家政学雑誌
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34 巻, 6 号
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  • 平井 和子, 松本 佐喜子, 宮川 久邇子
    1983 年 34 巻 6 号 p. 317-322
    発行日: 1983/06/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    食用油中のトコフェロール含量に及ぼす加熱の影響を検討するために, 4種類の揚げ方 (てんぷら, フライ, から揚げ, す揚げ) でジャガイモを揚げ, 揚げ油中のトコフェロール同族体を高速液体クロマトグラフィーで分離定量し, 以下の結果を得た.
    1) 加熱油中のトコフェロール残存量は揚げ方により異なり, てんぷらが最も高く, フライ, す揚げ, から揚げの順で残存率が低くなる傾向がみられた.また, トコフェロールの減少率と屈折率の増加は高い相関を示した.
    2) 加熱時間の増加とともにトコフェロール残存量は減少し, その残存率はおのおののトコフェロール同族体により差がみられ, 4種類の揚げ方でα≧δ>γの順でトコフェロール同族体の残存量が低くなる傾向があった.
    3) さし油を行わないで長時間加熱した場合のトコフェロール同族体の残存率は, δ-トコフェロールが最も高く, αはγと同様に残存率が低かった.また, さし油を行った場合よりもトコフェロール残存率は低かった.
  • 麦飯 (第4報)
    高橋 淳子, 中沢 文子
    1983 年 34 巻 6 号 p. 323-328
    発行日: 1983/06/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    1) 麦飯の官能評価より麦を混入した麦飯は米飯に比 べると外観味, 硬さなどに評価の低下が認められたが, 嗜好面からは麦の混入割合が30%まで, 麦の種類ではA押麦, B押麦が嫌われない結果となった.
    2) 麦飯の官能的なテクスチュアと客観的なテクスチュアとの関連で, 味と緩和時間との間に一次の回帰式が成り立ち, 味が良いほど, 緩和時間τ1, τ2, τ3は大きくなる傾向を示した.
    3) 麦飯の官能的な粘りの評価は, 麦飯の応力緩和曲線から得られた粘性と関連があり, 硬さの評価は麦飯の麦飯粒レベルの弾性と関連が認められ, いずれも一次の回帰式が成り立った.
  • 小麦穀粒の糖タンパク質について (第2報)
    光永 俊郎, 辻 由美子, 荒堀 圭子
    1983 年 34 巻 6 号 p. 329-333
    発行日: 1983/06/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    小麦胚芽の40% IPA可溶性画分から, ゲル濾過およびイオン交換クロマトグラフィーにより, 低分子量糖タンパク質 (GGP-1) を単離した.GGP-1は, ゲル濾過および電気泳動により単一物であった.また糖タンパク質であることを確認した.分子量は約12,000で, タンパク質38%, 糖62%よりなり, 糖の含有量の高い糖タンパク質であった.GGP-Iのポリペプチド部分を構成しているアミノ酸は, グリシンが最も多くついで, グルタミン酸, アスパラギン酸と酸性アミノ酸を多く含んでいた.
  • 堀 康二
    1983 年 34 巻 6 号 p. 334-338
    発行日: 1983/06/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    大豆の甲状腺肥大因子の一つとしてチオシアン酸が考えられるので, 大豆製品中のチオシアン酸含量について調べた.
    大豆タンパク質をタンパク質分解酵素で加水分解した後にチオシアン酸を定量したところ, その含量は食品の種類によりかなりの幅があったが, 各製品中にチオシアン酸が含有されていた.
    豆腐のチオシアン酸含量は新鮮物では豆腐の種類によってあまり差は認められなかった.しかし乾物1g当たりでみると木綿豆腐中のチオシアン酸含量は, 他の豆腐に比べ小さかった.これは木綿豆腐では「湯」が除去されるときに「湯」とともにチオシアン酸の一部が流出することによるものと考えられた.
    凍豆腐のチオシアン酸は凍豆腐を利用する際の湯もどし時に浸漬液に溶出した.その溶出量は塩類の存在, 酸性により増加した.
  • 包丁の切れ味に関する研究 (第8報)
    岡村 多か子, 竹中 はる子
    1983 年 34 巻 6 号 p. 339-347
    発行日: 1983/06/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    以上一連の実験のなかで, 人による切れ味, 研ぎ方, 研いだ結果には差があることが明らかになった.中学校教科書に指定されていた15°の研ぎ角度は, 各種切削工具についての切削理論からみちびかれた値であると思われるが, これは, 包丁そのものを使っての実験結果からの値ではないと考えられる.したがって包丁の種類による適した研ぎ角度も検討する予定である.
