耳鼻と臨床
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40 巻, 6 号
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  • 伊達 和宏
    1994 年 40 巻 6 号 p. 861-874
    発行日: 1994/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    末梢性顔面神経麻痺の臨床症例および虚血性顔面神経麻痺動物モデルにおいて単一筋線維筋電図 (SFEMG) 法による検討を行つた.
    1) ヒト, ネコにおける正常口輪筋でのSFEMGのjitter値を記録し, その推計学的に5%危険率の棄却楕円図を作成した. 両者のjitter値および棄却楕円図は極めて近似していた.
    2) 麻痺軽症群および虚血性顔面神経麻痺モデルでは, 麻痺の回復とともにjitter値は正常化した.
    3) 麻痺重症群では, 麻痺の重症度の強い症例ほど, jitter値のばらつきもまた大きく, その値は正常群の棄却楕円図の遥か圏外に位置する傾向にある.
    4) 顔面神経の側頭骨外神経幹刺激によつて記録される口輪筋の誘発SFEMGのjitter値は, SFEMG法と同様に麻痺の回復過程の観察に有用である.
  • 神経病理組織との対比
    里見 文男
    1994 年 40 巻 6 号 p. 875-884
    発行日: 1994/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    虚血性顔面神経麻痺の動物モデルを用いて, 口輪筋部での誘発複合電位 (ENoG) 値と顔面神経水平部および頬筋枝の病理組織標本との対比検討を行つた. その結果, 1) 動物モデルの側頭骨内顔面神経の組織障害像は必ずしも一様ではない. 2) 組織学的検討から, 麻痺高度例では1週後の神経線維の形態学的変化は軽微ではあるが, 2週以降になると正常形態を有する神経線維数は著減するので, 顔面神経麻痺に対しては早期治療が必要であることが示唆された. 3) ENoG値は, 麻痺発症1週後には神経の組織学的障害度に先行して既に低値を示し, 2週後以降では組織学的な神経の障害度はENoG値の低値として反映され, 麻痺回復期ではENoG値は先行して上昇回復する. 4) ENoG法は, ENoG 値が機能している神経線維の数に比例するという考えに立脚した検査法であり, 今回の成績から実地臨床の上でも有用であると判定された.
  • 井之口 昭, 劉 飛, 小宮山 荘太郎
    1994 年 40 巻 6 号 p. 885-892
    発行日: 1994/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    回転刺激ならびにカロリック刺激に対する後視床下部ニューロンの応答を麻酔下モルモットにおいて検討した. 回転刺激を連続的に与えると63%のニューロンにおいてその自発放電頻度が変化した. この変化は刺激開始数分後より徐々に始まり, 刺激終了後も数分間持続した. 回転周期に同期した活動は示さなかつた. カロリック刺激を加えると約60%のニューロンが応答を示した. また温刺激で興奮するものは冷刺激でも興奮し, 温刺激で抑制されるものは冷刺激でも抑制された. このような反応様式は前庭性自律反応の発現および消退機序の説明によく合致すると思われた.
  • 要 英美, 伊東 盛恵, 吉原 俊雄, 夜久 有滋
    1994 年 40 巻 6 号 p. 893-897
    発行日: 1994/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    耳下腺に発生した脂肪腫を経験した. 脂肪腫は, 成熟した脂肪組織の増殖から成る非上皮性の良性間葉系腫瘍である. 良性軟部組織腫瘍の中では, 最も発生頻度が高いが, 耳下腺に発生することは比較的稀である. 諸家の報告を参考にしても発生率は, 全耳下腺腫瘍中1%前後であるが, 当教室における過去12年間の耳下腺腫瘍112症例中, 脂肪腫は今回の症例が初めでであり発生率は0.9%であつた. 一般的に良性腫瘍であり経過は良好であるが, 過去に悪性変化した脂肪腫の報告もあるため慎重な経過観察が必要であると考えられた.
  • 片橋 立秋, 嶋田 文之
    1994 年 40 巻 6 号 p. 898-901
    発行日: 1994/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    今回われわれは, 比較的稀とされる腎細胞癌の甲状腺への単独転移を経験した. 症例は56歳女性で前頸部の腫脹を主訴に来院した. 超音波検査, CTスキャン所見では両葉に腫瘤像を認めた. 201T1シンチでは集積が認められたものの, 吸引細胞診では良性病変が疑われた. 甲状腺右葉, 峡部切除術を行い, 術中迅速病理検査を行つたところ明細胞癌で腎よりの転移が疑われた. 実際に6年前に腎癌手術の既往があつた. 全身検索を行つたが, 他部位への転移は認められなかつたので残存甲状腺摘出術を行つた. 同様の報告は渉猟しえた範囲では本邦でこれまで9例の報告を見るのみであつた. 転移出現までの期間はほとんどが5年以上と長く, 転移性甲状腺癌にしめる腎癌の占める割合はもつと高いとする報告もあり, 特に腎癌の既往のある場合, 甲状腺腫の診断に際してはこのことを念頭に置く必要があると思われた.
