala-Ala-Pro-Phe-pNAおよび H-D-Val-Leu-Lys-pNAも分解し矢印は, 分子量スタンダードの溶出位置を示す. (1) : サイログロブリン (分子量670,000), (2) : γ-グロブリン (分子量158,000), (3) : 卵白アルブミン (分子量44,000), (4) : ミオグロビン (分子量17,000), (5) : ビタミンB12 (分子量1,350).た.さらに, 65℃以上で失活し, 1mM/lのジイソプロピルフルオロリン酸および1mg/mlのエラスタチナールによって強く阻害された.Suc-Ala-Ala-Pro-Phe-pNA分解に対するエラスタチナールの阻害は競合的であり, Ki値は9.8×10-8Mであった.
  • 樋口 才二, 増渕 雄一, 三俣 哲, 瀧本 淳一, 小山 清人, 鈴木 淳
    2003 年 54 巻 5 号 p. 343-349
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    The time-course characteristics of the amount of water absorption in vacuum-dried agar gels containing dimethyldioctadecylammonium chloride (DMDOAC), poly (vinyl acetate) emulsion (PVAc-E) and their mixtures was measured in order to investigate the water absorbency of food model systems. Scanning electron microscopy showed the network of the gel containing DMDOAC more indistinctly than that of the gel of agar alone. The clear network of the gel mixed with PVAc-E could be observed by the adsorption of PVAc in which was coherent in several pieces. The gel containing the mixture of DMDOAC and PVAc-E showed a network with adsorbed PVAc which was coherent in several pieces and seemed to be covered by DMDOAC. The water absorption process for each gel involved in common two steps, the first absorbing water at a high rate for about 120 min, reaching an inflection point at that time, and then absorbing water at a low rate, finally almost reaching saturation, without being influenced by the presence or concentration of the additives. The initial rate and saturation weight of water absorption for the gel of agar alone were 0.85 g/g·min and 21.8 g/g, respectively. The initial rate and saturation weight of water absorption for the gel including DMDOAC and the gel including the mixture of DMDOAC and PVAc-E showed exponential and logarithmic decreases with increasing concentration. The initial rate and saturation weight of water absorption for the gel including PVAc-E showed the maximum values at 0.1 wt% and minimum values at 1.0 wt%, the characteristic changing from the exponential decrease.
  • 中村 恵子
    2003 年 54 巻 5 号 p. 351-356
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    電子レンジ調理におけるNaCl添加の影響を明らかにするために, 液体モデル試料を用いて, 加熱実験を行った.
    エネルギーの吸収効率に及ぼすNaCl濃度および試料体積の影響を検討したところ, NaCl濃度が高いほど吸収効率は小さくなったが, 1%程度であれば無添加試料とほぼ等しいと考えても差し支えなかった.
    温度および水分蒸発量を測定した結果, 沸点以下において, NaCl添加試料の平均温度は無添加試料より低いにも拘わらず, 水分蒸発量は多かった.これは, NaCl添加試料の周辺部近傍で高温となった液体が対流によって移動し, 上部が高温となったことが原因であると推察した.
    NaCl添加試料においては, 昇温過程において蒸発の潜熱として用いられるエネルギーの割合が水より高いため, 加熱効率は悪かった.
  • 高橋 智子, 川野 亜紀, 飯田 文子, 鈴木 美紀, 和田 佳子, 大越 ひろ
    2003 年 54 巻 5 号 p. 357-364
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    本研究では, 高齢者が食べ易い食肉開発を目的とし, 豚肉の重曹未処理肉, 重曹溶液浸漬肉 (0.2mol/lおよび0.4mol/l重曹溶液浸漬) および豚挽肉に小麦粉を混合した再構成肉の力学的特性, 食べ易さおよび咀嚼運動について検討を行った.
    (1) 再構成肉の加熱処理後の重量減少率は, 重曹未処理肉や重曹溶液浸漬肉に比べ顕著に小さく, 再構成肉の保水性が大きいことが認められた.