    また, 角度を指定して研がせても, 実験者それぞれにより, かなりの差があったということは, 人により, この角度を的確に捕えて研ぐことのむずかしさが示された.
  • 体幹部について
    田村 照子, 渡辺 ミチ, 仲沢 邦子
    1983 年 34 巻 6 号 p. 348-354
    発行日: 1983/06/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    Estimation of mean skin temperature by thermography was seemed to be the most efficient method of those had ever carried out. The method, however, still included the error that would be yielded from the transformation by shadowing three-dimensional body to a plane and so on.
    In this paper, small each body surface area devided on the trunk was measured on the thermograms and also on the photographs which were both taken from two directions, front and back, and from five directions, front, front 45°, side, back 45°, and back, respectively, and that was compared with the area which was taken directly on the same subject by gypsum method. Examining the amount of the transformation of the body surface area by thermography and by photography, the effects of those upon evaluation of the mean skin temperature were investigated in the case of the trunk.
    As a result, it was found that the estimation errors of the body surface area were apparently increased more in thermogram than in photograph and more in using two direction's thermograms than in using five direction's ones, but the mean skin temperature of the trunk calculated from those data changed only less than ± 1% (± 0.2°C), so that the error was almost negligible in the case of the trunk.
  • 長 修司
    1983 年 34 巻 6 号 p. 355-358
    発行日: 1983/06/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    油脂の脂肪酸組成の違い, 油脂と共存するタンパク質あるいは炭水化物の種類の違いがToc同族体 (α, β, γあるいはδ型) の抗酸化能にどのような影響をおよぼすかを食品モデル系で比較検討した.なお, 各Tocは油脂に対して0.02%の濃度で添加した.
    1) 油脂中のリノール酸の割合が少なくなるにつれて, 各Toc問の抗酸化力にはっきりとした差があらわれ, ラード型脂肪ではα<β<γ<δの順に抗酸化能が増加した.
    2) 油脂のみの系にタンパク質を加えると各Tocの効力に差がなくなり, とくにグルテン群で顕著であった.
    3) 油脂のみのサンプルに炭水化物 (セルロース, でんぷん, グルコースあるいは蔗糖) を加えたところ, いずれの場合にも各Tocの抗酸化力に差がみられなくなった.
  • 立屋敷 かおる, 大亦 みち子, 寺元 芳子
    1983 年 34 巻 6 号 p. 359-362
    発行日: 1983/06/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    1) 煮切り等の加熱操作により, 酒のアルコール度は減少した.アルコール度の高い酒ほど減少率は大きく, 残存量は少なかった.
    2) 2倍に希釈した酒を加熱した結果, いずれの酒も加熱時間に伴ってアルコール度が減少し, 加熱2分で元の約112に減り, 10分で1度以下となった.この経時変化に, 加熱時の蓋の有無と酒の濃度は影響しなかった.
    3) 清酒の燗は, 燗の程度によりアルコール度の変化に差があった.ぬる燗 (45℃) ではアルコール度に変化がなく, あつ燗 (60℃) で0.6%, 過度の燗 (70℃) で1.2%減少した.
    4) 酒を使用する料理10種の結果では, 多くのものが加熱によりアルコール含量の約90%が減少した.加熱後の料理のアルコール含有率は, ほとんどが1%以下だった.
  • テクスチュロメーター特性値とレオロメーター特性値との比較
    後藤 芙三江, 吉松 藤子, 松元 文子
    1983 年 34 巻 6 号 p. 363-368
    発行日: 1983/06/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    本実験において, テクスチュロメーターとレオロメーターの測定値, T値とR値との間には次のような関係があった.
    1) 硬さはプランジャー13φの場合, y=5.66x+0.69, 18φの場合y=4.85x+0.66, 30φの場合y=3.91x+0.28 (x : T値 (T.U.), y :.R値 (R.U.)) であった.
    2) クリアランスの大きさは硬さと逆の関係にあり, その変化率はテクスチュロメーターのほうが大きかった.
    3) 付着性・弾力性はテクスチュロメーターのほうが大きく現れた.
    4) 硬さについて, 官能値とT値 (T.U.), 官能値とR値 (R.U.) の問には, いずれも高い相関があった.
  • 諸外国の家政学シリーズ (2)
    安田 武
    1983 年 34 巻 6 号 p. 369-373
    発行日: 1983/06/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
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