耳鼻と臨床
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55 巻, Suppl.1 号
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第14回頭頸部癌化学療法研究会
I. 頸部リンパ節郭清術後のリハビリについて
  • 丹生 健一
    2009 年 55 巻 Suppl.1 号 p. S1-S2
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
  • 鬼塚 哲郎, 飯田 善幸, 上條 朋之, 浅野 理恵, 中村 哲, 田沼 明, 中川 雅裕
    2009 年 55 巻 Suppl.1 号 p. S3-S10
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
    頸部郭清術において、副神経が切除された場合はもちろん、副神経が保存されていてもその多くが、筋鉤をはじめとした牽引操作などにより、副神経麻痺を来している。よって当院では頸部郭清術後は、副神経の保存、切除にかかわらず、僧帽筋麻痺の程度を評価し、リハビリテーションの必要性を検討している。僧帽筋麻痺の程度を知るためには、上肢自動外転角度測定や肩甲骨外側偏位、下垂を視診、触診で評価することが有用である。実際のリハビリテーションは不動による肩周囲関節の拘縮予防が主であり、肩関節可動域訓練 (ROM 訓練) が重要である。ROM 訓練は肩甲骨の外側偏位・下垂を矯正するため、上肢の重力を除き肩甲骨が内転位になるような仰臥位や約 30°ギャッジアップしたベッド上から開始する。副神経保存例では約 6 カ月以内に上肢自動外転角度が正常化する。副神経切除例でも ROM 訓練、代償筋の鍛練などのリハビリテーションにより日常生活に大きな支障がない程度の上肢運動が得られる。
  • 上村 裕和, 吉野 邦俊, 藤井 隆, 鈴木 基之
    2009 年 55 巻 Suppl.1 号 p. S11-S19
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
    頸部郭清術後に頸部と原発巣に根治照射を施行した下咽頭癌 31 例と根治照射後再発に対して頸部郭清術を施行した 16 例を対象として術中の問題点、術後合併症、喉頭温存率、死因特異的 5 年生存率を retrospective に比較検討した。また、頸部郭清術後の quality of life (QOL) に関する補助的評価も試みた。放射線治療を先行するよりも頸部郭清術を先行して根治照射を行う場合には術中の操作、術後機能温存の点で優れる部分があり、照射先行での頸部リンパ節転移の制御が困難と予測される症例を選別して施行した場合には妥当性のある治療選択肢となると考えられた。さらに比較検討を重ねる余地があるが、頸部郭清術後の QOL の点でも優れる可能性があると考えられた。
  • 岩江 信法, 平山 裕次, 小松 弘和
    2009 年 55 巻 Suppl.1 号 p. S20-S26
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
    concurrent chemoradiotherapy (CCRT) 後の planned neck dissection (PND) がquality of life (QOL) にもたらす影響、特に頸部症状や上肢挙上度、治療後の患者満足度について、アンケートを用いて CCRT 症例と比較検討した。郭清範囲を転移陽性領域中心に限局して行い、胸鎖乳突筋、副神経、内頸静脈を可能な限り温存して PND を施行した症例を PND 群、CCRT 施行後に PND を施行しなかった症例を CCRT 群とした。PND 群では CCRT 群と比較して、肩や首の硬さ、締め付け感、しびれ、外観の変化、肩の下がりなどの項目で有意に劣る結果であったが、上肢挙上度に有意差はなかった。また PND 施行側の比較では、利き腕側施行群で非利き腕側施行群よりも満足度が低い傾向が認められた。
  • 丹生 健一, 鬼塚 哲郎, 上村 裕和, 岩江 信法
    2009 年 55 巻 Suppl.1 号 p. S27-S41
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
II. 頸部リンパ節手術―口腔癌N0症例について―
  • 大森 孝一
    2009 年 55 巻 Suppl.1 号 p. S42-S44
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
  • 朝蔭 孝宏, 岸本 誠司, 斉川 雅久, 林 隆一, 川端 一嘉, 林崎 勝武, 土井 勝之, 吉積 隆, 丹生 健一, 白根 誠, 中谷 ...
