副鼻腔炎に対するMeropenem (MEPM) の有効性と安全性を客観的に評価する目的で臨床分離株の感受性分布, 鼻粘膜などの組織内移行ならびに多施設同一プロトコールによる臨床的検討を行い, 次の結果を得た.
1. 臨床分離29株のMEPMのMIC
80はIPMと同様0.39μg/mlであり検討薬剤中で最も強い抗菌力を示した.
2. MEPMは上顎洞粘膜, 上顎洞貯留液および節骨洞粘膜への良好な移行を示した.
3. 臨床効果は29例で解析可能で, 有効率は主治医判定で76% (22/29), 委員会判定で93% (27/29) であった.
4. 細菌学的には, 臨床症例からの分離株32株すべてが消失した.
5. 副作用は1例も認められず, 臨床検査値異常は4例にみられたが, いずれの症例も軽度の変動であり臨床上問題となるものではなかった.
以上の成績からMEPMは副鼻腔炎に対して有用性の高い薬剤と考えられる.
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