京都府南丹市美山町大野区の木を使ったものづくり活動(WCA)は, 環境教育と地域おこしに発展している。この活動の参加経験が, 地域振興や環境保全に関わる意識と行動に及ぼす影響を明らかにするため, アンケート調査及び参与観察から考察した。その結果, 以下の知見を得た。1) WCA に参加して良かったと思う参加者は, 回答者の90%以上であり, 満足度は高かった。2) 参加者は, 地域住民との交流によって, 人や地域に貢献しようとする意識が高まった。また, 中山間地域の生活を知らない参加者にとって, 大野区の自然や景観に触れる事や, 地域住民と交流する事は, 都市部にない魅力的な経験であった事が明らかとなった。3) 参加者にとって, 間伐材を使用したものづくりは, 森林や地球環境の保全に良いという学びとなり, 木のものづくりや地域住民の交流と同様に, 良い経験になったと考えられた。
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