近年 drug-resistant
Streptcoccus pneumoniae (DRSP)や ampicillin (ABPC)耐性
Haemophilus influenzae による難治性急性鼻副鼻腔炎が報告されている。その原因として集団保育を受けている小児からの薬剤耐性菌感染が想定されている。そこで今回は、急性鼻副鼻腔炎症例における集団保育児との同居と薬剤耐性菌の検出頻度、薬剤感受性の関係について調査した。対象は 2010 年 7 月より 2013 年 6 月までに当院を受診した成人急性鼻副鼻腔炎症例 670 名である。集団保育児との同居例は同居していない症例と比較し、DRSP、ABPC 耐性
H. influenzae の検出頻度が有意に高く、検出菌の薬剤感受性が不良となる傾向がみられた。成人急性鼻副鼻腔炎の治療にあたり、集団保育児との同居例では薬剤耐性菌の感染を念頭におき重症度も評価した上で抗菌薬を選択する必要があると考えられた。
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