  • 酒井 昇, 西澤 典子, 原 敏浩, 菅沼 俊哉, 小橋 真美子, 松島 純一, 犬山 征夫, 小市 健一, 山地 誠一, 木村 孝
    1994 年 40 巻 6 号 p. 902-904
    発行日: 1994/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    Woodman手術は両側反回神経麻痺に伴う呼吸困難に対する声門開大術として, 一般的に行われている術式である. 本手術における声門開大度は, 術後の呼吸機能ばかりでなく音声機能にも大きく影響するため, 適切に行わなければならない. 通常声門の開大度は, 声帯突起と甲状軟骨下角との間を結ぶ糸の緊張の具合を加減しながら, 喉頭直達鏡下に声門を目測して決めているのが現状である. 今回われわれは簡単でより客観性のある声門の測定法として, メッシュ片を使う方法を工夫したので, その概要につき文献的考察を加えて報告した.
  • 池田 元久, 渡辺 勇
    1994 年 40 巻 6 号 p. 905-910
    発行日: 1994/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    59歳男性で先天性鞍鼻, 2回の隆鼻術のためのシリコンプレート挿入および抜去, 殴打による鼻部外傷の既往によると思われる著しい鼻内瘢痕萎縮を持つ前頭洞嚢胞症例を経験した. 1回目の手術後, 2ヵ月目に再発をみた. 2回目の手術では嚢胞と鼻内の間に挿入したシリコンチューブの嚢胞端を眉毛直上部皮膚にナイロン糸で固定し, 鼻腔端は外鼻孔より内側で切断して外見上チューブ挿入がわからないようにして, 術後約1週間で職場復帰させた. 2ヵ月と9日間チューブを留置した結果, チューブ抜去後約4ヵ月を経過した時点でよく上皮化した前頭洞から鼻腔への排泄口が内視鏡下に観察され, CT所見も著明な改善をみた.
  • 当科における過去11年間の臨床的検討
    小田 明子, 吉原 俊雄, 石井 哲夫
    1994 年 40 巻 6 号 p. 911-915
    発行日: 1994/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    1982年から1993年までの間に, 当科にて治療を行つた男性10例, 女性5例の計15例の脂肪組織由来腫瘍について, 臨床的検討を行つた. 組織型は単純性脂肪腫が10例, 脂肪腫症が3例, 線維脂肪腫と, 脂肪肉腫がそれぞれ1例ずつであつた. 脂肪腫の大きさは, 直径3cm未満2例, 3cm以上10cm未満7例, 10cm以上1例であつた. 診断にはCT 検査が有用で, 脂肪腫は低信号で均一な像として描出された. 脂肪腫症は組織学上脂肪腫と区別されているが, CT画像上では鑑別は困難であつた. 治療についてであるが, 良性腫瘍では全摘出が, 脂肪肉腫では手術, 放射線照射, 化学療法の3者併用療法が施行された.
  • 金澤 丈治, 宇良 政治, 山内 昌幸, 唐 安洲, 村松 純, 楠見 彰, 名渡山 愛雄, 野田 寛
    1994 年 40 巻 6 号 p. 916-922
    発行日: 1994/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    Glomus tympanicum tumorの1例を報告した, 本症例は, 難聴を主訴とし拍動性耳鳴も伴っていた. 耳鏡所見では, 鼓膜を透して拍動性の腫瘍を認めた. 術前の画像診断で, 腫瘍は鼓室内に限局しているものと考え, 中耳根治術を施行した. また, 術中の生険により腫瘍の残存が認められたため放射線療法を追加した, 現在. 外来で経過観察しているが再発の徴候はない.
    本邦での報告例を集計し考察を加えた.
    その結果. 拍動性耳鳴は, 本症の早期診断のために重要な症状であると思われた.
  • 糸数 哲郎, 古謝 静男, 神谷 聰, 真栄城 徳秀, 江洲 浩明, 野田 寛
    1994 年 40 巻 6 号 p. 923-927
    発行日: 1994/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    1986年から1991年までに, 琉球大学医学部附属病院耳鼻咽喉科にて手術を行つた下咽頭癌41例について検討した. 41例のうち20例は手術単独, 21例は術後照射を併用した. 術後19例 (46%) に再発を認め, 再発部位としては頸部リンパ節が最も多く8例 (42%) を占めていた. 頸部リンパ節の中ではルビエールリンパ節, 鎖骨上窩リンパ節が多かつた. また術後の再発は, 初診時の頸部リンパ節転移の進展度と相関性が示唆された. 手術単独群と術後照射群を比較すると, 手術単独群では35%, 術後照射群では57%に再発を認め, 腫瘍の再発防止のために, 術後照射の改善が必要と考えられた. 今後の治療成績の向上のためには, 頸部リンパ節の十分な郭清と, 化学療法を含めた治療法の検討が必要であると思われた.
