耳鼻と臨床

[第8回頭頸部癌化学療法研究会]頭頸部癌に対する化学療法併用放射線療法 (CT/RT) の現状と今後の発展

藤井博文

2003 年 49 巻 4Supplement3 号 p. S163-S166
発行日: 2003/11/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.49.4Supplement3_S163

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[第8回頭頸部癌化学療法研究会]少量白金製剤併用放射線化学療法と超選択的動注療法

本間明宏, 古田康, 永橋立望, 八木克憲, 鈴木章之, 牛越聡, 浅野剛, 白土博樹, 西岡健, 犬山征夫, 福田諭

2003 年 49 巻 4Supplement3 号 p. S167-S174
発行日: 2003/11/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.49.4Supplement3_S167

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1) 頭頸部原発扁平上皮癌局所切除可能新鮮例に対して放射線とCDDPあるいは CBDCAとの同時併用の無作為化比較試験を行った。CDDP群は4mg/m²を照射日に連日、CBDCA群は100mg/m²を週に1回、照射前に点滴静注した。原発巣の制御率はCBDCA群 (n=60) では5年56.2%、CDDP群 (n=59) は35.5%であった (p=0.03)。副作用は両群とも許容範囲のものであった。CDDPの量の設定が少なかった可能性はあるが、CBDCAの方が有用であると考えられた。2) 手術不能あるいは手術拒否した進行癌29例に対して超選択的動注と照射の同時併用を行った。2 年粗生存率は42.9%、原発巣が制御されたのは21例 (72.4%) であった。有害事象のうちgrade III以上の頻度の高いものは白血球減少、粘膜炎であった。また、経過中 MRSA肺炎、菌血症、四肢麻痺となったのがそれぞれ1例あった。超選択的動注療法と照射の同時併用は手術不能例を含めた進行癌においても高い局所制御率が得られる治療であることが確認された。

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[第8回頭頸部癌化学療法研究会]放射線化学同時併用療法 (FAR療法) による頭頸部癌の治療

山本智矢, 熊本芳彦, 倉富勇一郎, 冨田吉信, 小宮山荘太郎

2003 年 49 巻 4Supplement3 号 p. S175-S180
発行日: 2003/11/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.49.4Supplement3_S175

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頭頸部癌の治療では嚥下、音声をはじめ聴覚、嗅覚、味覚、整容などの重要な機能を保存し、患者のQOLを維持することが重要である。頭頸部癌の治療成績を向上して臓器温存率を改善するために、当科では放射線療法に5-FUとvitamin Aを併用する放射線化学療法 (FAR療法) を採用している。FAR療法では30 Gyの時点で治療効果を判定し、腫瘍がCRもしくはCRに近い状態の場合は総量60-70 Gyまで照射を続行し、治療効果が不良の場合は手術療法を選択する。FAR療法による頭頸部癌の治療成績は良好であり、喉頭声門癌の死因特異的5年生存率は92.6%であった。このように、FAR療法は治療成績の向上や臓器保存率の向上を通じて、QOLの改善に有用である。

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[第8回頭頸部癌化学療法研究会]頭頸部癌に対するドセタキセル併用放射線療法の臨床第I/II相試験

藤井正人, 佃守, 佐竹文介, 吉積隆, 久保田彰, 木田亮紀, 大上研二

2003 年 49 巻 4Supplement3 号 p. S181-S187
発行日: 2003/11/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.49.4Supplement3_S181

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ドセタキセル (DOC) と放射線治療の同時併用に関してDOCの至適投与量と投与スケジュールを決定し、その効果と副作用を検討するために臨床第I/II相試験を行った。頭頸部癌扁平上皮癌症例に対して1日2 Gyで合計60 Gyの照射を行い、DOCを毎週1回放射線療法終了まで合計6回点滴投与した。第I相試験では、level 2であるDOC 15mg/m²において用量規定因子であるgrade 3/4の粘膜炎、grade 3の疼痛が6例中4例に発現し、level 2が最大投与量と判断された。そこで推奨用量をlevel 1の10mg/m²として第II相試験を行った。第1相試験ではstage II以上で35例の適格例に対し3例は副作用のために放射線療法が中断されたため効果判定を行わず32例 (91.4%) で評価可能であった。全体の奏効率は96.9%でCR率は50.0%であった。grade 3以上の副作用はリンパ球減少が64.7%, で粘膜炎が41.2%であり食欲不振が20.6%であった。DOCと放射線療法の同時併用は低容量のDOCにもかかわらず優れた効果を示し、また治療完遂率も90%以上であり今後期待の持てる治療法であるがさらに長期成績を検討すべきと考えられる。

