日本総合健診医学会誌
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最新号
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  • ―結腸癌ふるい分けに有用な3日法定量結果の読み方―
    清島 啓治郎, 田近 明男, 川島 徳通, 村尾 久雄, 貝瀬 実, 三宅 道高, 野口 真, 見置 衛, 半田 文利
    2001 年 28 巻 4 号 p. 411-421
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    定期的に健診受診を反復する会員制受診者を対象として大腸癌発見に努める間に, 免疫定量3日法便潜血検査の特異度を高める潜血濃度数値の読み方を考案し, 結腸癌発見率を3倍以上に高めることができた。特異度向上に貢献したのは, 精査適応決定にあたり, Cut-off値を30ng/mlに下げ, この基準を超える便が連続的に見られることを, 単一便の潜血濃度の高さよりも重視する方法であった。この方法で適応を決め精査すると, 結腸癌と同様に多数の結腸腺腫が発見され, これらの結腸癌と結腸腺腫はいずれも, 切除すると次回健診の潜血濃度はそろってゼロ近く下がる点で酷似しており, 切除前の便に潜血が存在した原因は, 両者に共通する「隆起」という結腸壁の形の異常であったと考えられた。この推論を裏づけるべく, 結腸癌38例と結腸腺腫86例につき, 切除の直前と直後の744個の便の潜血濃度を比較し, 便潜血の連続陽性と相関するのは, 隆起の存在であると確認できた。便潜血を通して見えているのは「癌ゆえの出血」ではなく「隆起ゆえの出血」である。結腸以外の大腸 (直腸および肛門) からの出血は便潜血検査では偶発的にしか拾えず, 直腸癌を漏らさぬためには便潜血以外の検査 (内視鏡・注腸X線) が必要である。
  • 池山 真治, 伊藤 宜則, 濱松 昭雄, 小森 義隆, 渡邉 悟, 牛田 展浩
    2001 年 28 巻 4 号 p. 422-428
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    定期健診受診男性348名を対象として, 高尿酸血症と自覚症状および生活習慣との関連性について検討した。対象者は, 某製鋼事業所の年齢39歳から60歳の技術系従業員207名と事務系従業員141名である。
    自覚症状の高尿酸血症に対するオッズ比は, イライラ感を有するもので2.23 (95%信頼区間: 1.32~3.77) , 疲労感を有するもので1.66 (95%信頼区間: 1.02~2.73) であった。生活習慣の高尿酸血症に対するオッズ比は, 外食習慣を多く有するもので2.58 (95%信頼区間: 1.32~5.03) , アルコール摂取の多いもので2.50 (95%信頼区間: 1.26~4.96) であった。年齢, 職種, 喫煙および飲酒習慣, BMI, 血清総コレステロール, クレアチニン, GPT活性などを調整した際の高尿酸血症に対するオッズ比は, 血清レチノール値の高値者で4.45 (95%信頼区間: 2.24~8.86) , α-トコフェロールの高値者で2.22 (95%信頼区間: 1.09~4.63) であった。一方, 血清β-カロテン値の高値者におけるオッズ比は, 0.49 (95%信頼区間: 0.25~0.96) であった。
    これらの結果は, イライラ感, 疲労感などの自覚症状, 外食, 飲酒などの生活習慣が高尿酸血症の危険要因となり, β-カロテンを多く含有する食品 (有色野菜や果物類) 摂取が予防要因となる可能性を示唆した。
  • 堀江 秀茂, 柴田 洋子, 三橋 信次, 大野 文俊, 椎野 誠輝, 吉田 健三
    2001 年 28 巻 4 号 p. 429-433
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    1992年4月から1995年3月までに, 当センターで健診を受け, 5年後にも当センターを受診した3, 604名 (平均年齢50.9歳) を対象として, 非糖尿病 (空腹時血糖 (FPG) が125mg/dl/以下かつ糖尿病としての治療を受けていない) から糖尿病 (本論文では, FPG 126mg/dl/以上をもって糖尿病型とし, 糖尿病治療中である者と合わせて糖尿病と診断) への悪化する率を検討した。スターティングポイントのBody Mass Index (BMI) およびFPGにより対象を区分し, 5年の前後でBMIおよびFPGの変化量の平均と5年後に糖尿病を示した率を算出したところ, 以下の結果が得られた。 (1) スターティングポイントで糖尿病を示した率は4.1% (147/3, 604) であったのに対し, 5年後に糖尿病を示した率は7.1% (257/3, 604) であった。 (2) スターティングポイントのFPGが100mg/dl~104mg/dlの2.0%, FPGが105mg/dl~109mg/dlの7.7%, FPGが110mg/dl/~114mg/dlの18.3%, FPGが115mg/d/l~119mg/dlの37.7%, FPGが120mg/dl~125mg/dlの68.4%が, 5年後に糖尿病を示した。 (3) FPGが100mg/dl~119mg/dlの場合には, 5年後に糖尿病を示す率にBMIの各層間で有意差は認められなかった。一方, FPGが120mg/dl~125mg/dlの場合には, BMIが24未満の層では5年後に糖尿病を示した率が46.2%であったのに対し, BMIが24以上の層では5年後に糖尿病を示した率は87.1%を示し, この差はマン・ホイットニ検定にて有意なものであった。したがって, FPGが120mg/d/~125mg/dlでBMIが24以上の場合には, 糖尿病に準じる厳重な管理が必要であると考えられる。
  • ―耐糖能障害発症に及ぼす因子の検討―
    奥田 克子, 津下 一代, 岩塚 徹
    2001 年 28 巻 4 号 p. 434-438
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    個人の健診成績を長期管理し, 正常から糖尿病発症に至る過程を検討すること, またその危険因子を探り, 一次予防に役立てることを目的として解析を行った。対象は, 過去20年間の総合健診延べ47万件のうち, 過去5回以上かつ10年間以上の反復受診者で, 成人男性かつ, 初回の空腹時血糖値 (FPG) が110mg/dl未満であった11, 123症例, 延べ約13万件をデータベースとした。FPG値が, 経過観察中1度でも126mg/dl以上となった者を糖尿病群, 110mg/dl未満が継続している者を正常群, 両者いずれにも含まれない者を境界群の3群に分け, 初回受診時の臨床検査項目を3群間で比較した。初回受診時FPG値, BMI, ALT, トリグリセライド (TG) は3群間で有意の差を認めた。最終回FPG値の説明因子を初回検査項目より検索した。最終回FPG値に関与する因子は, 初回FPG値, BMI, ALT, TGであった。さらにFPG値別に糖尿病に移行しない割合をCox回帰分析で算定した結果, 初回FPG値が90mg/dl以上95mg/dl未満であれば, 20年後に糖尿病に移行する可能性が10%程度であることが, 逆に105mg/dl以上110mg/dl未満の場合46%が糖尿病に移行することが予測された。
  • 清田 礼乃, 吉田 勝美
    2001 年 28 巻 4 号 p. 439-440
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 巽 典之, 菅沼 源二
    2001 年 28 巻 4 号 p. 441-445
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 28 巻 4 号 p. 446-451
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 28 巻 4 号 p. 452-456
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 菅沼 源二
    2001 年 28 巻 4 号 p. 457-500
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 28 巻 4 号 p. 501-523
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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