成人急性咽頭・扁桃炎の重症度をスコア化し、重症と判定された急性咽頭・扁桃炎症例を対象として garenoxacin (GRNX) を投与し有用性を検討した。対象は 2010年に当院を受診した重症急性咽頭・扁桃炎患者 95名である。GRNX の副作用のため投与を中止した 2名を除いた 93名を臨床効果判定の評価対象とした。GRNX 7日間単独投与により治癒した症例は 80名で治癒率は 86%であった。追加の薬剤の併用を要した症例 13名中 10名より
H.parainfluenzae が検出された。細菌検査では計 147株検出され、主な検出菌 (%)、GRNX の MIC
90はβ溶連菌 46株 (31%) 0.125μg/ml、
H.influenzae 20株 (14%) 0.25μg/ml、
H.parainfluenzae 53 株 (36%) 4μg/ml 以上であった。GRNX は重症急性咽頭・扁桃炎に有用な薬剤であるが、
H.parainfluenzae 検出例では追加の薬剤の併用が必要となる場合があり、慎重な経過観察を要すると思われた。
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