COVID-19罹患後症状(long COVID)の発症機序には未解明な部分が多く,診断や治療においてエビデンスのあるものは限られる。本研究では,long COVID 患者の実臨床における多様な後遺症状と治療のための処方の特徴・推移を解析した。2021年2月から2025年8月までに当院を受診したlong COVID患者1,194人では,初診時に後遺症状の緩和目的で処方された1,894処方のうち831処方(43.9%)を漢方薬が占め,内訳では補中益気湯が439処方(52.8%)と最多であった。症状では倦怠感が最も多く,味覚・嗅覚障害はデルタ株期の感染例に多く,オミクロン株期ではブレインフォグや睡眠障害が増加する変化が見られた。以上より,long COVIDの診療では補中益気湯を主とした倦怠感への処方と漢方薬・西洋薬を併用した随伴症状への処方が行われ,平均7割の患者において平均約301日で通院終了に至る傾向が示された。
抄録全体を表示