家政学雑誌
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34 巻, 3 号
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  • 赤沢 典子
    1983 年 34 巻 3 号 p. 133-139
    発行日: 1983/03/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    VE投与およびVE欠乏ラットに, コーンオイル, リノール酸, 魚油を投与し, 溶血率, 血清のトコフェロール量, 血液および組織の過酸化脂質の蓄積と組織とくに肝臓におけるPAS陽性穎粒, リポフスチンの出現について検討し次の結論を得た.
    1) VE欠乏ラットにリノール酸または魚油を10%投与すると発育が著しく遅滞した.
    2) 血清トコフェロール量はVEを投与しても, リノール酸および魚油投与によって減少した.VE欠乏群ではさらに著しく減少し, 痕跡的な値を示した.
    3) 血中の過酸化脂質は魚油の投与によって有意に増加した.VE欠乏群ではさらに増加し, とくに魚油を投与したものでは顕著であった, 肝臓や心臓の過酸化脂質はリノール酸や, 魚油投与によって増加したが, 魚油を投与したVE欠乏ラットではとくに著しく増加した.
    4) 魚油を投与したラットの肝臓は軽度の脂肪肝を呈した.VE欠乏ラットにリノール酸や魚油を投与した場合, 肝臓は高度の脂肪肝を呈し, 肝細胞内には多量のリポフスチンが蓄積し, また変性萎縮した肝細胞が小葉の周辺部に多数出現した.また肝細胞内にパーオキシゾームが増加した.
    5) VE欠乏ラットでは精巣は退行変性を示すものや筋ジスト導フィー様の病変を示すものが認められた。
  • 米ならびに米デンプンの調理科学的研究 (第4報)
    庄司 一郎, 倉沢 文夫
    1983 年 34 巻 3 号 p. 140-147
    発行日: 1983/03/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    もち, うるち米デンプンに対して米, 小麦タンパク質, 米油を添加し, 米デンプンの膨潤に対する影響をアミログラフィーでおもに検討し, 次の結果を得た.
    1) もち, うるち米デンプンに米タンパク質を 3, 5%添加したところ, もち, うるち米デンプンとも最高粘度が低下し, とくにうるち米デンプンでその傾向が強くみられ, 米タンパク質が米デンプンの膨潤をかなり阻止する力があることを示した.他方, 小麦タンパク質5, 9%添加では米タンパク質より添加量が多いにもかかわらず米タンパク質のような極端な膨潤阻止作用はみられなかった.
    2) もち, うるち米デンプンに米油を0.8, 1.6%添加したところ, 米タンパク質ほどではないがもち, うるち米デンプンとも最高粘度が低下し, 米デンプンの膨潤阻止に対してはタンパク質以外に脂質も関係していることが推測された.
  • 曾根原 直子
    1983 年 34 巻 3 号 p. 148-152
    発行日: 1983/03/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    ビワ果肉のビン詰は, クエン酸またはレアスコルビン酸, あるいは両者を添加した25%ショ糖シラップを用いて, 冷肉詰法で作り, 直射日光を受けない恒温庫内20℃に貯蔵した.そして経時的にビワ果肉の色調の変化を観察し, 並行して色およびカロチノイドの測定を行った.
    クエン酸はビン詰ビワ果肉の色の安定化にほとんど効果がなく, L-アスコルビン酸は色調の維持に優れた効果が認められた.しかしクエン酸とL-アスコルビン酸を混合添加した場合は色調的にも, 味覚的にもより優れた効果があった.
    色調の安定した果肉中には, 生果の全カロチノイド量の70~80%が残存し, その主成分はβ-カロチンであった.
  • 津久井 亜紀夫, 桑野 和民, 三田村 敏男
    1983 年 34 巻 3 号 p. 153-159
    発行日: 1983/03/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    紫色甘藷塊根 (Yen 217) から, TLCとPPCにより6種類のAnを分離した。このうち主要An P2を単離精製して, (1) 可視部, 紫外部の吸収スペクトルの測定, (2) 1N塩酸および10%酢酸による加水分解, (3) 15%水酸化バリウムによる加水分解, (4) β-Fuによる酵素分解, (5) 部分加水分解, (6) メチル化分析等の結果からP2の精製Anはシアニジン- (3, 6) -α-D-グルコピラノシルー (1, 2) -β-D-フルクトフラノシド : - (5, 1) -α-D-キシコシドに, フェルラ酸とコーヒー酸が1モルずつ結合している構造と推定した.
  • 齋藤 昌子, 赤川 直亮
    1983 年 34 巻 3 号 p. 160-166
    発行日: 1983/03/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    The effects of non-woven fusible interlinings on the water resistance of raincoat cloths are discussed.
    The factors thought to affect the water resistance, i.e., the kind of material of adherent resin, volume and number of dotts of the resin, the fiber composition of interlining and the presence of water repellent finish, were examined.
    Shower test (Bundesman test) and water leakness test were done on the raincoat cloths adhered with various non-woven fusible interlinings.
    The water resistance of the cloths were much affected by the property of interlinings used.
    It was found that the primary factor was the presence of water repellent finish and the secondary factors were the kind of material of adherent resin and the fiber composition of interlining. The volume and the number of dotts of adherent resin had little effect.
