家政学雑誌
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18 巻, 4 号
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  • 渥美 令子, 今泉 廣子
    1967 年 18 巻 4 号 p. 203-206
    発行日: 1967/08/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    (1) 鶏骨を水とともに煮沸してスープをとり、官能試験を行なうとともに、抽出された窒素化合物と糖類の量の変化を経時的に追跡した。
    (2) スープは、時間経過に従い、色はわずかに褐色化し、 3 時間煮沸すると、鶏臭がやわらぎ、味も丸味を帯びてくる。
    (3) 窒素化合物は、時間経過に従って増加し、過塩素酸可溶性窒素化合物も同様な傾向を示した。
    (4) 全糖は、加熱によってスープへの移行が急速に増加し、還元糖は、3 時間以上加熱すると減少する。
    (5) 薄層クロマトグラフ法によって、ブドー糖、蔗糖、麦芽糖を検出した。
  • たくあんのアミノ酸含量について
    矢吹 ユキ
    1967 年 18 巻 4 号 p. 207-208
    発行日: 1967/08/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1 たくあんの遊離アミノ酸についてペーパークロマトグラフィーによる定性を行なった。
    2 Awaparaのペーパークロマトグラフィーを用いる呈色班点抽出法によってアミノ酸の定量を行なった。
    3 その結果、10数種類のアミノ酸がみとめられた。
  • ずわいがにの呈味成分について
    武 恒子, 吉村 洋子, 大塚 一止
    1967 年 18 巻 4 号 p. 209-212
    発行日: 1967/08/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    ずわいがにの呈味性の試験結果を下記に要約する。
    1. 核酸関連物質としてアデニン、アデノシン、イノシン、ヒポキサンチン、アデニル酸が認められたが、これらはずわいがにのうま味の主成分ではない。
    2. 有機酸類としてピログルタミン酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸の存在を確認したが、これらもずわいがにのうま味を決定する成分ではない。
    3. アミノ酸類としては肉質部ではアルギニン、グリシン、バリン、アラニン、内臓部ではバリン、リジン、アルギニン、グリシンを主体としてその他グルタミン酸および他のアミノ酸が含有されており、ずわいがにの呈味主成分をなす。
    4. 合成品の呈味はずわいがにの呈味ときわめて類似しており、うま味を再現することができた。
  • 蔗糖に対する食塩の味覚に及ぼす影響
    小野 小夜子, 菅原 すみ, 松元 文子
    1967 年 18 巻 4 号 p. 213-216
    発行日: 1967/08/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1. 蔗糖に対する食塩の相剰性による効果と嗜好性との関連に立脚点をおいて検討した結果、次の結論を得た。第1段階として、パネルについて、本実験に必要な甘味液につき、味の判別能力の涵養をし、信頼性の低いパネルを除外して本実験を行った。
    2. 液状のもの、殊に紅茶およびココアについて、食塩添加をする傾向は、日本では少ないものと思われる。一方、米国産においては、食塩添加をするよう指示されている。そこで、この問題について取上げ検討を行った。すなわち、食塩無添加を標準試料とし、これに対し、食塩添加数段階によるものを変化試料として、2点識別試験法および2点嗜好試験法によって、製品の甘味と嗜好を判定した。その結果は、蔗糖に食塩を添加することにより甘味は増加する。しかし、嗜好的には食塩添加いずれの場合にも好まれないことが、0.1%、 5%の水準で有意であることが確認された。
    3. 固形のものについては水羊羮を選び、蔗糖濃度並びに食塩添加量を変化条件とした。検定の方法には、Schefféの一対比較法を用いて、製品の甘味・嗜好を検討した。その結果は、液状のものと異なる傾向を示している。すなわち、食塩添加量0.3%については、蔗糖濃度いずれの場合にも好まれることが、1% ・ 5%水準で有意であることが認められた。
    水羊羮のかたさについて測定の結果、蔗糖濃度とかたさとの間に相関々係のあることが確認された。この結果は松元・風間の報告と一致している。
    加えて、蔗糖濃度と食塩添加量との間に相関々係のあることが明らかとなった。従って、このことは一般にお汁粉および水羊羮に食塩添加をすることが、蔗糖に対する食塩の相剰性と味覚に及ぼす微妙な効果をもたらすものと判断される。なお、嗜好の変化点は食塩添加量1%付近と考えられる。
  • 吉光 弘枝, 高見 国栄, 松元 文子
    1967 年 18 巻 4 号 p. 217-220
    発行日: 1967/08/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1. 生大根を調理するに際し調理目的に応じた形態に切断後、食塩を加えるのは脱水させて軟化したり、味を付けたりの目的にあることは周知の通りである。脱水においては食塩濃度の高低よりも食塩自体の浸透性が極めて大であるため、本実験のような濃厚食塩の場合は大根細胞の半透性による脱水現象よりも食塩の拡散現象の影響が大きいので食塩濃度による脱水は殆んどちがわないが吸塩量は添加食塩量と比例的である。
