タイムを単独またはローリエ, さらにクローブと混合して鶏骨スープとともに加熱した場合の香気の同定と経時的変化について検討した結果を要約すると次のようになる.
1) タイム加熱香気として, α-ピネン, カンフェン, β-ピネン, ミルセン, α-テルピネン, リモネン, 1,8-シネオール, γ-テルピネン,
p-シメン,
trans-4-ツヤノール, カンファー, リナロール, テルピネン-4-オール, カリオフィレン, ピノカルベオール(推定), α-テルピネオール, ボルネオール, チモール, カルバクロールを同定した.
2) タイムにローリエ, さらにクローブを混合した加熱香気は, 各香辛料の成分の混合物であり, 加熱中に各成分間の反応は起こらない.
3) タイムを単独または2種混合, 3種混合で鶏骨スープとともに加熱した場合, 香気全収量, 各成分量, 各成分の全収量に対する割合が経時的に変化し, 加熱過程における香気の質が変化する.
4) 各香辛料を同量ずつ用いて行った官能検査の結果, 95±1℃で60, 120, 180分の各時点とも, 2種混合が最も好まれ, 60, 120分の各時点で3種混合が最も好まれない.
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