    Decrease in water resistance of raincoat cloth by the adhesion of non-woven fusible interlining was found to be caused by the adherent resin which draws water through the raincoat cloths and the interlining which absorb the water.
  • スカートの種類や製作の仕方の違いによる傾向
    大地 昭子
    1983 年 34 巻 3 号 p. 167-175
    発行日: 1983/03/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    スカートが歩行中に帯電のために足にまつわりつくことは不快を感ずるばかりでなく, 外観上も好ましくない.
    これを防止するための被服製作上の問題点を検討する目的で, 種々のスカートを製作して歩行中の帯電電位を測定し, 次の結論を得た.
    1) スカートの種類の影響
    歩行中のスカートの裾付近の表面の帯電電位は, 側面と前面が後面に比べて増え方が速く, 平衡帯電電位も高くなるが, 裾幅が狭いものや, ひだがあるものは, 裾幅が広いものや, 裾幅は狭くても歩行中に裾が割れるものよりも帯電電位の増え方が速く, 平衡帯電電位も高くなる.また, 裾回り寸法が同寸の場合, 前にひだがあるスカートは, 前面と側面において, 後にひだがあるスカー歩行時におけるスカート表面の帯電の傾向についてトよりも高くなる.
    2) 裏地の影響
    表地ポリエステルに, 裏地キュプラまたはポリエステルをつけたものは, 裏なしのものに比べて帯電電位の増え方が緩やかで, 平衡帯電電位が低い.
    また, ひだスカートに裏地をつける場合は, 表地と裏地とを重ね合わせて一緒にひだを折りたたむ方法が最も帯電が少ない.
    3) ナイロンストッキングの着用の影響
    ポリエステルのスカートは, ナイロンストッキング着用時には, 素足の場合に比べて帯電電位の増え方が速く, 平衡帯電電位も高くなる.
    4) まつわりつき状態の傾向
    まつわりつきが生ずる場合には, 次の傾向がある.
    まつわりつきは, 素足の場合には少なく, ナイロンストッキング着用時に多い。また, 前面や側面の帯電電位が高くなる種類のものは, まつわりつきが多い.
    裏地をつけるとまつわりつきが減少し, 裏地としては, ポリエステルよりキュプラのほうが効果的である.
    以上まとめると, スカートの帯電を少なくするためには, 表地と足との接触を少なくし, できるだけ摩擦を避けることが必要である, すなわち, 裾幅を広くし, ひだは後にとり, 裏地をつけたほうがよい.さらに裏地には親水性繊維を用い, ひだの部分は表地と一緒に折りたたむことがよいと考えられる.
  • 宮内 秀和, 那須野 昭文
    1983 年 34 巻 3 号 p. 176-182
    発行日: 1983/03/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    A new technique to measure the tension on clothing was established using a detector produced by way of trial. The detector is made up of a small clip, and a strain gauge is cemented on the elastic metal surface of the clip. The detector is small in size, light in weight and sensitive to the given force. The relationship between input force and response voltage of the detector was almost linear and repeatable.
    From the results of measurement at various conditions the appropriate conditions for using the detector were discussed. It was confirmed that this method is very useful for the direct measurement of the dynamic tension on clothing induced by body motions. Moreover, this method made it possible to know the distributions of tension on clothing and the distributions of clothing pressure on the human body.
  • 和服着装時における形状変化の測定法の一提案 (第1報)
    石井 照子, 野田 伊都子, 大野 静枝
    1983 年 34 巻 3 号 p. 183-187
    発行日: 1983/03/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    Form changes of a Yukata in dressing were examined as to the area change in dressing and the thickness distribution brought about due to puckers.
    1) The area hidden by pleats and tucks in the front was 21-23% of the body area of before dressing and 6-7% in the back
    2) Overlapping of fabric and distribution of thickness were found mainly on the lines between the waist and the bust In this part the maximum overlapping was 4-5% in thickness and 10-16 ply in number
    3) The surface area of the dressed Yukata was 57-64% of the body area measured before dressing The surface increased also with the body index of the subjects
  • 三谷 璋子
    1983 年 34 巻 3 号 p. 188-192
    発行日: 1983/03/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    ポリフェノールの加熱による褐変反応をとくにカテコールについて調べ, さらにカテコールの加熱褐変反応に及ぼすアスコルビン酸, 糖類, アミノ酸の影響を検討し, 次の結果を得た.
    1) ポリフェノールは加熱により褐変し, ピロガロール, タンニン酸, カテコールの順に褐変した.
    2) カテコールは60℃以上の加熱により褐変化し, 80℃, 100℃においては顕著な褐変を示す.また, アルカリ性域 (pH 8.0) では, 褐変が著しく, 酸性域 (pH 2.4) では抑えられた.
    3) カテコールの加熱褐変にともなって還元力が増加し, 新しい還元性物質の生成が考えられる.
    4) L-アスコルビン酸は, カテコールの加熱褐変を抑制し, 還元糖やアミノ酸は, 加熱裾変を促進した.
  • 1983 年 34 巻 3 号 p. 193
    発行日: 1983年
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
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