過剰運動スペクトラム症候群HypermobilitySpectrum Disorder(以下HSD)1,2)とは結合織異常を伴う遺伝性疾患でこれまで過剰運動症候群・Hypermobility Syndrome(以下HMS),あるいは関節過剰運動症候群・JointHypermobility syndrome(以下JHMS)3)といわれてきた。今回,過度の運動訓練による両側足関節過負荷よりアロディニア,痛覚過敏4)を伴う激しい下肢痛,歩行困難となった18 歳男性症例を経験した。またアロディニア,痛覚過敏を伴う痛覚変調性痛5)と考えられる線維筋痛症6)類似のHSD として診断し治療介入した。HMS,JHMS,HSD の筋骨格系運動器症状の詳細を記載する報告7,8)は少ない。症例のアロディニア,痛覚過敏を伴う両下肢痛のメカニズムを考察したので報告する。
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