    2. 調理において生大根を切断した後水につけて用いる効果は吸水によるものであることは明らかで、その際の水温はある程度高い方が効果的である。
    3. 古来、日本料理で “むきもの” と称されて行われる調理技術では食塩が野菜の軟化に使用されているが、本実験から大根の場合、細工の後の賦活には表面の細胞は脱水の現象があっても内層部の細胞は生細胞としての作用が継続している事が必要である。その為には使用食塩量は5%以内にし細工時間は10分以内にするとよい成績が得られる。但し、この時間は大根の形態、大きさによって違う事を考慮しなければならない。
    4. 脱水方法が加塩によるのと乾燥による大根では脱水量が同程度でも復元性は乾燥によるものが大きい。また乾燥度の高いほど最終吸水量の割合は大きいが、生の時の重量には達しえなくなる。
    5. 沢庵漬に使用する糠や迎え水は嗜好的に要求される最終水分の調整の面から重要な役割を果すために、従来から乾燥の度合に応じて増減している。また、漬け物をする場合に材料に物理的作用を加えうことはつかり易さに効果があるようである 。一般に漬け物における重石や、漬け換えの効果もこの辺りにあるものと思われる。
    6.乾燥大根の甘みは脱水による成分の濃緒であることに疑はない。市販の切干大根原料には、甘味の多い宮重系、方領系の品種が推奨されている。
  • 家系間と日間の差 (春の成績)
    佐原 昊, 飯塚 宣子, 高橋 衛, 後藤 信男
    1967 年 18 巻 4 号 p. 221-224
    発行日: 1967/08/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    会津地方の、主として農家からなる16家系91家庭のみそ汁中の食塩濃度、全窒素量ならびに糖量を測定しつぎの結果を得た。
    1) 食塩濃度、糖量については家系間に差を認めたか全窒素量については差が認められなかった。全窒素量のみに家系問の差がみられなかったのは、みそ汁中のこの含量が極めて僅少であって、「だし」に由来する窒素分の影響をうけやすく、ために各家系の特徴が消去されたのではないかと考えられた。
    2) 日々によるこれら成分の変動は認められなかった。すなわち、各家では各調査日とも同じような成分のみそ汁を飲んでいることがわかった。
    3) 家系と調査日との交互作用は有意でなかった。
  • 真空時におけるふくらみ量の変化
    竹中 はる子, 南沢 明子
    1967 年 18 巻 4 号 p. 225-228
    発行日: 1967/08/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 引張り試験による袖付の効果について
    山田 令子
    1967 年 18 巻 4 号 p. 229-232
    発行日: 1967/08/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 単位ギャザの解析について
    豊間 和子
    1967 年 18 巻 4 号 p. 233-237
    発行日: 1967/08/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • ギャザ効果について
    豊間 和子
    1967 年 18 巻 4 号 p. 238-242
    発行日: 1967/08/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 福島県における某中学生の計測結果
    高橋 キヨ子, 雁部 愛, 松浦 悠紀子, 甲野藤 ウタ
    1967 年 18 巻 4 号 p. 243-246
    発行日: 1967/08/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 福島県における某高校生の計測結果
    高橋 キヨ子, 雁部 愛, 甲野藤 ウタ, 松浦 悠紀子
    1967 年 18 巻 4 号 p. 247-250
    発行日: 1967/08/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 鶴岡八幡宮の御神宝の装束について (第 3 報)
    栗原 澄子
    1967 年 18 巻 4 号 p. 251-258
    発行日: 1967/08/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 塵埃の飛散と涼しさについて (第 4 報) 官能検査による涼しさの測定
    金子 幸子
    1967 年 18 巻 4 号 p. 259-263
    発行日: 1967/08/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1. 各測定位置における涼しさの時間的経過についてみると、固定の場合には 8 分間に次第に涼しさを減じていき、この傾向は、扇風機の正面の位置において扇風機より遠距離になる程強く、扇風機の軸中心より外側の位置程、時間経過による涼しさの減少度は小である。首振りの場合には固定の場合よりも、概して 8 分間における涼しさの減少度は小である。
    2. 各測定位置における 8 分間の体感の平均をもって (イ) 、 (ロ) 、 (ハ) の位置別に距離による涼しさの変化をみると、固定、首振りの両者とも、扇風機の正面の位置では遠距離になるにつれて涼しさが減少するが、扇風機の中心より 60cm および 120cm 外側の位置では、 1.5m の距離において最も涼しく感ずる。