  • 古謝 静男, 糸数 哲郎, 神谷 聰, 真栄城 徳秀, 江洲 浩明, 山内 昌幸, 野田 寛
    1994 年 40 巻 6 号 p. 928-932
    発行日: 1994/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    頸部郭清と同時に合併切除された頸動脈を組織学的に検索し, 癌細胞の頸動脈壁への浸潤様式について検討した. 浸潤は照射と郭清術の両者が施行された例 (1例中1例) で著明であり, 動脈壁の内膜まで達していた. しかし動脈壁に沿つた癌細胞の進展は認められず限局的な浸潤にとどまるものであつた. 頸部郭清術や放射線照射が施行された後では, 頸動脈壁は脆弱となり, 癌細胞が頸動脈壁へ浸潤しやすいと考えられた (観察例1例). 再建技術の進歩により, 頸動脈を癌病巣とともに切除することは不可能ではない. その際血管の安全切除域はわれわれの経験では肉眼的浸潤部から10mmであつた. 血管切除を施行した3症例では半年から1年の観察期間内に他臓器への遠隔転移は認められなかつた.
  • 朝隈 真一郎
    1994 年 40 巻 6 号 p. 933-936
    発行日: 1994/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    突発性難聴の原因は不明であるが多様な病態が推測され, 一つの症候群であると考えられる. 治療法に関する報告を見ると, その症候群に対して, ある治療を行ない, その有効性を統計学的に検討したものが多い. そのような方法で有意な有効性が証明できなくても, その治療が多様な病態のすべてに有効でないのか, 一部の病態のものには有効であるのか不明である. 突発性難聴の治療法の研究では, 小数でも確実に有効であつた治療法を探すほうが合理的ではないかと考えられる.
  • 鈴木 衞, 益田 慎, 平川 勝洋, 夜陣 紘治
    1994 年 40 巻 6 号 p. 937-940
    発行日: 1994/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    再手術81耳にみられた遺残性真珠腫再発症例22耳について検討し, 以下の結果を得た.
    1. PF型真珠腫の遺残発見率は20%, PSQ型真珠腫では53%であつた.
    2. 遺残性真珠腫のサイズについては, 鼓膜の4分の1以下のものが67%をしめていた.
    3. PSQ型では, 遺残の場所としては, アブミ骨周囲が最も多かつた.
    4. 小児例では遺残のサイズの大きいものが多く, 短期間に増大する傾向があつた.
    5. 湿潤耳では遺残のサイズの大きいものが多かつた.
  • 井上 裕章, 中尾 圭介, 平野 哲雄, 岩元 正広, 久 和孝, 小宮山 荘太郎
    1994 年 40 巻 6 号 p. 941-944
    発行日: 1994/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    われわれは閉眼単脚直立検査を迷路機能低下(CP)のスクリーニングとして利用できないかと考え, 一側CP患者171人の閉眼単脚直立検査の結果をCPの程度および年齢別に検討し, 正常者293人の年齢別の結果と比較した. 一側のsevere CPもしくはcomplete CPの場合, 閉眼単脚直立は20, 30歳代では可能な例がみられたが, 40歳以上では全例不能であつた. 一側のmoderate CPの場合, 70歳代以外の20歳代から60歳代の各年代に閉眼単脚直立可能例がみられた. 正常者では20, 30歳代は99%が閉眼単脚直立可能であつたが, 40歳以上では不能例が増加した. これらのことより, 閉眼単脚直立可能の場合には, 患者が40歳以上であればsevere CPやcomplete CPをほぼ否定できるが, moderate CPについては年齢によらず否定できない. 閉眼単脚直立不能の場合には, 患者が20, 30歳代であればCPを含めた前庭系の異常を強く疑うことができる.