    (2) 重曹未処理肉および重曹溶液浸漬肉の応力-ひずみ曲線において, ひずみ0.8 (m/m) までの圧縮では明確な破断点は認められなかったが, 再構成肉には, ひずみ約0.3 (m/m) で破断点が認められた.また, 重曹未処理肉および重曹溶液浸漬肉のひずみ0.8 (m/m) におけるみかけの応力の圧縮速度依存性は, 異なる傾向を示した.
    (3) ひずみ0.8 (m/m) におけるみかけの応力と咀嚼時のかたさおよび口中の残留物の多さの間には, 高い正の相関関係が認められた.一方, 咀嚼後に形成される肉食塊の飲み込み易さでは, 重曹未処理肉と重曹溶液浸漬肉については, ひずみ0.8 (m/m) におけるみかけの応力が小さくなるに従い飲み込み易くなることが示された.しかし, 最もみかけの応力が小さく, 咀嚼時にやわらかいと評価された再構成肉の飲み込み易さは, 0.4mol/l試料肉と同程度であった.再構成肉は4種の試料肉の中で最もおいしくないと評価された.このおいしさの評価が, 再構成肉と0.4mol/l試料肉の肉食塊の飲み込み易さの評価結果に影響を与えているものと推測される.
    (4) 重曹未処理肉と重曹溶液浸漬肉の嚥下終了までの咀嚼回数は, ひずみ0.8 (m/m) におけるみかけの応力が最も小さい再構成肉に比べ有意に少ないことが認められた.また, 最もひずみ0.8 (m/m) におけるみかけの応力が大きい重曹未処理肉の閉口相時間は, 他の試料肉に比べ有意に長く, 最大閉口速度も遅いものとなった.このことより, 重曹未処理肉は, 重曹溶液浸漬肉や再構成肉のような食肉加工品に比べ, 健康有歯顎者にとって, 咀嚼しにくい食肉であることが示された.
    本研究の結果から, 食肉は重曹溶液により軟化処理を施したり, 挽肉を主な原料として再構成肉のように加工することで, 高齢者や義歯装着者にとっても, 咀嚼し易く, 食べ易い, 良質なたんぱく質給源のための食品になることが推測される.
  • 宇都宮 由佳, 益本 仁雄, 大澤 清二
    2003 年 54 巻 5 号 p. 365-376
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    Ongoing research concerning the lifestyle and food eating behavior of children/students has been conducted in northern Thailand since 1997. Three regions, urban Chiang Mai, rural Samoeng, and the mountain village of Bokao, linked together by a life route, have been chosen as survey areas in the present study. A questionnaire survey, hearing, observation, etc. were used to collect data which were analyzed by such statistical methods as correspondence and cross analyses. The regional difference and school grade difference in formal daily meals within the respective regions were examined. Among the urban children/students, a high ratio of missing morning meals, eating midnight snacks, and snack-eating as a substitute for formal meals were observed. Furthermore, morning meals were made the lightest among the three formal meals. Eating alone by children, dining out, and eating bread were also recognized. In the rural area, the traditional manners and customs are still strong, not only in eating behaviors (e.g. eating glutinous rice) but also in other conscious actions. In the mountain village, the highest proportion of meals is eaten among those three areas, and home-cooked dishes are eaten as a family meal. However, the mealtime is the shortest, and it seems that their meals are very frugal. Children/students who miss morning meals often have a high level of irritability. Of those who eat night snacks, many also miss morning meals. Eating bread has recently become more widespread in Thai eating behavior and become very popular in the city. Children/students recognize it a kind of cake. Children/students who usually eat meals alone tend to eat bread, so eating bread might promote 'eating meals alone' in the future.
  • 伊地知 美知子, 小林 茂雄
    2003 年 54 巻 5 号 p. 377-385
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    日本の高齢女性とアメリカ (ホノルル, ロサンゼルス) の日系一・二世の高齢女性を対象に, 日常着の実態, 衣生活等の行動および意識について調査し, 日本とアメリカ間で着装意識と実態を比較検討した.
    (1) 日本, アメリカともにTシャツ, ブラウス, ズボンが代表的な日常着であるが, スカート, セーターは日本に比較してアメリカでは日常着の着用頻度が少ない.
