小麦粉 dough の硬度測定にMicropenetrometer, Faninograph並にExtensographの三種の測定機を用いて、手触り判定の硬度と比較検討してみた結果次の通りである。
1.Micropenetrometerに示された数値は、手触り判定の硬度と全く一致した。手触り判定が正しいと認められるならば、Mioropenetrometerによるものは最適の測定法と云い得る。
2.Farinographで示された数値は、その操作が極めて慎重に管理されつつ手作業に条件を接近させるならば、手触判定の硬度に近似して来るが、これはあくまでも、運動中(混?中の)の抵抗力を示すもので、静置後判定したものと比較は出来ない。
3.Extensographに示されたものは、硬度を形成する要因を分析的に示すものである為、数値そのものは綜合的な硬度判定に役立たない。
4.手作業の家庭調理の過程を判定する場合、機械による検定は操作中に過剰操作と過剰エネルギーの影響を受け、むしろ不確実となる場合がある。
5.眼と手の緊密な連絡と、良き管理下に行われる手作業のdoughは、砂糖の増量に伴い機械作業のものよりも早期に均質に達する。従つてこの場合は手触判定の方が確実である。
6.手触判定は数字に表す事は困難であるが、以上の三種の機械によつて検定比較した結果、手作業のdoughに対しては手触判定の信頼度は高く評価出来る。
7.尚、本実験を通して次の事が考えられる。即ち、手触判定は“絶対硬度”の判定は困難であろうけれ共、“関係硬度”の判定については確実なものである。と……
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