  • 藤野 睦子, 久 和孝, 小宗 静男, 君付 隆, 中川 尚志, 小宮山 荘太郎
    1994 年 40 巻 6 号 p. 945-948
    発行日: 1994/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    小児の心因性難聴30名に対して, その自然経過を調査した. 今回は心理面からのアプローチによる加療を施行せず, その病態を十分に説明した後, 平均40カ月の経過観察を行い, その治療成績を検討した. 聴力の改善率は86%であつた. 中学校を卒業したグループでの改善率は96%とさらに良好であり, 小児の心因性難聴は中学校を卒業する年齢になると自然に治癒することが多いと推察された. 心因性難聴と診断された時点で, 実際に難聴のために支障をきたしていた症例は21例中1例のみであつた. 小児の心因性難聴の場合, 多くの症例では特に積極的な加療を必要としないことが示唆された.
  • 井野 千代徳, 木下 卓也, 加藤 真子, 稲村 達哉, 井野 素子, 山下 敏夫
    1994 年 40 巻 6 号 p. 949-953
    発行日: 1994/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    口腔乾燥感を有する症例の早朝唾液を調べるとcandidaの陽性率は71%であるのに対して, 対照例では, 56%であつた. ガム試験と安静時唾液量検査を行い, 両者とも低下していた症例群は, candida検出率およびその密度とも, 対照群との間に大きな差を認めた. 一方, 両者とも正常域にあつた症例群では, 検出率および密度とも対照群との間にほとんど差は認められなかつた. candidaの密度が(+)以上の症例に, 抗真菌剤であるフロリードゲルを2週間投与したところ, 全例にcandidaの消失ないしは減量を認めた. その有効率は80%であつた. 自覚症状の改善は93%に認められたが, そのうち「乾燥感の改善域は消失」は23%であつた. candidaは唾液腺機能低下の顕著な症例に多く認められ, candidaの存在自身が, 口内乾燥感の少なくとも間接的な要因に成りうると判断した.
  • 柏村 正明, 福田 諭, 間口 四郎, 佐藤 信清, 佐藤 公輝, 古田 康, 菅沼 俊哉, 川浪 貢, 千田 英二, 松村 道哉, 庄田 ...
    1994 年 40 巻 6 号 p. 954-958
    発行日: 1994/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    ピリドンカルボン酸系経口抗菌剤であるトシル酸トスフロキサシンの耳鼻咽喉科領域感染症の患者92例に対する使用経験を検討し, 以下の結果を得たので報告する.
    1) 臨床効果は全体で79%, 急性感染症では88%, 慢性感染症の急性増悪で71%の有効率であった.
    2) 疾患別の有効率は咽喉頭炎100%, 扁桃炎95%, 中耳炎63%, 副鼻腔炎73%であつた.
    3) グラム陽性菌検出例における有効率は88%, グラム陰性菌検出例における有効率は100%であつた.
    4) 副作用は92例中1例のみに軽度の下痢が認められたのみであつた.
    以上よりTFLXは耳鼻咽喉科領域の感染症に対して有用度の高い薬剤であると考えられた.
  • 柳 英博, 肥塚 泉
    1994 年 40 巻 6 号 p. 959-961
    発行日: 1994/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    嗅覚障害を主訴とした慢性副鼻腔炎患者15名に対し, 治療薬の併用効果を検討した. 治療薬はロキシスロマイシンが1日300mgを分2経口投与し, 塩酸アゼラスチンは1日2mgを同じく分2経口投与した, 投与期間は8週間とした.
    ロキシスロマイシン単独投与群(8例)の嗅覚障害改善度は71%であり, ロキシスロマイシン・塩酸アゼラスチン併用群(7例)では67%であり, 両群に差は見られなかつた. しかし, 1例ではあるが併用群に著効例がみられ, 併用により改善が高まつた可能性がある. 今後は症例数を増やし, またより客観的な評価方法を試みる必要があると思われた.
  • 急性化膿性中耳炎および慢性化膿性中耳炎の急性増悪症
    阪上 雅史, 白石 孝之, 久保 武, 松永 亨, 松本 達始, 石田 稔, 神畠 俊子, 浅井 英世, 前谷 修, 坂口 喜清, 守田 雅 ...
    1994 年 40 巻 6 号 p. 962-968
    発行日: 1994/11/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    OFLX耳用液の急性化膿性中耳炎および慢性化膿性中耳炎の急性増悪症に対する有用性, 安全性を検証する目的でOFLX経口薬投与群と比較検討した.
    その結果, 0.3%OFLX耳用液群は臨床効果, 有用性, 細菌学的効果においてOFLX経口薬群と同等の効果を示した. 細菌消失率, 副作用の発現においても両群に有意の差はなかつた.
    以上より, OFLX耳用液単独使用は, 急性化膿性中耳炎および慢性化膿性中耳炎の急性増悪症に対して, OFLX経口薬と同等の有効性が得られることがわかつた. 特に小児やOFLX経口薬が使えない重篤な全身疾患患者の中耳炎の治療にOFLX耳用液は非常に有用であると考えられた.
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