巻号一覧
40 巻 (1994)
- 6 号 p. 861-
- 5 号 p. 733-
- 4Supplement2 号 p. 663･･･
- 4 号 p. 539-
- 3 号 p. 423-
- 2Supplement1 号 p. 248･･･
- 2 号 p. 109-
- 1 号 p. 1-
40 巻, 4Supplement2 号
選択された号の論文の8件中1～8を表示しています
- |<
- <
- 1
- >
- >|
-
西川 邦男1994 年 40 巻 4Supplement2 号 p. 663-674
発行日: 1994/09/10
公開日: 2013/05/10
ジャーナル フリー頭頸部癌切除に伴う下顎骨および軟部組織欠損の再建は, 顔面の形態保持のみならず機能的な面からも重要である. 当科における血管柄付き遊離肩甲骨皮弁を用いた下顎再建13症例の経験から, 咀嚼能再建について若干の考察を加えた.
肩甲骨皮弁は皮弁と骨弁が自由な位置関係をとることができ, 複雑な形態の下顎再建に適しているが, 骨弁の長さは, 約13cmに限定される. これ以内の骨欠損ならば, 再建部位を選ばず, 下顎骨再建が可能である.
咀嚼能再獲得の程度は, 残存下顎骨 (残存歯), 義歯装着, 残存舌の可動性に左右される. すなわち, 残存歯が多い場合や義歯が良好に装着できた場合は, 良好な咀嚼能再獲得が期待できる.
残存歯がなく, 義歯装着ができない場合, 咀嚼能再獲得のためには人工歯根などによる歯牙再建が必要と考える.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (24995K) -
―咀嚼能再建はどこまで可能か―中山 敏, 松浦 秀博1994 年 40 巻 4Supplement2 号 p. 675-686
発行日: 1994/09/10
公開日: 2013/05/10
ジャーナル フリーわれわれは血管柄付き骨移植, 再建用チタンプレートを用いて顎再建を行い, また移植骨への骨結合型インプラントを利用した歯牙再建に取り組んでいる. 上, 下顎部切除例の種々の切除範囲を含めて咀嚼機能評価を客観的および主観的に, ATP顆粒咀嚼検査と山本式食品別アンケート調査で行つた. 咀嚼機能の回復が良好な代表3症例から, 乏しい経験に過ぎないが, インプラント併用の骨移植により上部構造の安定した装着ができ, 咀嚼能をほぼ正常まで回復できると考える. 次に広汎顎骨切除14例について, 顎骨切除規模の面から機能調査を行つた. その結果, 下顎骨辺縁切除, 上顎骨切除例は良好であつたが, 半側切除例は不良であつた. 下顎骨区域切除は良好な例から不良な例まで幅があつた. 咀嚼機能回復は, 顎, 舌運動, 嚥下機能, 唾液分泌障害などの因子が影響するため, 再建術式の選択, 適応について, 機能評価にもとついた, さらなる検討を要する.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (25315K) -
―調音能再建の限界および誤嚥対策―浅井 昌大, 海老原 敏1994 年 40 巻 4Supplement2 号 p. 687-691
発行日: 1994/09/10
公開日: 2013/05/10
ジャーナル フリー現在のわれわれ国立がんセンター頭頸科における舌全摘・亜全摘の方針を示す.
1) 喉頭に病変が及ばなければ喉頭を温存し, 小さな浸潤があれば喉頭部分切除ないし亜全摘を加える (できるだけ発声管を保存). 誤嚥がひどいときは二次的に喉頭全摘をおこなう.
2) 舌も病変のない部分は温存し, できる限りそこへはいる舌下神経を追求保存する.
3) 舌尖はできる限り形成する.
4) 気管切開はできるだけ回避する. 繰り返すが決して縮小手術ではなくsurgical marginは十分確保している. あくまでも癌の切除と関係のない切除を避けているだけであり, それにともないできるだけ機能に影響を与えないようにするため気管切開を避けているものである. QOLを保持するためには医療側の努力もより大きく人手や手間もかさむが, 今後は要求水準が上がることは必至であり, 避け得ぬ道と考えている.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (11827K) -
岸本 誠司, 三浦 隆男, 土師 知行1994 年 40 巻 4Supplement2 号 p. 692-701
発行日: 1994/09/10
公開日: 2013/05/10
ジャーナル フリー舌亜全摘症例6例を対象として, 1) 問診による言語機能評価, 2) 発語明瞭度検査 (25音節), 3) 母音のホルマント周波数, 4) 光ディスクによるX線透視検査の4項目の構音機能検査を行つた.
