喉頭アレルギーについて実験的, 臨床的な面から検討した. 動物実験はOA感作モルモットを作製した上, 一部脱感作 (高木氏法) し, 正常群, OA感作群, 脱感作群につき, OA吸入域値, 血清PCA値, IgG
1, IgG
2を測定し, 組織学的には喉頭粘膜と鼻粘膜を同時に比較検討した. 組織学的には感作された喉頭粘膜, 特に披裂部粘膜内に軽度浮腫と好酸球, 好塩基球の浸潤を認めたが鼻粘膜の変化ほど著明ではなかった.
臨床面では, 症状と喉頭所見につき, 鼻アレルギー患者137例を対象として, 花粉飛散期とそれ以外の時期で比較し, 喉頭アレルギーの診断基準を,(1) 咽喉頭部のイガイガ感, つまつた感じ, 異物感と, 暖声や呼吸困難をともなわない持続性の乾性咳発作 (主として夜間) が特徴的である.(2)喉頭所見は披裂部粘膜または喉頭粘膜のやや蒼白浮腫状腫脹を呈する.(3)アレルギI体質を有し, 皮内反応, RAST陽性を示すものと考えられた.
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