日本総合健診医学会誌
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27 巻, 3 号
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  • ―健診センターにおけるアンケート調査―
    中山 美子, 兼本 成斌, 中山 浩二, 半田 俊之介, 小川 哲平
    2000 年 27 巻 3 号 p. 229-235
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    [目的] 青壮年男性における喫煙と生活習慣の関連を明らかにすること。
    [方法] 対象は当院健診センターを1年間に受診した男性1万1, 708人。30, 40, 50歳代の各年代を喫煙習慣により, A: 非喫煙, B: 禁煙, C: 1日20本以下, D: 1日21本以上の4群に分けた。アンケート調査から, 行動パターン, 体調 (過労, 易疲労感) , 睡眠, 運動量, 肥満度, 食習慣について比較分析した。
    [結果] A型行動パターン: 喫煙, 非喫煙とも高齢群ほど多く, 同年代の比較ではD (21本以上) 群に多かった。体調: 喫煙群, 特にD群は過労, 易疲労感を自覚するものが多かった。睡眠: 喫煙群は就床時間が遅く, 寝つきも悪かった。運動量: 喫煙群は日常生活において積極的に運動している者が少なかった。食習慣: 喫煙群は食事が不規則で, 朝食抜きや夜遅い食事が多く, 食事回数が少なく, 少食で肥満度が低かった。また, 塩分, 糖分, 脂肪の摂取制限など食生活への規制が少なかった。嗜好: 喫煙群はアルコールやコーヒーの摂取量が多かった。上述の検討項目は, 喫煙本数との間に量一反応関係がみられたが, これらの悪習慣は加齢とともに改善する傾向が示された。禁煙群は非喫煙群と差がなかった。
    [総括] 喫煙群には不健康な生活を送っている者が多く, 生活習慣全般の見直し指導が必要であることを明らかにした。
  • 宮本 徳子, 今村 裕行, 橋本 あゆみ, 内田 和宏, 片桐 誓子, 森田 友美, 手島 香織, 城田 知子
    2000 年 27 巻 3 号 p. 236-241
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    女子学生37名を対象として, 橈骨骨密度に関する諸因子について血中性ホルモンを含めて検討したところ, 橈骨骨密度は身長, 体重, ウエスト囲, ヒップ囲, 体脂肪率, 除脂肪体重, 握力, 中学時代の運動歴と有意な正の相関を示した。また, 身長, 体重, ウエスト, 体脂肪率, 除脂肪体重, 握力の最も高い群が, 低いあるいは中程度の群より橈骨骨密度が有意に高く, 本研究の被検者の橈骨骨密度は, 血中性ホルモンやカルシウム摂取量よりも, 握力や中学校時代の身体活動および体格の影響を受けていることが示唆された。
  • 森田 友美, 今村 裕行, 森脇 千夏, 内田 和宏, 西村 千尋, 宮本 徳子, 城田 知子, 今村 英夫
    2000 年 27 巻 3 号 p. 242-248
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    本研究では, 高脂血症者の地域住民を対象に, 運動・食事療法が身体組成や体力および血清脂質値に及ぼす影響について検討した。対象は健康教室に参加した中高年高脂血症女性19名である。参加基準として高コレステロール血症 (TC≧220mg/dl, LDL-C≧140mg/dl) を満たすこととした。教室は週1回, 食事・運動指導を各1時間ずつ12週間実施した。さらに, 日常の運動として1日1万歩を目標にウォーキングを実施させた。対象者のうち, 以上の運動を行った11名をI群とし, 以上に加えて, 50%VO2max強度の有酸素運動を自転車エルゴメーターを用いて, 週3回, 1回40分を教室期間中実施した8名をII群とした。基礎調査は, 形態測定, 安静時血圧, 血液生化学的検査, 最大酸素摂取量, 食事調査を教室の前後に測定した。形態測定の結果, I群では体重, BMI, Fat Massが減少し, II群では以上の項目に加えて%Fat, ヒップ囲, SBP, DBPが減少した。血液生化学的検査の結果, I群ではTC, TG, β-L, LDL-C, FBSが低下し, II群ではTC, TG, LDL-C, FBSが有意に低下し, HDL-Cが有意に増加した。食事調査の結果, 栄養素等摂取量, 栄養比率, 食品群別摂取量ではI, II群とも有意な差はなかった。以上の結果, 最大酸素摂取量が有意に増加しない程度の運動でも, 身体組成や血清脂質レベルに好影響を及ぼすことが確認できた。定期的な運動を付加した群 (II群) では, より顕著な改善効果を認めることができた。
  • 萎沢 利行
    2000 年 27 巻 3 号 p. 249-259
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    人間ドックを受診した中高年齢者における生活体力の経年変化と骨・関節・筋肉などの運動器疾患の予防について検討を加えた。
    1989年と1998年に藤間病院総合健診システムを受診した一泊人間ドック受診者の体力測定結果を比較すると, 1998年の30歳代男性において, 身長が大きく, 体重が重く, 体脂肪が多く, 最大酸素摂取量が少ないという有意な傾向を認めた。
