日本病院総合診療医学会雑誌
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最新号
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原著
  • 山崎 晃裕, 宮松 弥生, 谷崎 隆太郎, 池田 健
    2026 年22 巻2 号 p. 63-70
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/04/10
    ジャーナル フリー
    出血高リスクの消化器内視鏡である経皮的内視鏡的胃瘻造設術(PEG)は他のそれらと比べ,高齢者や抗血栓薬服用の割合が高いためPEG における抗血栓薬の安全な休薬管理は臨床的課題である。当院では抗血栓薬単剤の場合,抗血小板薬,ワルファリンは休薬せず,ワルファリン以外の抗凝固薬は当日のみ休薬している。我々は 2019-2023 年にPEG を施行した119名を対象に後方視的に検討した。術後 1 週間以内に生じた臨床的に意義のある出血を「出血 性合併症」とし,その定義はガーゼによる牽引や圧迫以外の止血処置を要した瘻孔出血または 内視鏡で指摘された胃出血,胃壁血腫を来した例とした。抗血栓薬服用群は非服用群と比較し,出血例がやや多かったが,統計学的有意差は認められなかった(7.5% VS 1.5%,p=0.170)。その結果,前述した抗血栓薬の休薬方針は PEG における出血性合併症を増加させな い可能性が示唆された。
症例報告
  • 吉村 亮彦, 宇都宮 理恵, 堀之内 登, 土井 恵里, 塩田 星児
    2026 年22 巻2 号 p. 71-75
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/04/10
    ジャーナル フリー
    非特異反応により CA125 と CA19-9 の著明高値を認めた 35 歳の女性を報告する。11 年前に両側卵巣腫瘍に対し術前より CA125 および CA19-9 が高値を示していたが,術後も低下を認めなかった。複数回にわたる画像検査(CT,MRI),上下部内視鏡を行ったが,明らかな腫瘍性病変は認めなかった。別の産婦人科を受診した際に腫瘍マーカーを測定したところ正常範囲内であった。当院で再検査を行ったところ,依然として高値が持続しており,測定系の違いによる偽陽性が疑われた。希釈直線性試験や非特異結合吸収試験にて異好抗体や IgM の影響による偽陽性が原因であることが判明した。腫瘍マーカーはがんの診断や経過観察に広く用いられるが,免疫化学検査における非特異反応によって偽陽性を示すこともある。臨床的整合性に乏しい結果が得られた場合には,測定法の変更や干渉物質の評価を行うことが望ましい。
  • 宮坂 豪, 中野 有也, 木村 太郎, 村川 哲郎, 城所 励太, 阿部 祥英
    2026 年22 巻2 号 p. 76-81
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/04/10
    ジャーナル フリー
    Poland sequence(PS)は片側大胸筋を中心とする胸郭筋群の形成不全に加えて同側上肢の合指症や短指症を伴う先天異常で,その成因として胎生早期の鎖骨下動脈の血流障害が有力視されている。その臨床像は多彩で類縁疾患も多く,遺伝性もないことから診断は時に困難である。今回我々は典型的な外表奇形から新生児期に本症と診断した症例を経験した。在胎 39 週,出生体重 3100 g で出生した男児。出生時より左乳頭欠損,左手指の合指・短指を認め,画像検査で他臓器の異常がないことを確認し PS と診断した。本症で新生児期に診断される 症例は全体の約 3 割にとどまるが,早期診断には家族への十分な説明や将来を見据えた整容的・機能的治療計画を提示できるなどの利点があり,新生児期から小児科医が本疾患を念頭において鑑別することが重要である。我々の経験に文献的考察を加え,本症を新生児期に診断する難しさや臨床的な意義を報告する。
  • 松村 憲浩, 青砥 航介, 遠藤 聖英, 三浦 勝浩
    2026 年22 巻2 号 p. 82-88
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/04/10
    ジャーナル フリー
    巨細胞性動脈炎(Giant cell arteritis;GCA)は 高齢者の不明熱・不明炎症を来す代表疾患である。他方,高齢者においては造血障害を伴う血液疾患の発症リスクも高い。原発性骨髄線維症(Primary myelofibrosis;PMF)を合併した GCAを経験し,その特徴や病態について考察した。症例は体重減少を伴う貧血精査で紹介された77 歳男性。汎血球減少と炎症反応上昇があり,前者は末梢血液像から骨髄異形成腫瘍 (Myelodysplastic neoplasms;MDS)が想起された。後者は臨床症状に乏しく,CT 検査から GCA と診断した。骨髄生検を経て MDS 合併 GCA と診断したがステロイド抵抗性であり,再度の骨髄生検から PMF へ診断変更した。MDS や PMF では,GCA などの自己免疫性疾患を発症し得るが,非典型例が多く診断に難渋する可能性がある。
  • 堺 正仁
    2026 年22 巻2 号 p. 89-92
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/04/10
    ジャーナル フリー
    亜急性甲状腺炎(subacute thyroiditis 以下 SAT と略す)の診断は,典型的な発熱,甲状腺圧痛,甲状腺機能異常など症状が認められればば,比較的容易である。今回,発熱の他,風邪症状で受診し,診断まで 4 回の外来通院を要した症例を経験した。咽頭痛を訴える患者に甲状腺診察をルーチンにしていれば診断が容易にできた症例であり,文献的考察を加え報告する。
  • 長門 直
    2026 年22 巻2 号 p. 93-94
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/04/10
    ジャーナル フリー
    口腔ダニアナフィラキシーは,保存小麦粉中で繁殖したダニ抗原摂取により誘発される稀な 疾患である(1)(2)。保存小麦粉を用いたパンケーキ摂取直後に発症した 30 歳代女性例を報告する。来院時,眼瞼浮腫・膨隆疹・鼻汁と喘鳴を伴い,血圧低下を認めた。アドレナリン筋注,抗ヒスタミン薬とステロイド経静脈投与で速やかに症状は改善した。二峰性アナフィラキシーリスクを考慮し,観察入院とした。総 IgE 値 265 U/mL(ImmunoCAP 法,基準値 0-170 U/mL), ダニ(コナヒョウダニ・ヤケヒョウダニいずれも)特異的 IgE クラス 6,小麦特異的 IgE 陰性。小麦粉やパンケーキ中のダニ混入の証明は,家族が廃棄したため出来ていないが,サンチェス-ボルジェスらの診断基準に合致し,口腔ダニアナフィラキシーと診断した(1)(2)。本症は喘息等アトピー性素因合併例で重篤化する可能性があり(1)(2),ダニ舌下免疫療法を導入し,現在も継続している。本症は,詳細な食事歴聴取と適切な初期対応,小麦粉保管指導が重要である(1)(2)
症例短報
LETTERS TO THE EDITOR
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