Journal of Hard Tissue Biology
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12 巻, 3 号
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原著
  • —4番染色体長腕部のLOH解析—
    神農 泰生, Mehmet Gunduz, 長塚 仁, Esra Gunduz, 辻極 秀次, 清水 憲二, 永井 教之
    2003 年 12 巻 3 号 p. 75-81
    発行日: 2003年
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    扁平上皮癌は口腔領域において最も多くみられる悪性腫瘍とされている。癌化に関与する遺伝子のうち、癌抑制遺伝子は癌化プロセスにおいて重要視されている。そこで、我々は口腔扁平上皮癌について遺伝子解析手法を用いて研究を行った。
    Loss of Heterozygosity (LOH) とは染色体の微少欠失のことであり、高頻度のLOHの認められる染色体ゲノムDNA部分には癌抑制遺伝子の存在が示唆されると考えられる。過去の報告より、口腔扁平上皮癌4q22-35において、高頻度のLOHの報告があり、この部位に焦点を当てて解析を行った。
    4q22-35領域の17のマイクロサテライトマーカーを用いたLOH解析の結果、40症例中34症例 (85%) において少なくとも1つのマイクロサテライトマーカーでの欠失が認められた。そのうち、2つのマーカー (D4S2623, D4S1644) において高頻度のLOHが見られた。D4S2623では最も高い44%のLOHが認められた。
    高頻度のLOHを示したD4S2623付近の遺伝子を検索した結果、アポトーシスにおいて重要な役割を果たすCaspase-6遺伝子が存在していた。以上より、「口腔扁平上皮癌においてCaspase-6遺伝子が何らかの関連があることが示唆された。
  • —癌抑制遺伝子候補としてのCaspase-6の検討—
    神農 泰生, Mehmet Gunduz, 長塚 仁, Esra Gunduz, 辻極 秀次, 清水 憲二, 永井 教之
    2003 年 12 巻 3 号 p. 82-87
    発行日: 2003年
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    前報より、4q25 (D4S2623) において、高頻度のLOHが認められ、この領域にCaspase-6遺伝子が存在していることが確認された。Caspase-6遺伝子はアポトーシスに関連する遺伝子であり、癌抑制遺伝子として機能する可能性が十分に考えられる。
    そこで我々は、Caspase-6 mRNA 発現量を正常組織、腫瘍組織で比較し、解析した。40%の症例で、腫瘍組織におけるCaspase-6 mRNA 発現量の低下が認められた。同様に 30%の症例で変化が見られなかった。
    同時に、Caspase-6遺伝子における変異の解析を行った。Caspase-6 cDNA 塩基配列解析の結果、いかなる変異も認められなかった。
    .以上より、少なくとも一部の口腔扁平上皮癌の癌化のメカニズムにはCaspase-6遺伝子が関与していると考えられ、癌抑制遺伝子候補である可能性が示唆された。
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