日本家政学会誌
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71 巻 , 5 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
報文
  • 田尻 絵里, 重黒木 彩乃, 畑本 陽一, 吉村 英一
    2020 年 71 巻 5 号 p. 269-279
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/29
    ジャーナル フリー

     異なるエネルギーの清涼飲料水の摂取が朝食と1日の食事摂取量に及ぼす影響, および習慣的な身体活動と補償効果の関連を検討することを目的とし, 無作為クロスオーバー試験 (エネルギーのある甘味料入り清涼飲料水 ; sweetener群 (以下, S群) ; 225 kcal vs. エネルギーのない人工甘味料入り清涼飲料水 ; artificial sweetener群 (以下, AS群) ; 0 kcal) を実施した. 対象者は月経後2週間以内の女性16名 (平均21.6±0.5歳) とした. 飲料摂取前, 摂取後0, 20, 40, 60, 120, 150分に血糖測定と主観的食欲を評価し, 飲料摂取後60分に自由摂食の朝食を提供した. 150分以降は自由生活とし, その後1日のエネルギー摂取量を評価した. さらに, 対象者は実験日を除く任意の1週間加速度計付活動量計を装着し習慣的な1日の身体活動を評価した. AS群はS群と比較して朝食摂取前までの血糖値は有意に低かった (p<0.010) が, 朝食後の飲料摂取後120分では有意に高かった (p=0.004). 主観的食欲は飲料摂取後60分のときAS群が有意に高かった (p=0.034). 一方, 飲料のエネルギーを含む朝食及び1日の総エネルギー摂取量はAS群よりS群で有意に高く (p<0.010), エネルギー摂取量の補償効果は認められなかった. 習慣的な身体活動量と補償効果の間には有意な相関関係は認められなかった. 本研究より, 異なるエネルギーの清涼飲料水の摂取は血糖値と主観的食欲に影響するが, その後の食事摂取量には影響しないことが示唆された.

  • 飯島 久美子, 郡山 貴子, 香西 みどり
    2020 年 71 巻 5 号 p. 280-288
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/29
    ジャーナル フリー

     本研究ではムクナ豆の歴史を調査し, 江戸時代の古文書である「新刊多識編」, 「本朝食艦」, 「大和本草」, 「本草綱目 啓蒙巻之二十」, 「和漢三才図会」にムクナ豆 (八升豆) に関する記載を確認した. 「和漢三才図会」に記載された調理法の「黒汁を取り去り」に着目し, 褐変について検討した. 未熟豆の切断の場合, ポリフェノールとポリフェノールオキシダーゼと酸素が同時に存在するために速やかな反応が見られた. 温熱水浸漬では, 空気中より穏やかな褐変反応であり, これは浸漬液中の溶存酸素の量や浸漬温度や溶出物質, ムクナ豆に含まれる酵素の至適温度などが関与すると考えられる. ムクナ豆の調理時に浸漬液や浸漬豆が黒くなった場合は, L-DOPA量が減少しているが, L-DOPAの一部であって全量ではないことが明らかになった.

  • 宮本 雅子, 井上 容子, 國嶋 道子, 池上 陽子
    2020 年 71 巻 5 号 p. 289-301
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/29
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は, 関西地方における住宅照明の実態をとらえることである. 本報告では, 居間での行為と水平面照度, 消費電力との関わりについて検討した. 特に, 照明の点灯パターン数に注目した分析を行った. その結果以下について明らかになった.

     点灯パターン数が1のみの居住者は52.7%で, 行為による照明の変更を居住者の半数以上が行っていない.

     各行為時の平均水平面照度の差は少ない.

     視作業は, 同じ点灯パターンで行われている割合が高い.

     点灯パターン数が1つのみの場合が, ほとんどの行為において消費電力が最も少ない傾向がみられる.

     以上から, 行為による点灯パターンの変更が必ずしも省エネルギーに結びついていないという結果が得られた.

ノート
  • 鶴永 陽子, 斉藤 真苗, 門脇 正行
    2020 年 71 巻 5 号 p. 302-309
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/29
    ジャーナル フリー

     サツマイモ葉や葉柄を野菜として使用する場合, 夏場に収穫することが多い. しかしながら, 塊根部分は10~11月に収穫するため茎葉のみ夏場に収穫するのは効率が悪い. そこで, ‘安納こがね’, ‘安納紅’, ‘べにはるか’の3品種を用い, 8月と11月に葉と葉柄を採取し, それぞれの葉柄長, 葉身の太さ, 色調, ポリフェノール, ラジカル捕捉活性を比較した. また, 葉柄の物性について加熱処理を施した場合についても検討した. その結果, 葉柄長は11月のほうが8月に採取したものよりも長かった. また, 11月に採取しても, 8月と比較して遜色ない色調や物性を保持していることが明らかになった. さらに, サツマイモの葉と葉柄は採取時期に関係なくポリフェノール含量ならびに抗酸化性の高い食材であった. 葉柄に加熱処理を行うと, いずれの加熱方法においても柔らかくなった. 以上のことから, 塊根部分の採取と同時期の11月に採取したサツマイモの葉と葉柄の品質は, 8月のものと同等, もしくは優れていることが分かった.

  • 孫 珠煕 (孫 珠熙)
    2020 年 71 巻 5 号 p. 310-323
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/29
    ジャーナル フリー

     本研究では和文化体験と温泉地域の活性化を促すため, 若者・中高年層の男性250名を対象に, 『温泉宿の選択基準 (21項目)』と『温泉浴衣の着装行動 (35項目)』・浴衣の嗜好 (12種) を検討した.

     『温泉宿の選択基準』は「施設 (建物・知名度)」, 「接客・雰囲気」, 「露天風呂・景観」, 「観光・交通」の4因子が得られた. 評定平均値が高い項目は「食事のおいしさ」>「宿の雰囲気」>「景観」>「価格」の順でであった. この順位は若年層と中高年層で同じである.

     『温泉浴衣の着装行動』は「気分の高揚」, 「外国人・和文化体験」, 「印象評価」, 「癒し」の4因子が得られた. 若年層は「外国人・和文化体験」因子の6項目に評定平均値が高く, 高年層は「癒し」因子の3項目に評定平均値が高かった. また, 若年層は「浴衣を着ると大人っぽく見える」と答えており, 中高年層と有意差がみられた (p<0.001). 男性全体では浴衣の色は落ち着いた色を好んでいた.

     男性用の温泉浴衣12種を2次元の軸「現代的-古典的」, 「単色・小柄-多色・大柄」に可視化した. 男性全体には「現代的で多色・大柄」の温泉浴衣が好まれた.

シリーズ くらしの最前線 131
シリーズ 研究の動向 46
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