これらの症例の内, 再建材料として大胸筋皮弁を用いた症例は術後の筋皮弁の容積の縮小による構音機能の低下が著明であつた.
これらの検査法の中で母音のホルマント周波数は舌の可動性を表す客観的検査法として, X線透視は構音点の変化を具体的に捉える検査法として, 術後の構音障害の問題点を探るための有用な指標となると考えた.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (20539K) -
―嚥下能・調音能再建の工夫―川端 一嘉, 鎌田 信悦, 高橋 久昭, 中溝 宗永, 苦瓜 知彦, 斉 日新1994 年 40 巻 4Supplement2 号 p. 702-705
発行日: 1994/09/10
公開日: 2013/05/10
ジャーナル フリー中咽頭切除後の機能は, その切除範囲に大きく影響され, なかでも, 軟口蓋側の切除範囲による影響が最も大きい. 実際の再建では, 鼻咽腔閉鎖機能を維持することに重点がおかれ, 現在は腹直筋に代表されるような, ボリュームがあり, 術後の萎縮の少ない皮弁による再建が最も適していると考えられている. しかし, この皮弁も用いかたによつては十分な機能がえられない.
再建上の留意点としては, 側壁に適度のボリュームをもたせ, 鼻咽腔は狭くすること, そして残存舌の可動性をそこなわないことがあげられる. しかし, 単にボリュームのある皮弁で側壁を充填するだけで, 軟口蓋の切除端をそのままにすると, 切除端は, 瘢痕性に萎縮し鼻咽腔が大きく開いてしまう. 軟口蓋の再建は一般に必要ないと考えられているが, これを考えるとむしろしつかり再建したほうが術後機能は良好と考えられる.
再建材料としては腹直筋が最も適していると考えられる. ただ前腕皮弁も用い方では良好な機能を得られ, 再建材料としてけつして悪いものではない.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (8294K) -
―下顎再建省略と再建時の工夫―鹿野 真人, 佐藤 和則, 菅野 秀貴, 大谷 巌1994 年 40 巻 4Supplement2 号 p. 706-718
発行日: 1994/09/10
公開日: 2013/05/10
ジャーナル フリー中咽頭癌切除後の再建では, 個々の症例における機能改善の目標は異なり, 症例の条件にあう再建法の選択が必要である. 今回, 手術侵襲の軽減と合併症防止の目的のために下顎再建を省略した症例について, その術後機能障害について検討した.
下顎半側切除後の下顎再建省略2症例は下顎再建例と比較して, 構音・嚥下機能障害の程度に差異を認めず, 下顎再建省略により生ずる下顎偏位, 顔貌の変形は腹直筋皮弁による再建, さらに下顎骨固定の工夫により防止可能であつた.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (29314K) -
―ライフワークを語る―酒井 俊一1994 年 40 巻 4Supplement2 号 p. 719-725
発行日: 1994/09/10
公開日: 2013/05/10
ジャーナル フリー1957年から1994年に至る筆者の上顎癌治療の足跡を回想し, その発展の経過を紹介した. 現在筆者の治療方針は, 放射線治療50Gy/5Wk, 5FU持続動注2000mg, 上顎洞は開窓し, 照射中の観察に止め, 照射終了3週後に拡大デンケル手術を行う. 上顎全摘出術は再発を確認した後に行う. これは筆者らが何度かにわたるトライアルの結果到達したものであり, 急な治療方針の変更はできない心境にある.
35年間にわたる癌治療を通じて, 患者とのインフォームドコンセントについての所信を述べた. 最後に, 癌治療医の資質として次の3点をあげた.(1) 過去の経験を速やかにフィードバックできること,(2) 生涯にわたつて継続できること,(3) 患者・家族の心情に交感できること.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (14976K) -
小川 一誠1994 年 40 巻 4Supplement2 号 p. 726-732
発行日: 1994/09/10
公開日: 2013/05/10
ジャーナル フリー進行癌と局在癌に対する化学療法の成績を主として比較研究を分析して総説した.
再発進行のHNSCCに対しては, CDDPと5FUの併用療法 (PF) が広く用いられているが, 生存期間でみる限りは例えばMTX単独と比較して有意な延長はなく, よつて治療の選択肢の1つと考えられる. PFを用いてのNACは, 最近の成績で手術不可能例で DFSの延長および生存率の向上と遠隔転移の減少が認められ, よつて確認試験をも含め研究する価値ありと考えられた. 新抗癌剤ではTaxolが有望である.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (13599K)
- |<
- <
- 1
- >
- >|