日本家政学会誌
Online ISSN : 1882-0352
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73 巻, 3 号
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報文
  • 山岸 あづみ, 青江 誠一郎
    2022 年 73 巻 3 号 p. 125-135
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/13
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     各種昆布, 昆布加工品および, ひじきが食餌性肥満モデルマウスのメタボリックシンドローム関連指標に及ぼす影響について検討した. C57BL/6Jの雄性マウスを5群に分け, 高脂肪食に総食物繊維が5%になるようにセルロース (CO群), 日高昆布 (HI群), ガゴメ昆布 (GA群), とろろ昆布 (TR群), ひじき (HJ群) を添加した飼料を用いて10週間飼育した. その結果, HI群, TR群, HJ群は腹腔内脂肪組織重量がCO群に比べて有意に低下した. また, TR群は血清総コレステロールとトリグリセリド濃度, 肝臓脂質量がCO群に比べて有意に低かった. HI群とGA群で腹腔内脂肪組織重量, 血清脂質濃度に有意差はなかった. 本結果から, 昆布摂取によるメタボリックシンドローム関連指標への影響は, 構成する食物繊維の組成や量よりも昆布の調理加工の関与が高いことが示唆された.

  • 筒浦 さとみ, 西海 理之, 村田 容常
    2022 年 73 巻 3 号 p. 136-148
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/13
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     本研究では, 実用的な手段を使用してにぎり飯または米飯における黄色ブドウ球菌エンテロトキシンA (SEA) の産生を抑制することを目的とし, 黄色ブドウ球菌の増殖とSEAの産生に対する初発菌数及びpH調整の影響を調べた. 複数の黄色ブドウ球菌SEA産生株をにぎり飯または米飯にそれぞれ接種して保存し, 菌数とSEA産生量を測定した. 15~37℃で保存した際にはにぎり飯と米飯のSEA産生量に差がなかった. 保存初期には, pH 4.0及びpH 4.5に調整した米飯ではSEA産生が抑制された. 菌による初期汚染の減少とpH調整により米飯保存時の黄色ブドウ球菌の増殖とSEAの産生を効果的に抑制できることが示唆された.

  • ―入居者の戸外空間利用に着目して―
    山崎 陽菜, 山崎 さゆり
    2022 年 73 巻 3 号 p. 149-163
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/13
    ジャーナル フリー

     高齢や障害によって要介護状態となり施設に入居することになっても, 可能な限りの自律的生活を支えるためには, いつ・どこで・誰と・何をして過ごすかといった生活行動の選択性が確保され, それが実現できる空間構成でなければならない.

     本研究は, 特別養護老人ホームの建物・敷地内における入居者の生活空間において, 入居者の自律的生活を支援する上での課題を明らかにする.

     研究方法は, まず全国の特養を対象とするアンケート調査により特養入居者の生活空間の概要を把握し, その後, 16事例に対する実地調査の結果について, 戸外空間の利用状況, および居室から戸外までの移動経路上の施錠有無の両側面から考察し空間利用の実態を把握した.

     結果を分析し, 以下の3点にまとめた.

    ①居室の扉と鍵の開閉状態を入居者が選択でき, 緊急事態にも即座に対応できる環境を整備する.

    ②戸外空間は入居者の自由な出入りを前提として計画すること

     庭・中庭等は, 戸外空間と居住階は同一階に配置する, 隣接する他施設等の敷地利用の可能性を含めた計画とすること.

     バルコニーは, 入居者が過ごすことを前提とした幅, 手すりの形態, 出入り口段差の解消などにより利用の機会が増加する.

    ③入居者を見守りしやすい空間構成とすること

     入居者が建物内外を自由に行き来しても, 職員が見守りやすい室空間配置とし, 玄関から敷地外まで一定の移動距離をもたせること.

資料
  • 筒浦 さとみ, 山口 智子, 春日 景太, 平井 奈実, 石黒 志実, 寒河江 侑加, 鈴木 雅史, 忍田 真一朗, 小嶋 優常, 大谷 真 ...
    2022 年 73 巻 3 号 p. 164-172
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/13
    ジャーナル フリー

     本研究では, 新潟砂丘さつまいも“いもジェンヌ”を用いて製造されたサツマイモペーストについて, 冷蔵及び常温で長期保存した際の品質変化を明らかにすることを目的とした. サツマイモペーストを加熱殺菌後, 冷蔵 (10℃) 及び常温 (25℃) で6ヶ月間保存し, 水分含量, pH, 糖度, 糖含量, 色調及び物性を測定するとともに, 微生物試験及び官能評価により, その品質を安全性, 食味の観点から調べた. 常温保存では1ヶ月後には微生物が増殖し, 3ヶ月後には色調が大きく変化した. 冷蔵保存では3ヶ月後から色調に変化がみられたが, 6ヶ月保存後にも微生物は検出されず, 水分含量, pH, 糖度に有意な変化はなかった. 食味は冷蔵保存1ヶ月後の味, 食感及び総合評価が, 基準とした冷凍保存に比べて有意に良好であった. 3ヶ月後では全体的に評価が低下したが, それでも冷凍保存とほぼ同等であり, 冷蔵保存中の色調, 糖含量及び物性の変化は, 必ずしも食味の低下を示すものではなかった. これらの結果から, 本研究条件では, サツマイモペーストの常温での長期保存は難しいが, 利用しやすい冷蔵保存では, その品質が3ヶ月程度保持されることが示唆された.

シリーズ 研究の動向 62
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