日本家政学会誌
Online ISSN : 1882-0352
Print ISSN : 0913-5227
ISSN-L : 0913-5227
最新号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
報文
  • 小林 麻貴, 浦下 亞美, 大澤 葵, 川石 晏里佐, 佐藤 菜桜, 中西 茉奈, 松本 萌華, 宮正 愛望, 伊藤 裕美
    2022 年 73 巻 4 号 p. 187-198
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/13
    ジャーナル フリー

     和食文化の伝承を推進していくためには, 幼少の頃から行事食を経験することが必要であると考え, 兵庫県内の保育所 (園) での行事食の継承への取り組み状況, 管理栄養士・栄養士配置の有無との関連および地域での取り組み状況について研究した.

     保育所 (園) では, 「正月」, 「節分」, 「桃の節句」, 「七夕」, 「クリスマス」の行事食の実施率が高かった. 一方で, 「土用の丑」, 「大晦日」の行事食の実施率が低かった. また, 都市部では, 行事食の実施率が低かった. さらに, 管理栄養士・栄養士が配置されている園の方が, 行事食に対する取り組みが積極的であることが明らかとなった. 以上のことから, 管理栄養士・栄養士が積極的に行事食を食する機会を設けることで, 保育所 (園) での行事食の継承への取り組みを活発化し, 日本人の伝統的な食文化を次世代に伝える機会にすることができると考える.

  • 塚崎 舞, 森田 みゆき, 米山 雄二
    2022 年 73 巻 4 号 p. 199-205
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/13
    ジャーナル フリー

     繊維基質に付着したタンパク質を直接定量する方法を, BCA反応を利用して検討した. 試験布に布湿潤水, タンパク質 (ウシ血清アルブミン) 溶液, BCA溶液を添加し, その試験布をポリエチレン製シートで挟み, 空気との接触を避けた. 所定時間後, 試験片の表面反射率をシートの上から測定し, BCA反応による紫色の着色度合いを把握した. 2.5 cm×2.5 cm綿布片上でのBCA反応は, 25℃, 水8.0 μL/cm2, タンパク質溶液4.8 μL/cm2, C液16 μL/cm2の条件下で十分に反応することがわかった. さらに, タンパク質濃度0.96~14 μg/cm2の範囲と表面反射率から得られたK/S値の検量線は, 相関係数R2=0.9974であり, 良好な直線性を示した. 従来法と異なり, 検量線の傾きが大きいため感度の良い定量が可能となった.

  • 森 俊夫, 石田 実紅, 國見 圭奈子, 嘉陽 美智, 淺海 真弓
    2022 年 73 巻 4 号 p. 206-211
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/13
    ジャーナル フリー

     CIEL*a*b*均等色空間を利用した画像解析が天然染料と合成染料で染めた布の色彩的特徴の評価に適用された. これらの染色布の測色が市販のカラースキャナで行われた. 画像内の各画素 (i, j) に対してCIEカラーシステムのL*, a*, b*, C*およびhが色彩特徴量として求められた. すべての画素に対するL*, C*およびhの平均値 (AVE-L*, AVE-C*およびAVE-h) および各色彩特徴量の標準偏差値が求められた. AI技術を用いた高性能なニューロトレーニングアルゴリズムが導入され, 評価システムの記述を最も精度良くするようにネットワークを調整する目的で順伝播型ニューラルネットが適用され, 天然染料と合成染料で染めた布は, 完全に判別することができた. さらに画像認識に基づいた畳み込みニューラルネットワークによる染色布の判別を試みたところ, 非常に高い精度で判別が実行可能であることが示された.

ノート
  • 稲葉 洋美, 永桶 久美子, 小日向 桃香, 阿部 菜生, 佐野 翠, 平松 采弓, 海和 美咲, 澁谷 顕一
    2022 年 73 巻 4 号 p. 212-217
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/05/13
    ジャーナル フリー

     ヒトの摂食量は一緒に食べるヒトの影響を受けることが知られている. また, 共食者が不在でも他者の摂食量情報に影響を受けることが知られている. 本研究では摂食量は, 他者の摂食量情報よりも実在の食を共にする人の摂食量に強く影響を受けるとの仮説を検証することとした.

     健康成人女性16名に嗜好調査というカバーストーリーのもと4条件でスナック菓子を4分間好きなだけ食べてもらった. 同席者なし条件と同席者あり条件にそれぞれ大食または少食情報を組み合わせた. 大食情報とは他の人は平均14枚スナックを食べたとの情報であり, 少食情報とは他の人は平均4枚食べたという情報とした. 同席者に常に9枚食べるよう依頼した. 嗜好調査後, 各条件での摂食枚数を求めた.

     一般化線形混合モデルを用いて解析を行った. 摂食量は同席者なし条件 (11.0±5.9枚) と同席者あり条件 (12.8±7.3枚) 間 (F=3.089, p=0.086) および大食条件 (12.1±6.0枚) と少食条件 (11.7±7.3枚) 間 (F=0.161, p=0.690) でも主効果に有意差は認められなかったが交互作用が認められた. 少食条件の場合と異なり, 大食条件では同席者の摂食量の影響を受け, 同席者がいる場合, 摂食量は抑制された. したがって, 本研究は抑制的規範説を支持したと考える.

シリーズ 研究の動向 63
feedback
Top