ペニシリン系抗菌薬が無効の膿性後鼻漏を認める急性細菌性副鼻腔炎症例72名に対して、garenoxacin (GRNX) 400mg/dayを投与し有用性を検討した。総投与例72名中副作用のためGRNXの投与を中止した1名を除いた71名を、有効性評価対象症例とした。自覚症状の改善率は85%、他覚所見の改善率は87%と高い改善率を示した。鼻レントゲン所見の改善率は68%と、自覚症状の改善率、他覚所見の改善率と比較し有意に低かった。細菌学的検討では、膿性後鼻漏より91株が検出されそのうち
S. pnenmonin10株 (11%) 、
H. influenzae59株 (65%) 占めた。検出菌と自覚症状、他覚所見の改善度との関係は、複数菌検出例は単独菌検出例より若干低い改善率を示した。副作用では下痢1名、カンジダ性膣炎1名計2名 (2%) 認めた。ペニシリン系抗菌薬が無効の急性細菌性副鼻腔炎の主な起炎菌は
H. iinfluenzaeであり、これに対する第二選択剤としてGRNXは高い有用性を持つことが確認された。
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