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[第8回頭頸部癌化学療法研究会]I. 放射線化学同時併用

福田諭, 藤井博文, 本間明宏, 山本智矢, 藤井正人

2003 年 49 巻 4Supplement3 号 p. S188-S190
発行日: 2003/11/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.49.4Supplement3_S188

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[第8回頭頸部癌化学療法研究会]広範囲口腔・中咽頭切除における輪状咽頭筋切除術の役割

藤本保志, 長谷川泰久, 中島務

2003 年 49 巻 4Supplement3 号 p. S191-S195
発行日: 2003/11/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.49.4Supplement3_S191

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口腔・中咽頭癌切除例における輪状咽頭筋切除術の安全性と効果を検証した。対象は 1992年10月から2002年2月まで輪状咽頭筋切除術を施行した89例である。75例は喉頭挙上術と併用した。有効性に関しては輪状咽頭筋切除術を単独で施行した14例で検討した。単独施行の適応は、a) 舌下神経. 迷走神経切除、b) 広範囲中咽頭切除 (喉頭挙上の構造を温存)、c) 高齢者舌根切除例の三通りである。安全性の検討: 術後反回神経麻痺は見られず、食道穿孔は4例に認められたが一期縫縮後、術創感染はなかった。有効性の検討: 14例中13例は容易に経口摂取が可能となった。1例は後日喉頭挙上術を追加した後に経口摂取可能となった。本術式は梨状窩貯留を減少させ下降期誤嚥の予防手段として有用であるが単独施行の条件は喉頭挙上制限が軽度であることである。

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[第8回頭頸部癌化学療法研究会]輪状咽頭筋切除術を伴わない広範囲舌切除後再建の成績

木股敬裕, 桜庭実, 菱沼茂之, 大山和一郎, 林隆一, 松浦一登, 山崎光男, 海老原敏

2003 年 49 巻 4Supplement3 号 p. S196-S200
発行日: 2003/11/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.49.4Supplement3_S196

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1999年から広範囲舌切除後の再建において、隆起・半隆起型の再建舌を目指し次の点に留意した。1) 腹直筋皮弁の選択、2) 痩せた症例では2皮島皮弁の移植、3) 喉頭下垂防止術 (術前の安静時の位置ぐらいまで喉頭を戻す)、4) 輪状咽頭筋切除術は行わない、である。今回、喉頭温存に関する結果と問題点を報告する。対象は44症例で、その内訳は舌亜全摘術が32例、舌全摘術が12例で、男性38例、女性6例、平均年齢は54.3歳 (19-75歳) であった。気管孔を閉鎖し、経口可能となったのは39例 (88.6%) と良好な結果が得られた。再建舌形態は隆起型32例 (72.7%)、半隆起型11例 (25%)、平坦型1例 (2.3%) であった。しかし、5例において誤嚥ならびに肺炎を併発し、胃瘻の造設となった。この原因としては術後の体重減少や、意欲の低下、舌根部分の形態不良などが考えられ今後の課題として残った。

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[第8回頭頸部癌化学療法研究会]二期的輪状咽頭筋切断術の効果と困難さ

津田豪太

2003 年 49 巻 4Supplement3 号 p. S201-S206
発行日: 2003/11/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.49.4Supplement3_S201

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頭頸部腫瘍術後に生じた嚥下障害重症例に二次的な輪状咽頭筋切断術を施行した13例について検討した。治療効果としては、通常の脳血管障害などに行った輪状咽頭筋切断術症例と比べても遜色はなかった。ただ、術後性瘢痕や筋皮弁のために手術アプローチに難渋する症例が認められたり、鼻咽孔閉鎖不全による咽頭圧の低下に対し下咽頭圧を平定化する代償目的で施行された症例が散見された。一次治療を担当した施設との連携が十分とはいえないために、治療方針決定に時間を要することがあり今後の課題と思われた。

