耳鼻咽喉科領域感染症に対するgrepafloxacin (GPFX) の臨床的検討を行い, 次の成績を得た.
1. 臨床効果は, 中耳炎88.3%, 外耳炎80.0%, 副鼻腔炎83.7%, 扁桃炎84.6%, その他の感染症80.0%で, 全体では85.1%の有効率であつた.
2. 分離菌別細菌学的効果は, グラム陽性菌91.2%, グラム陰性菌94.4%で, 全体では91.3%の消失率であつた.
3. 副作用は150例中9例 (6.0%) に認められ, 消化器系のものが中心であつた. 臨床検査値異常は83例中6例 (7.2%) に認められ, s-GPTの上昇が中心であつた.
4. 有用性は, 中耳炎85.2%, 外耳炎72.7%, 副鼻腔炎88.4%, 扁桃炎84.6%, その他の感染症80.0%で, 全体では84.0%の有用率であつた.
以上の成績より, GPFXは耳鼻咽喉科領域感染症に対して有用性の高い薬剤であると考えられた.
抄録全体を表示