日本総合健診医学会誌
Online ISSN : 1884-409X
Print ISSN : 0911-1840
ISSN-L : 0911-1840
26 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 清瀬 闊, 村井 哲夫, 野呂 光子, 笹森 典雄, 新谷 和夫, 山崎 晴一朗, 山門 實, 前畑 英介, 芳賀 利一, 那須 幸博, 岡 ...
    1999 年 26 巻 1 号 p. 11-17
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    今回LDLコレステロール (LDL-C) の新しい方法が第一化学薬品 (株) により開発されたのを機会に, 7, 452例につき検討したところ, 精度管理上施設間差のないことが証明されたので, 我々で決めた「健常人」の定義に基づき1, 545例を選び, これを母集団として基準値を求めたところ130mg/dlの上限値を得た。日本動脈硬化学会では140mg/dlを勧告しているが, これはFriedewald式 (F式) からの換算値であり, 我々の130mg/dlは妥当な数値と思われた。またLDL-Cの動脈硬化性疾患との関係と各生化学検査項目間の関係につき調べた結果を報告する。
  • 桑山 幸久, 津下 一代, 藤岡 豊, 市原 義雄, 安野 尚史, 塚本 純久, 横井 正史
    1999 年 26 巻 1 号 p. 18-24
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    愛知県総合保健センターでは, 細小血管症などの合併症を有さないインスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) 患者に対して糖尿病教室を開講しているが, 教室受講者67名 (男性52名, 女性15名) について, 教室前後での検査値・体力指標の変化, 自己管理状況との関連について検討した。
    BMI (24.3→23.2kg/m2) , 体脂肪率 (男性18.1→17.0, 女性29.6→26.5%) , 空腹時血糖 (132→121mg/dI) , 負荷血糖, インスリン値, HbA1c (6.5→6.1%) , 1, 5-AG (12.0→15.7μg/ml) などが, 男女とも有意に改善した。男女ともすべての体力指標で向上がみられ, 男性では最大酸素摂取量 (26.4→28.5ml/kg/分) , 女性では閉眼片足立ち (16.7→23.9秒) , 上体起こし (7.3→10.2回/60秒) , 長座位体前屈 (10.7→12.9cm) , 全身反応時間 (448→413ミリ秒) が有意に向上した。
    また, 体力指標の向上した者ほど検査値が改善していた。6か月間の自己管理状況を比較すると, 1日の平均歩数だけでなく, 補強運動・ストレッチングの実施の有無によっても体力指標の向上に差がみられることが明らかになった。
    運動療法により, 体力が向上し, 糖・脂質代謝指標, インスリン抵抗性の改善がみられたが, 体力の向上した者ほどより糖・脂質代謝は改善した。そして, より体力を向上させるには, 有酸素運動のみならず, 補強運動・ストレッチングも併せて行うことが必要だと考えられた。
  • 山田 隆幸
    1999 年 26 巻 1 号 p. 25-30
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    LDL-Cholesterolを直接的に測定可能なキット試薬であるコレステストLDLを用い, 日立-7250形・7150形自動分析機にて基礎的検討を加えたところ, タイムコースはほぼ終点反応であり, 精密さ等は良好な成績でもあった。また, 直線性は560mg/dlまで確認できた。また, Friedewaldの計算式より得られる推定値とコレステストLDL測定値の間では, 差が生じていた。その原因は, TG/TC比に関係すると考えられた。また, キット試薬の安定性の検討では, 開封後日常仕様で, 約7週間は使用可能と考えられた。
  • 原島 三郎, 河内 章, 内藤 勉
    1999 年 26 巻 1 号 p. 31-38
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    内視鏡検査例515例についてEIA法IgG抗ヘリコバクター・ピロリ (HP) 抗体検査と血清ペプシノゲン (PG) 検査を行い, HP菌感染によるPG値への影響を検討するため, 抗HP抗体陽性例と陰性例に分け, 性別, 年齢別, 疾患別のPG値の検討を行った。
    抗HP抗体陽性率は515例で84.9%, PG陽性率は非癌例510例で34.3%, 癌5例で60.0%であった。
    抗HP抗体陰性例では陽性例よりPG I, II値は低く, PG I/II比は高かった。
    抗HP抗体陰性例のPG I値は女性例より男性例が高かった。PG I値は加齢により減少していたが有意差はなかった。
    抗HP抗体陰性例のPG II値は加齢とともに増加していたが, 有意差はなかった。PG I/II比は加齢による変化を示さなかった。
    抗HP抗体陰性例と陽性例で, 胃X線検査二重造影法胃体部後壁の粘膜ひだの存在する範囲とPG I値は関連性を示した。
  • 平 資久, 中島 千絵, 松熊 美千代, 矢野 正生, 芳賀 利一, 下村 弘治, 前畑 英介, 佐々木 憲夫, 多川 斉, 阿部 真弓, ...
    1999 年 26 巻 1 号 p. 39-45
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    糖尿病の血糖コントロール状態を把握する指標には, 空腹時血糖 (FBG) とヘモグロビンA1C (HbA1C) の組み合わせが一般的である。HbA1cが化学法のフルクトサミン (FRA) にとって代わった理由の一つに, 病体把握が的確で, しかも手技的に難点がなく, 施設間差が少ないことが考えられる。
    一方, 和光純薬のFRA酵素法は, 従来の化学法の問題点が回避されており, 原理的には, プロテアーゼの作用により遊離した糖化アミノ酸にフルクトシルアミンオキシダーゼを作用させ, 過酸化水素を生成させているため, 酵素法の利点を生かした方法である。
    キット性能評価のデータとしては, 同時再現性 (CV) が0.2~0.3%, 日差再現性が1.5~3.4%であり, 直線性は900μmol/l付近まで認められ, 血中共存物質の影響はほとんどない。以上のことから性能は良好と評価した。本法と化学法との相関 (n=58) は相関係数r=0.944と高度であったが, 回帰式はy=1.078x-35.7とズレがあり, 本法が約36μmol/l低値となった。
    次に他の糖尿病マーカーとの相関を調べたところ, FBGとはr=0.641, HbA1Cとはr=0.845, 糖化アルブミン (GA) とはr=0.966であった。FRAはGAを多量に抱合していることから, GAと高度な相関を認めたことは, 信頼性を補遺するのに十分であった。
    最後に当院健診センター受診者のうち, 正常 (FBG100mg/dl以下, HbA1C5.8%以下) と診断された194名の基準範囲を求めたところ, 血清FRAが147.2~222.0μmol/l, 血漿FRAが137.7~210.1μmol/lとなった。
    以上のごとく, 本法によるFRA測定は, GAと高度な相関を認めたことから, FBGとHbA1Cの中間的糖尿病マーカーとして有力な指標となり, バッチ処理も可能であることから, 健診の場での利用も期待できる。
  • 新井 盛夫
    1999 年 26 巻 1 号 p. 46-48
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
feedback
Top