当科にて 2009 年から 2012 年の 4 年間に原発性副甲状腺機能亢進症(pHPT)と診断、手術を行った症例について検討を行った。対象は 27 例、年齢は 23−82 歳、性別は男性 4 例、女性 23 例であった。最終病理診断は 26 例が腺腫、1 例が過形成であった。術前検査として頸部エコー、頸部 CT に
99mTcMIBI シンチグラフィ、TL201-Tc99m サブトラクションシンチグラフィを組み合わせることで局在診断が可能であった。手術は 22 例で副甲状腺 1 腺摘出、1 例で両側副甲状腺 2 腺摘出、4 例で甲状腺半切とともに 2 腺を摘出した。 16 例で、術中にintact PTH を測定しその低下を確認した。術後 26 例では速やかに血清カルシウム (Ca) 値の正常化が認められたが、1 例では正常化には至らなかった。合併症として、反回神経麻痺は認めなかったが、6 例で術後にテタニー症状と血清 Ca 値の低下を認めた。pHPT の手術において、責任病巣が特定可能であれば、病巣を摘出した上で術中 intact PTH を測定し、その低下を確認することが有用であると考えられた。
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