副鼻腔炎のネブライザー療法による1%CMX鼻科用剤の有効性, 安全性および用量について客観的に評価するため, Well Controlled Studyによる比較試験を実施した.
1. 臨床効果は, 担当医判定による有効以上の有効率で20mg群72.7%, 40mg群84.2%と40mg群の方が優れる傾向を示したが, 委員会判定では20mg群72.7%, 40 mg群64.5%と両群間に有意な差は認められなかつた.
2. X線所見による効果判定は, 主治医判定では20mg群55.2%, 40mg群74.2%と40mg群の方が優れる傾向を示したが, 委員会判定においては20mg群64.2%, 40mg群74.2%と両群に有意な差は認められなかつた.
3. 細菌学的効果は20mg群56.6%, 40mg群75.5%と40mg群の方が優れる傾向を示した.
5. 副作用は20mg群において1例見られたが, 投与中止により消失し, 特に重篤なものではなかつた.
以上の成績は, 従来の抗菌化学療法剤, 消炎酵素剤等の全身投与による治療効果に比べ, 同等あるいはそれ以上の成績であり, CMX鼻科用剤はネブライザー療法においても優れた有用性のある局所療法剤であると考えられた.
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