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[第8回頭頸部癌化学療法研究会]II. 術後嚥下障害-頭頸部癌術後の嚥下機能、特に輪状咽頭筋切除の必要性について-

長谷川泰久, 藤本保志, 木股敬裕, 津田豪太

2003 年 49 巻 4Supplement3 号 p. S207-S212
発行日: 2003/11/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.49.4Supplement3_S207

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[第8回頭頸部癌化学療法研究会]耳下腺癌における顔面神経保存の適応と手術手技

林崎勝武, 竹内洋介, 佐々木慶太, 島本裕彰

2003 年 49 巻 4Supplement3 号 p. S213-S217
発行日: 2003/11/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.49.4Supplement3_S213

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耳下腺癌手術における顔面神経保存の適応に関し、組織型によって神経保存の可否が決められるか、視診、触診を含めたさまざまな診断法がどの程度有用であるかにつき自験例を基に述べた。術前の組織型に関して、現在ではFNA (fine needle aspiratnon bnopsy) で診断するのが一般的であるが、低悪性では顔面神経は原則保存、高悪性では原則切除し、神経移植を行う。しかし大部分を占める中間型のものでは術中の所見で判断する。臨床症状では顔面神経麻痺の有無、腫瘍の大きさ、可動性が重要であり、画像診断では唾影法、CT、MRI、超音波断層法それぞれに有用であるが、顔面神経の保存の可否に関しては参考となる程度である。顔面神経を損傷なく保存する手術手技について、顔面神経の露出法、剥離の要領、神経保護の方法につき、北村法を中心にその要点を述べた。腫瘍に少しでも顔面神経が癒着していれば、神経の切除を行い、神経移植を行うべきである。

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[第8回頭頸部癌化学療法研究会]耳下腺癌の手術術式

-顔面神経保存の適応の検討-

岩井大, 山下敏夫

2003 年 49 巻 4Supplement3 号 p. S218-S222
発行日: 2003/11/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.49.4Supplement3_S218

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術前遠隔転移のない耳下腺原発癌腫新鮮症例46例を対象として、予後因子をふまえつつ、顔面神経処理法につき検討した。術前顔面神経麻痺陰性例では、腫瘍が癒着していない限り顔面神経は温存でき、癒着していればその部を安全域とともに切除すれば、特に予後に影響しないのではないかと考えた。一方、術前顔面神経麻痺 (T4) があると予後が悪く、特に高悪性度癌症例では厳重な治療が必要であると考えた。すなわち、顔面神経と腫瘍との癒着部位に手術操作を加えることなく、1.5cm以上の安全域をつけて腫瘍と耳下腺とをen bloaに切除し、腫瘍の局所および全身への播種を出来るだけ防止する工夫が必要と考えた。

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[第8回頭頸部癌化学療法研究会]耳下腺癌の手術術式

藤賢史, 綾田寅之進, 檜垣雄一郎, 冨田吉信

2003 年 49 巻 4Supplement3 号 p. S223-S228
発行日: 2003/11/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.49.4Supplement3_S223

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1972年3月から1999年12月までに国立病院九州がんセンターで一次治療を行った耳下腺癌45例について検討を行った。このうち、41例に根治治療が施行され、全症例の死因特異的5年 (10年) 生存率は72% (59%) であった。T4、病期III・IV期、N+、顔面麻痺を認める症例、病理学的に高悪性度の症例は予後不良であった。術後治療として放射線照射は有効であった。

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[第8回頭頸部癌化学療法研究会]III. 耳下腺癌の手術術式-顔面神経の保存の適応-

冨田吉信, 林崎勝武, 岩井大, 藤賢史

2003 年 49 巻 4Supplement3 号 p. S229-S235
発行日: 2003/11/20
公開日: 2013/05/10

DOIhttps://doi.org/10.11334/jibi1954.49.4Supplement3_S229

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