総合健診
Online ISSN : 1884-4103
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48 巻, 5 号
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原著
  • 小田 夏奈江, 菊地 恵観子, 山田 千積, 尾形 珠恵, 奥野 智織, 椎名 豊, 後田 奈々, 行松 伸成, 岸本 憲明, 石井 直明, ...
    原稿種別: 原著
    2021 年 48 巻 5 号 p. 379-387
    発行日: 2021/09/10
    公開日: 2021/11/10
    [早期公開] 公開日: 2021/06/15
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】高比重リポ蛋白(HDL)にはHDL2 とHDL3 の亜分画が存在し、それぞれに含まれるコレステロールであるHDL2 コレステロール(HDL2-C)及びHDL3 コレステロール(HDL3-C)は、前者は肥満、喫煙で低下し、後者は飲酒で上昇することが知られているが、その他の要因についての検討は十分ではない。本研究では、抗加齢ドックにおいて測定した詳細なデータをもとにHDL2-C及びHDL3-Cに影響を及ぼす要因の検討を行った。

    【対象】2006年6月~2016年3月に当センターにて抗加齢ドックアドバンスコースを受診したのべ536名(男性285名、女性251名、年齢27~89歳、平均年齢62.3歳)を対象とした。

    【方法】抗加齢ドックにおいて測定したアディポネクチン、ビタミン類、ホルモン類、その他一般検査項目及び問診について、HDL2-C、HDL3-Cと相関分析を行い、説明変数の候補因子を選定し、HDL2-C、HDL3-Cそれぞれについて重回帰分析(ステップワイズ法)にて解析を行った。HDL2-C、HDL3-Cともに性別が説明変数として選択されたので、男性ではフリーテストステロン、女性ではエストラジオールを説明変数の候補に加え、男女別にHDL2-C、HDL3 について重回帰分析を行った。

    【結果】HDL2-C、HDL3-Cにおいて、中性脂肪、性別で負の相関を認めた。HDL2-Cにおいてアディポネクチン、β-カロテンは正、BMIは負の相関を認めた。HDL3-CにおいてLDLコレステロール(LDL-C)、DHEA-S、ビタミンA、ビタミンEαは正、喫煙歴、年齢は負の相関を認めた。男女別HDL2-C解析では、β-カロテンが男性において正、ビタミンEαが女性において正の相関を示した。男女別HDL3-C解析では、男性においてDHEA-Sが正、喫煙歴、BMIが負の相関を示した。また女性において飲酒歴、ビタミンA、ビタミンEαが正、年齢、エストラジオールが負の相関を示した。

    【考察】HDL-Cは受診者の生活習慣を念頭にHDL亜分画や性差を考慮した指導が有用である可能性が示唆された。

  • 吉永 眞人
    原稿種別: 原著
    2021 年 48 巻 5 号 p. 388-393
    発行日: 2021/09/10
    公開日: 2021/11/10
    [早期公開] 公開日: 2021/08/18
    ジャーナル オープンアクセス

     閉経前女性を対象に、卵巣悪性腫瘍マーカーHE4と上皮性卵巣癌の予測モデルROMAの悪性疾患診断における臨床性能を評価した。HE4、CA125、ROMAの悪性疾患における感度はそれぞれ、40%、60%、80%であり、良性疾患における特異度はそれぞれ100%、66%、95%であった。HE4、CA125、ROMAのROC曲線解析におけるAUCはそれぞれ0.90、0.72、0.89であった。HE4はCA125と比較して良性疾患における特異度が高く、HE4とCA125を組み合わせて測定すること、あるいはROMA値を用いることで悪性疾患の診断における腫瘍マーカーの臨床的有用性が向上すると考えられた。

症例報告
実践報告
  • 若松 弘之
    原稿種別: 実践報告
    2021 年 48 巻 5 号 p. 400-406
    発行日: 2021/09/10
    公開日: 2021/11/10
    ジャーナル オープンアクセス

     当院では上部消化管造影検査を1日10-15例程度実施しているのが現状である。依然として胃がん検診の中核を占めているのが当院の現状である。

     新胃X線撮影法が当院院内検診に本格的に導入された2018年4月から上部消化管造影での胃がん発見症例は最初の2年間はゼロであった。3年目に入り2例のバリウム発見胃がんを経験した。6月の2例目は早期胃がんであった。発見症例を振り返ってみると技師が病変に気づいておらず追加撮影がないので診察結果説明担当医が気づいていないなど技術的課題や前年からピロリ菌陽性に対して強力な受診勧奨が出来てなかったなど反省点があった。

     当面放射線技師の撮影技術の維持向上と上部消化管造影検査の読影ができる医師の確保がまだ必要と思われた。

大会講演
日本総合健診医学会 第49回大会
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