総合健診
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36 巻 , 6 号
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原著
  • 須賀 万智
    2009 年 36 巻 6 号 p. 445-451
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/07/02
    ジャーナル フリー
     【目的】健診受診者に,1 )腰痛予防に関する小冊子を配付した場合と,2 )腰痛予防のための運動教室を開催した場合の費用対効果をシミュレーションにより評価した。
     【方法】全国5か所の総合健診施設で行った質問紙調査における腰痛の有病率を,国民生活基礎調査の健診等受診率と国勢調査の総人口から計算した健診受診者数に掛けあわせ,腰痛の有病者数を計算した。小冊子配付と運動教室の腰痛予防効果を評価した比較対照試験をレビューして,各介入の腰痛有病者の減少率を4%と25%と仮定した。この数値を各介入の対象者数(腰痛有病者を0~ 100%の比率で小冊子配付群と運動教室群に割り付け)に掛けあわせ,介入により期待される腰痛の有病者数の減少を,さらに先述した質問紙調査における筋骨格の痛みの訴えがなかった者と腰痛の訴えがあった者のEQ5Dスコアの平均差に掛けあわせ,介入により期待される腰痛の損失QALYの減少を計算した。介入に必要な費用は小冊子配付群が1人500円,運動教室群が1人2万円ないし5万円とした。
     【結果】20~ 74歳人口9,159万人のうち,健診受診者は5,596万人,そのうち腰痛有病者は1,317万人であった。腰痛の損失QALYは77.6万年であった。小冊子配付群の配分比率を100%とした場合,腰痛有病者は52.7万人減少すると期待され,増分費用対効果比は26万円 /QALYであった。運動教室群の配分比率を100%とした場合,腰痛有病者は329.2万人減少すると期待され,増分費用対効果比は166~ 414万円 /QALYであった。小冊子配付群と運動教室群の配分比率が運動教室群優位になるほど,増分費用対効果比が大きかった。
     【結論】増分費用対効果比はいずれも社会的に許容可能なレベルであったが,小冊子配布の方が運動教室に比べ費用対効果に優れていた。
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