目的:舌癌 T2N0 症例における適切な頸部の取り扱いを明らかにすること。対象・方法:厚生労働省がん研究班の参加多施設における舌癌 T2N0 症例 180 例を対象に retrospective に検討を行った。結果:潜在的頸部リンパ節転移を 32%の症例に認めた。転移の部位としては患側の顎下・オトガイ下、上・中深頸部領域が大半を占めた。これらの潜在転移は腫瘍の厚みが 6 mm 以上の症例で有意に多かった(
p=0.03)。予防的頸部郭清術施行例では術後頸部リンパ節転移は有意に少なかったが (
p=0.03)、死因特異的生存率に有意差を認めなかった。考察:もし予防的頸部郭清術を施行するとすれば腫瘍の厚みが 6 mm 以上の症例に対して、患側の supraomohyoid neck dissection を施行するのが妥当と考えた。しかしその意義についてはなお検討の余地があると考えた。
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