血清フルクトサミンと空腹時血糖との検査組合せによる新しい糖尿病スクリーニング法 (日本総合健診医学会 (JMHT) 1992年勧告) が, それぞれ単独でスクリーニングされる場合と比較して, その臨床的有用性が顕著に高められるという検証を得るために, ROC分析法により検討された。ROC分析における至適スタンダードとして日本糖尿病学会勧告による75gOGTT判定基準が採用され, 全国9施設より集積された26~85歳の健診受診者574例 (「糖尿病型」67例, 「正常型」507例) を対象として解析された。この結果, フルクトサミンと空腹時血糖がそれぞれ単独でスクリーニングに利用された場合には, 感度または特異性についてそれぞれ相対的に弱点を有する二つの異なったROC曲線が示されたが, 両者を組み合わせたJMHT勧告法においては, この二つの特性が互いに補填し合ってより優位なスクリーニング効果を発現するROC曲線が得られた。また, 同勧告によるスクリーニング基準値は, ROC曲線上で左上部に位置することから, 適切であると判断された。
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