    2009 年 55 巻 Suppl.1 号 p. S45-S54
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
    目的:舌癌 T2N0 症例における適切な頸部の取り扱いを明らかにすること。対象・方法:厚生労働省がん研究班の参加多施設における舌癌 T2N0 症例 180 例を対象に retrospective に検討を行った。結果:潜在的頸部リンパ節転移を 32%の症例に認めた。転移の部位としては患側の顎下・オトガイ下、上・中深頸部領域が大半を占めた。これらの潜在転移は腫瘍の厚みが 6 mm 以上の症例で有意に多かった(p=0.03)。予防的頸部郭清術施行例では術後頸部リンパ節転移は有意に少なかったが (p=0.03)、死因特異的生存率に有意差を認めなかった。考察:もし予防的頸部郭清術を施行するとすれば腫瘍の厚みが 6 mm 以上の症例に対して、患側の supraomohyoid neck dissection を施行するのが妥当と考えた。しかしその意義についてはなお検討の余地があると考えた。
  • 松塚 崇, 三浦 智広, 横山 秀二, 鈴木 政博, 國井 美羽, 岡野 渉, 鈴木 亮, 池田 雅一, 鹿野 真人, 大森 孝一
    2009 年 55 巻 Suppl.1 号 p. S55-S62
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
    当科では不要な郭清を減らすことを目指して 2000 年よりセンチネルリンパ節 (SN) 生検に関する研究を行っており、舌癌 N0 症例にSN 生検を施行している。これまでに25 症例に対しSN 生検を行い、その後の経過を検討した。SN 同定率は 100%であった。トレーサーの種類により検出されるSN の個数は変化した。25 例中 5 例 (20%) はSN に転移を認めた。術後後発転移は 2 例あった。この 2 例は顎下部再発で、転移リンパ節はトレーサー注入部に近かった。鉛板でトレーサー注入部と探索部を遮蔽したところ、後発転移は認めなくなった。SN の検出はいったん方法を習得すれば難易度は高くなく、信頼性の高い検査であるといえる。SN 生検で陽性の 5 例全例においてSN 以外のリンパ節に転移を認めなかったが、頸部再発が 2 例に認められた。2 例とも舌リンパ節転移と考えられる口腔底粘膜下の再発であった。SN 陽性の場合、進行例に準じた治療を考慮すべきである。
  • 安里 亮, 神田 智子, 楯谷 一郎, 田村 芳寛, 平野 滋, 伊藤 壽一
    2009 年 55 巻 Suppl.1 号 p. S63-S68
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
    N0 口腔癌に対する予防的頸部郭清の適応と効果について明らかにするため、2003 年から 2008 年までの京都大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科において初回治療時に手術を行った口腔扁平上皮癌 87 例を対象に予防的頸部郭清群と非郭清群につき検討した。結果は早期癌 (I 期 + II 期) では有意差はないものの予防郭清群では非郭清群に比べ、予後が良い傾向にあった。頸部リンパ節転移再発では、救済手術を行っても半数で再発により腫瘍死し、予防郭清の有用性が示唆された。
  • 大森 孝一, 朝蔭 孝宏, 松塚 崇, 安里 亮
    2009 年 55 巻 Suppl.1 号 p. S69-S82
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
III. 化学放射線療法 (CCRT) と頸部制御
  • 藤井 正人
    2009 年 55 巻 Suppl.1 号 p. S83-S84
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
  • - Planned Neck Dissection か Salvage Neck Dissection か -
    清田 尚臣
    2009 年 55 巻 Suppl.1 号 p. S85-S90
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
    化学放射線療法後に行われる planned neck dissection (Planned ND) は、原発巣に比べると頸部リンパ節転移の制御率が低いことを補う目的で行われる治療戦略の一つである。しかし、近年の放射線照射技術の進歩、化学放射線療法治療強度の増強および治療効果に対する診断技術の向上により、文字どおりの Planned ND ではなく、治療後の効果を適切に診断して必要に応じて ND を追加する方針に戦略は変わりつつある。これまでの報告からすれば、現時点で Planned ND を行うとすれば N2 (特にN3) 以上の症例であるが、CT・MRI・PET-CT などの診断技術を用いて治療終了後に遺残がない (Complete Response : CR) と診断されれば経過観察を行い、必要に応じて salvage neck dissection (Salvage ND) を行うという方針も成り立つようになってきている。
  • 徳丸 裕, 藤井 正人, 羽生 昇, 矢島 陽子, 萬 篤憲
    2009 年 55 巻 Suppl.1 号 p. S91-S97
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
    2003 年から 2007 年までに当科にて CDDP + 5-FU 併用もしくは Docetaxel 併用の化学放射線療法 (concurrent chemoradiotherapy : CCRT) を施行した病期 II - IV の中・下咽頭癌、喉頭癌症例のうち、頸部リンパ節転移を有し、かつ治療効果が判定可能であった 69 例を対象とした。CCRT による頸部制御の治療成績は、N1、N2a においては比較的良好であり、残存もしくは再発に対しても救済頸部郭清術を施行することにより制御可能であった。しかしながら、N2c 以上の頸部病変に対する CCRT の効果は不十分で、また遠隔転移も高頻度に認められたことから、併用化学療法のより強力なレジメンの開発や導入化学療法を検討するべきと考えられた。CCRT により CR が得られた頸部病変に関しては、頸部のみに再発する頻度は低いため、計画的な頸部郭清術を行う必要はないと考えられた。また CCRT 後の頸部病変の残存、再発に対する頸部郭清術については、安全に施行可能であり治療成績の更なる向上が可能と考えられた。
  • 松浦 一登, 浅田 行紀, 加藤 健吾, 山崎 宗治, 西條 茂
    2009 年 55 巻 Suppl.1 号 p. S98-S103
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
    近年、化学放射線治療 (chemoradiotherapy : CRT) が標準治療となるに従い、その治療後の残存・再発腫瘍に対する救済手術が注目されてきた。当科で行った CRT 後の頸部郭清術は 794 例中 14 例、1.8%であり、他院既治療例を含めても 867 例中 29 例、3.3%と予想したよりも少ない症例数であった。当科での CRT 後の頸部郭清術は根本的頸部郭清術を選択する割合が高くなっていたが、世の趨勢は CRT 後であっても郭清野を狭めて、より侵襲度の小さい郭清を選ぶ方向にあった。当科で CRT 後に頸部郭清を行った全 29 例での生存率は、疾患特異的 5 年生存率 49.3%、5 年粗生存率 38.4%であり、あきらめずに救済手術を試みる価値があるものと考えられた。
  • 藤井 正人, 清田 尚臣, 徳丸 裕, 松浦 一登
    2009 年 55 巻 Suppl.1 号 p. S104-S115
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
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