日本総合健診医学会誌
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27 巻, 1 号
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  • 長谷川 良子
    2000 年 27 巻 1 号 p. 11-23
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, マハラノビスの距離を健康診断に応用し, 総合判定の信頼性向上を図ることである。直交表とSN比を用いて寄与する要因項目を選択し, ROC曲線を用いて識別力の評価を行った。この結果, 健康診断の総合判定の信頼性を向上させることができることを解明した。
    さらに, 予防医学的見地から, マハラノビスの距離は個人の健康の動きのモニタリングとして有効であることを示した。
  • 中津川 正子, 神保 裕美子, 原地 千穂, 高橋 典子, 星 辰男
    2000 年 27 巻 1 号 p. 24-28
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    総合健診におけるHCV抗体スクリーニング検査を凝集法から化学発光酵素免疫測定法に切り替え, 従来の結果報告を陽性/陰性の判定報告からカットオフインデックス (以下COI) 値による結果報告に代え, その評価をまとめた。1年間のHCV抗体検査依頼者7, 884名について, HCV抗体陽性例を2群 (暫定低力価COI値1.0~10.0, 暫定高力価COI値10.0以上) に分け, 各種HCV抗体検査との比較, 前回値との比較ならびに肝疾患との関連等について比較解析した。
    陽性率は89名で1.16%, 暫定低力価は36名で陽性例の40%, 暫定高力価は53名で60%であった。
    他法との比較では, 高力価群ではよく一致したが, 低力価群では不一致が目立った。
    高力価群では肝機能異常を認め, 低力価群では肝機能の軽度上昇が見られた。
    継続受診者の前年度との比較において, 変化は見られなかった。
    よって, COI値により高力価, 低力価の結果報告は総合健診における継続受診者の経過観察に役立つものと思う。
  • ―健康診断受診者を対象にして―
    斎藤 征夫, 鈴木 哲朗, 大塚 亨, 高橋 玲, 青山 典裕
    2000 年 27 巻 1 号 p. 29-33
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    虚血性心疾患や心筋症などの心臓不全状態のマーカーとして, 脳性ナトリウム利尿ペプチド (BNP) が注目され, 臨床に利用されている。
    本研究は, 健康診断の受診者を対象にして, 心臓病と血漿BNP値との関連を検討し, 健康診断の検査項目としてのBNPの有効性を追求したものである。
    その結果, 以下のごとくであった。
    1.血圧, 心胸比, 心電図の異常者の頻度は, 血漿BNP値が40pg/ml未満か以上によって明らかな差が認められた。
    2.血漿BNP値40pg/ml以上者は20人 (6.8%) であり, 20人中12人が健康診断の検査項目に異常が認められ, 20人中4人は精密検査の結果, 心臓に異常が発見され, 20人中4人は精密検査によっても異常が認められなかった。
    以上のことより, BNPは臨床経過のみならず健康診断の検査項目として有効と思われた。
  • 飯田 紀彦, 小山 和作, 小橋 紀之
    2000 年 27 巻 1 号 p. 34-42
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    自己記入式QOL質問表改訂版 (QUIK-R) の信頼性, 妥当性, 臨床的有用性を検討し, さらに健康診断におけるQOL測定の意義を解明するために1, 017名の事務系勤労者を対象として断面的調査を行った。その結果, 1: QUIK-Rが高い信頼性と妥当性を有しており, 2: 身体総合所見とQUIK-Rとの不一致例の検討から加齢現象や日々の生活リズムが健康へ重要なかかわりがあり, 3: かかる不一致例を見出すためにも健康診断においてQOLを測定する必要のあることが認められた。
  • 那須 繁, 井上 幹夫, 東條 道徳, 山崎 美樹, 中野 幸恵, 船越 健彦, 岩谷 良一, 井手 一馬, 尾田 久美子, 山崎 昌典, ...
    2000 年 27 巻 1 号 p. 43-48
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    人間ドックにおいて視触診 (CBE) , 超音波 (US) , マンモグラフィ (MMG) の併用による乳癌検診を実施した。のべ受診者7, 114名 (実受診者5, 546名) に対して, 要精検者数536名 (要精検率7.5%) , 精密受診者数409名 (精検受診率76.3%) , 発見癌25例, 癌発見率0.35% (対実受診者0.45%) , 早期癌15例 (60.0%) , 乳房温存術13例 (52.0%) と良好な検診成績であった。年齢階層別癌発見率は, 30歳代0.06%, 40歳代0.46%, 50歳代0.36%, 60歳代0.70%で, 40歳代から急増していた。発見癌25例におけるCBE, US, MMGの検出率はそれぞれ44.0%, 88.0%, 68.0%で, USの検出率はMMGに比べ高かった。
    MMGで検出できなかった乳癌8例中3例は, 精検時に実施されたMMGで描出されたが, 5例は描出されずMMGの限界であった。また, 検診時MMGで異常なしとされた6, 515例のなかに, USでは良悪性の鑑別に注意を要する区分に判定された例が535例 (8.2%) あり, 実際に7例の癌が含まれていた。今回の成績から, MMGの乳癌見落とし率は約30%, USによる見落とし率は約10%と推定され, USはMMGに比べ病変の検出能においてかなり優れていたが, さらにUSの方がより早期の癌の検出にも優れていた。
    死亡率の低下だけでなく, 乳房温存術の施行を視野に入れた乳癌検診においては, USとMMGの併用が望ましいが, USとMMGの比較ではMMGよりもUSの実施がより有用と考えられた。
  • 肥満, 糖尿病, 高脂血症, 高血圧の新しい診断基準について
    須賀 万智, 谷田部 博嗣, 杉森 裕樹, 吉田 勝美
    2000 年 27 巻 1 号 p. 49-54
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    近年, わが国においても生活習慣病による疾病負担は著しく増大しており, 早期発見, 早期治療につとめ, 虚血性心疾患, 脳血管疾患など動脈硬化性疾患の発症を予防することが大切である。ここ数年, WHOおよびアメリカの各専門委員会から, 肥満, 糖尿病, 高血圧, 高脂血症の新しい診断基準が相次いで報告され, わが国の診断基準についてもいくつかの改定が加えられた。本稿ではこれら肥満, 糖尿病, 高血圧, 高脂血症の診断基準の概略を提示した。今回の改定ではいずれも予防医学的側面が重視され, より早期, より軽度の病態から対処するよう促すものである。
  • 田村 政紀
    2000 年 27 巻 1 号 p. 55-60
    発行日: 2000/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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