    (2) 日常着の選択基準としては, 動きやすい, 洗濯しやすい, 着脱しやすい, 着心地のよい, 自分で購入したものなどは, 日本, アメリカの両方で上位にあげられた.なお, 日本では明るい色を選択基準として肯定していたのに対して, アメリカでは明るい色よりも地味な色を肯定している傾向にある.
    (3) 日本の高齢女性は日系アメリカの高齢女性に比べて, 「明るい色・柄の服装が好き」「もっと若向きの色・柄・デザインの衣服が欲しい」を肯定していた.これは日本の高齢女性は, もっと若向きの色・柄・デザインの衣服, 明るい色・柄の衣服を着装したいとの欲求が, 現実的には満たされない環境にあるためと推察される.
    (4) 衣生活等の行動および意識について数量化皿類による分析の結果, おしゃれ意識, 衣服の色・柄の嗜好, 市販衣服への不満の3つの軸が抽出された.これらの軸について, 日本と日系アメリカの高齢女性グループ間の関係を平均サンプルスコアにより検討した結果, 日本と日系アメリカの高齢女性グループ問には多くの統計的有意差が認められた.また各軸に対する基本属性の年齢, 同居形態, 職業の有無の要因の対応関係については, 日本の高齢女性の場合には多くの統計的有意差が認められたのに対して, 日系アメリカの高齢女性の場合には統計的有意差は殆ど認められなかった.
  • 中学校技術・家庭科における住教育内容の検討 (第1報)
    立松 麻衣子, 湯川 聰子
    2003 年 54 巻 5 号 p. 387-394
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    This paper aims to examine teaching contents in the province of housing study in home economics education of junior high school. In order to find out where the interest of teachers and students on the province of housing study lies, we researched with the questionnaire that consists of 50 items for dwelling life. The results of the survey are as follows : School lesson is ordinarily based on course of study. In addition, teachers think the need of teaching contents with meeting the needs of the times. Meanwhile, students have little interests in housing study. It should be pointed out, however, that teachers and students alike show more interests in “dwelling sanitation and security, ” “environmental problem, ” “dwelling environment for the aged and the disabled persons” and “town planning.” Students have more interests in “family and privacy” and “interior design, ” too, which is in stark contrasts with the opinions expressed by teachers who base on course of study. The results suggest that there is a need to give second thought about the teaching contents while restructuring the course of study.
  • 大富 あき子, 田島 真理子
    2003 年 54 巻 5 号 p. 395-400
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    現代の女子大学生の食品に対する嗜好と, うま味を含む五基本味の味覚感受性との関連を調べる目的で, 五基本味識別官能検査と嗜好アンケート調査を行い, 次の結果を得た.
    (1) 官能検査の結果, うま味と苦味を互いに誤判定, または蒸留水をうま味または苦味と誤判定する率が高かった.
    (2) 官能検査における味質別の正解数の相関係数より, うま味は, 甘味, 塩味, 酸味とは有意な相関はなかった.またクラスター分析でもうま味は甘味, 塩味, 酸味とは類似していなかった.そこでうま味はこれらの味とは異なる感受性を示すと推察された.
    (3) 官能検査結果よりパネルを識別能力別に二グループに分け, アンケート調査による食品の嗜好性を比較したところ, うま味食品は他の基本味とは異なり, 嗜好性が高いと味覚感受性も高い傾向が見られた.
  • 磯部 由香, 藤本 優子, 成田 美代
    2003 年 54 巻 5 号 p. 401-405
    発行日: 2003/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    (1) フェイジョアの不溶性食物繊維中の非セルロース多糖類は可食部100gあたり1.6g, セルロースは2.9g, リグニンは1.9gであり, これまでに報告のある果実中の含量と比較して, いずれも高い値であった.
    (2) フェイジョアの水中沈定体積は10.6ml/g IDFであり, 可食部100gあたりに換算すると394ml/1009と, ごぼうと同程度のかさ形成能を示した.
    (3) 不溶性食物繊維の機能性に着目し, フェイジョアから調製したIDFについて, 変異原物質の吸着についてHPLCを用いて分析を行った.Trp-P-1, Trp-P-2に対する吸着能は高かったが, IQ, N-ジメチルニトロソアミンに対する吸着能は低かった.また, 不溶性食物繊維の吸着能には, IDFの組成が関与していることが示唆された.
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