    3. 同じく距離別に (イ) 、 (ロ) 、 (ハ) の位置の変化による涼しさの減少度をみると、固定の場合には各距離とも、 (イ) の位置に最も涼しく、ついで (ロ) 、 (ハ) の順、即ち扇風機の中心より外側の位置になる程涼しさを減じていく。首振りの場合は 0.5m の距離のみ (イ) の位置が最も涼しく、ついで (ロ) 、 (ハ) の順であるが、固定の場合と比較して、遠距離程位置の変化による涼しさの減少度は僅少であり、2.0m の距離では、位置の変化による涼しさの差はほとんど見られない。
    4. 固定の場合と首振りの場合の涼しさについて比較すると、扇風機の正面の位置では、各距離を通じて固定の場合の方が首振りの場合よりも非常に涼しく感ずるが扇風機の中心より 60cm 外側の位置では、固定の場合の涼しさが減少するので両者は大差がなく、更に 60cm 外側の位置では、逆に首振りの場合よりも固定の場合の方が暑く感じ、両者の体感の差は開いてくる。
    5. 固定の場合と首振りの場合の両者について行なった 12 ヵ所の測定位置のうちで、最も涼しく感じた位置は両者とも、扇風機の正面の 0.5m の距離の位置であり、最も暑く感じたのは両者とも、扇風機の中心より 120cm 外側の位置であるが、固定の場合は 1.0m 、首振りの場合は 0.5m の距離における位置である。
    6. 以上の測定結果より、涼しさを得るために今回の実験で使用した扇風機の効果についていえば次のようである。即ち室温 31.5℃~-37.1℃、湿度 53.5%~64.5% の室内においては、翼径 30cm 、コンデンサーモーター30W の扇風機では全速回転した場合でも、涼しく感ずるのは、扇風機の軸を固定した場合は扇風機の正面の位置で軸前方 0.5m~2.0m の距離と、扇風機の中心より右側に 60cm 離れた線上で 1.5m の距離の位置であり、また首振りの場合には扇風機の正面で 0.5m の距離の位置である。その他の位置では、風を受けない場合の暑さをやや減少させる程度に過ぎない。
  • 母親と子供との働きかけ時間 (第 1 報) その1 奈良市農業世帯の場合
    砂田 孝子, 北村 君
    1967 年 18 巻 4 号 p. 264-267
    発行日: 1967/08/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 婚姻届にあらわれた再婚者の実態 (第2報) 名古屋市における調査
    久武 綾子
    1967 年 18 巻 4 号 p. 268-271
    発行日: 1967/08/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    上記の調査地域、調査期間において、
    1) 再婚者の婚姻関係は、夫が再婚で妻が初婚の場合が約半数をしめ、夫妻とも再婚の場合は30~35%で、夫が初婚で妻が再婚の場合は15%前後を示すようである。
    2) 再婚率は、全国平均と同様、逐年その率が減り、昭和25年の20%から昭和39年は11%に漸減している。
    3) 前婚解消より挙式が先行する標本は、昭和25年~34年の平均は約3.8%で、年次的推移は消長がはげしくてその傾向はつかみ難い。
    4) 前婚解消より挙式が先行するのは、届出婚主義による婚姻法と実生活との乖離が統計結果にあらわれたものにほかならない。
    5) 前婚解消より挙式が先行するのは、職業別にみると単純労働者、技能工にやや高いようで、地域差として港区にその率が高く、中区に低い。
  • 婚姻届にあらわれた再婚者の実態 (第3報) 名古屋市における調査
    久武 綾子
    1967 年 18 巻 4 号 p. 272-276
    発行日: 1967/08/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    名古屋市の調査3区、昭和25年~34年、39年において
    1) 同一人同士の再婚は年次的推移の傾向はわからないが、昭和25年~34年を平均すると約6.5%あった。
    2) 同一人同士の再婚のなかには、改氏手続の便法のためや、債務を免れるためなどのような仮装離婚と推測される場合もあるが、よりが戻った場合もあり、届出婚主義による婚姻法の問題点が多く含まれる。
    3) 同一人同士の再婚のうち、改氏手続の便法のためのものは、ひとびとの意識のなかに、民のもつある機能が作用したものも含まれるのではなかろうか。
    4) 改氏手続の便法をとることは、氏に関する学説はともかく、家の名から個人の呼称への過渡的な現象であって、これは漸減するものであろう。
    5) よりが戻った場合の復籍は、一般に親子関係の面からみて望ましいものであるが、前婚を解消に到らしめる前に家族緊張を調整する方法が講じられればと思う。
    6) 同一人同士の再婚は、単純労働者、技能工にいくぶん多いようにみられるが、復籍の事由が不明の標本が多いので、職業との関係はあまり重要ではないように思われる。
    7) 同一人同士の再婚は、協議によって離婚が成立する離婚制度の弊害と、届出によって婚姻が成立する婚姻制度の簡易さがそうせしめたものにほかならず、けだし、わが国の婚姻法、離婚法の利害得失である。
  • 家政学原論への一接近
    今井 光映
    1967 年 18 巻 4 号 p. 277-283
    発行日: 1967/08/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
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