抽出条件を変えて、調整した鰹節煮出汁の核酸組成を調べ、溶出された5'-IMP量と煮出汁抽出の条件との関連性について検討した結果を要約すると次の通りである。
1. 煮出汁に溶出されるN量とP量には関連性がないが、P量の多い煮出汁には5'-IMP量も比較的多量に存在する傾向がある。
2. 60℃、80℃、100℃の何れの温度でも5'-IMP量は殆んど差異が認められなかった。尚、5'-IMP量は100℃、10分の加熱時に於いて最高であった。
3. 吸物用としては60℃ 5分浸漬する抽出法が、官能試験結果及び5'-IMP量よりも適当であることが明らかになった。
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