    藤間病院整形外科を受診したスポーツ障害患者数は, 高校生の受診者をピークとして加齢とともに減少する傾向を認めた。中高年齢者のスポーツ障害による受診者は少ないとはいえ, 運動機能が減退する中高年齢者は, 他の年代より健康保持のために運動を実践する者が多く, 個人の特性に合った運動をしないと, 骨・関節などの運動器の傷害が発生しやすいと考える。
    国民生活基礎調査によると, 腰痛は有訴者率が最も多い。腰痛健診として, 腰部の柔軟性の検査法としてsh隸ber testなどを実施し, 個人の特性を把握し, 腰痛の発生要因を検討することは, 腰痛予防の意識を喚起する点で有用であると考える。
    寝たきりの原因として脊椎椎体圧迫骨折や大腿骨頸部骨折などの高齢者の骨折は重要であり, その対策として骨量の維持と転倒予防が大切である。脊椎椎体骨折の危険閾値の指標として, CXD法による, m-BMD2.0or r-BMD2.4を基準値として採用し, 骨の健康管理の必要性を喚起している。転倒と体力測定項目の関連性の検討では, 膝周囲筋力, 歩幅指数, 閉眼片脚起立時間, 長座体前屈値が有意な相関性を有していた。これらを参考にして転倒予防体操を考案し指導している。
    人間ドック受診者に体力測定を行い, 個人の特性を把握したうえで, 生活指導および運動器疾患の予防指導を行うことが, 健康寿命の延長に役立つことを願いながら実施しているのが現状である。
  • 西村 千尋, 今村 裕行, 増田 容子, 内田 和宏, 宮本 徳子, 手島 香織, 上濱 龍也, 小畑 大吉
    2000 年 27 巻 3 号 p. 260-264
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 中年女性の飲酒と血圧および血清脂質との関係について, 年齢, BMI, 喫煙量, 身体活動量の影響を補正したうえで, 検討することである。
    その結果, 血圧に関しては, 飲酒量が多いほどSBPおよびDBPが高値を示した。TCに関しては非飲酒群より飲酒しているすべての群で低値を示した。TGに関しては飲酒量が多くなるほど高値を示し, HDL-Cは飲酒量が多くなるほど高値を示した。LDL-Cに関しても, 飲酒量が多くなるほど減少した。また, TC/HDL-Cは, 飲酒量が多くなると減少を示した。
    以上のように, 飲酒は, 年齢, BMI, 喫煙量, 身体活動量の影響を取り除いても, 血圧に悪影響を及ぼしていることが示唆されたが, LDL-Cが減少し, HDL-Cが上昇したことから動脈硬化の危険因子の低減もみられた。したがって, 飲酒量を適度な範囲までにとどめておくことが勧められる。
  • 諸井 中, 矢川 裕一, 椙下 智代, 小見山 典子, 大田 由己子, 馬渕 原吾, 小幡 裕
    2000 年 27 巻 3 号 p. 265-271
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    人間ドックをはじめ幅広く用いられている経腹的超音波断層法による前立腺計測の臨床的意義について検討を行った。対象は当所の人間ドックを受診した男性会員77名で, 内訳は正常67名, 前立腺肥大症10名である。方法は経腹的超音波断層法により前立腺の最大水平断面を描出し, その左右径と前後径, および移行域の左右径と前後径を計測し, さらに移行域重量Vをπ/6ab2の計算式より算出した。その結果, 年齢と前立腺移行域の大きさとの間にやや正の相関関係がみられた。血清PSA値と前立腺移行域の大きさとの間に正の相関関係がみられた。前立腺肥大症状の有無により, 前立腺の前後径, および移行域の左右径と重量において有意な差がみられた。前立腺肥大症を鑑別する移行域重量のcutoff値を5.8gと設定すると, 経腹的超音波断層法のsensitivityは70.0%, specificityは73.1%であった。
  • 神津 忠彦
    2000 年 27 巻 3 号 p. 272-277
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 菅沼 源二
    2000 年 27 巻 3 号 p. 278-289
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 田内 一民
    2000 年 27 巻 3 号 p. 290-300
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    外部精度管理のあり方は, 参加施設自らが評価成績によって自らの問題点を理解し, 是正の措置をとることが可能になる方法によらなければならない。
  • 今井 裕子, 瀬山 房江, 結城 真
    2000 年 27 巻 3 号 p. 301-304
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 吉田 勝美
    2000 年 27 巻 3 号 p. 305-308
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • ―健診データ伝送規約に基づく健診データ変換システム
    杉森 裕樹, 吉田 勝美, JAHIS合同委員会
    2000 年 27 巻 3 号 p. 309-316
    発行日: 2000/09/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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